ピッグ・イン・ブランケット
今日は最高のクリスマスイブだった。離れて暮らすパパも家に帰ってきて、ケーキやご馳走を楽しんだ。
来年は小学生になるからね。ちゃんとお風呂に入って歯磨きして、パジャマに着替えて眠るんだよ。
クリスマスは、イエス様っていう神様の誕生を祝う日って聞いた。パパによると全ての人を救うためにこの地上に来たんだって。
寝る前にサンタさんへの手紙も書く。パパと毎日会いたいなんて書けないから、最新のゲームが欲しいって書いておいた。それを机の上に置く。まあ、本当はサンタさんなんていないって知ってるけどね。あったらいいなぁって夢はみたいよね。
こうして準備が終わったら、ベッドに潜った。
ふかふかの布団で、すぐ眠気がくる。
今日のケーキもご馳走も美味しかったなぁ。チキンも美味しかったけれど、ママが作ってくれたピッグ・イン・ブランケットも大好き。
これは、ソーセージにベーコンを巻いて焼いた料理。イギリス料理でクリスマスの定番なんだよ。ママはイギリス人の友達がいるから、教えてもらったらしい。
ジューシーで美味しかったなぁ。ベーコンはカリカリで。いくらでも食べられそう。その名前の通り、豚がブランケットに包まれて眠る姿を想像してしまう。
よっぽど僕は、ピッグ・イン・ブランケットが好きだったらしい。
夢にも出てきた。
僕の隣で、豚がブランケットに包まれ、すやすやと眠っている。可愛いピンクの子豚で、ピーちゃんと呼びたくなった。
「ピーちゃん」
ピーちゃんは、答えない。幸せそうにすやすやと眠るだけ。
そうだね。
僕も眠ろう。こんな良い夢を見るなら、明日もきっと良い日さろう。きっと、枕元にプレゼントがあるはず。サンタさンからではなくパパからの。
お休みなさい。
夢の中の僕は、ピーちゃんに寄り添い、幸せな眠りに落ちていた。