ポインセチアの花言葉
元カレから、突然花束をもらった。
「やる!」
そう言って去っていく。突然の事で私の頭はフリーズ。しばらく家の前で立ちつくしていた。
花束は白いポインセチアだった。星形の花で綺麗。クリスマス時期だから、店頭に並んでいるこの花を選んだのだろうか?
私はもう結婚が決まっている。SNSでも報告すみだ。
結婚後は、彼についていって海外で暮らす。不安はないわけではないが、一生愛する人ができた喜びの方が勝る。
しかし全くわからない。
ずっと音信不通だった元カレから急なプレゼント。
復縁希望?
それはないだろう。元カレは、女にだらしなく、浮気ばかりしていた事を思い出す。
「うーん、わからない……」
花屋に行けば何かわかるだろうか。もう夕方だが、一応行ってみる事にした。
クリスマス時期のせいか、店頭は赤色の派手なポインセチアも多くある。この派手なポインセチアに比べると、私が貰った白いのは、地味だ……。
「どうされました?」
て女性店員が声をかけてきたので、一応事情を説明する。
「事情は分かりました。たぶん、怪しいプレゼントでは無いですよ」
「え?」
「白いポインセチアの花言葉は、あなたの祝福を祈るという意味です。きっと遠回しにご結婚を祝うってことでは?」
それを聞いて気が抜ける。
だったらはっきり言ってくれればいいのに。まあ、言えないか。元カノの結婚の祝福は、こんな遠回しの表現しかないかもしれない。
「ポインセチアは、本当にクリスマスにぴったりです。この星形は、ベツレヘムの星を連想するとか」
「へえ」
「その花も大切にしてくださいね」
遠回しのメッセージが込められたプレゼントだったけれど。
「ええ。大切にします」
元カレのその気持ちはありがたい。
メリークリスマス。
私も他人の幸せを祈りたくなった。