春の俳句②(2024)
『襲いくる 春疾風へと 消防車』
『赤色灯と 火の手に染まる 春の夜』
すでに日も落ち、すっかり暗くなった頃。
遠くから近づいて来る消防車のサイレン。
それが家の前を行き過ぎてすぐに音が止まる。近い。
次々に集まって来る消防車とパトカーのサイレン。緊迫した拡声器の声。
外に出てみると、この時間ならば普段は車の通りも少ない道にズラリと並ぶ車両。
その全ての赤色灯が夜の闇を赤々と照らしていた。
夜になっても止まない突風に煽られ、火の手が上がるのが見えた。
思った以上に近い。直線距離で200メートルほどか。
真っ赤に染まる世界の中、それは、どこか非現実的な光景に見えた。
後日聞いた話によれば、火元は倉庫で人的被害は無かったとのこと。
『春疾風』は春の突風のことです。