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恋愛アプリを使ってみたら幼馴染と両想いになれました  作者: 釧路太郎
恋愛コミュニケーション
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第六話

「そう言えばさ、泉ちゃんって恋愛アプリって使ってる?」

「登録してから一回も開いてなかったかも。もしかして、亜梨沙ちゃんは誰かと両想いになったとか?」

「いや、そうじゃないんだけどさ。昨日何となく開いてみたら、フレンドポイントプレミアム会員に選ばれたみたいでさ、よくわからないんだけどソレに選ばれると友達同士でもポイントが貯まるみたいなんだよね。私が選ばれたって事は泉ちゃんも選ばれたのかなって思って聞いてみたんだけど、どうなのかな?」

「へえ、そんなのもあるんだね。ちょっと見てみようかな」


 私が奥谷君の事を登録したのはだいぶ前だったのだけれど、結局今に至るまで両想いにはなっていないのだった。そんなわけでこのアプリの事は頭の片隅にあっただけで見ることは無かったのだが、亜梨沙ちゃんの言うプレミアム会員に私も選ばれていたとしたらポイントが貯められるかもしれないんだね。


「あ、私は選ばれてなかったみたいだよ。あんまり使ってなかったからかな」

「そうなんだ。じゃあさ、私が泉ちゃんの事をプレミアムフレンドに招待するから登録してよ。招待した人が登録するとお互いのポイントが二倍貯まりやすくなるみたいなんだよね」

「それってお得だね。貯まったポイントって普通に使えるの?」

「普通に使えると思うよ。私はまだ貯まってないからわからないけど、梓ちゃんは彼氏と一緒にカラオケで使ったって言ってたし、似たようなもんなんじゃないかな」

「そうなんだ。じゃあ、ポイントが沢山たまったら一緒にカラオケ行こうか」

「カラオケ良いね。亜紀ちゃんたちも誘ってパーッと騒ごうよ。明日には亜紀ちゃんも学校に来るかもしれないしさ」

「へえ、亜紀ちゃんが学校に来るかもしれないんだ」

「前みたいに亜紀ちゃんが楽しく過ごせるといいんだけどね。そのためにもみんなで力を合わせて山口に痛い目を見せないとね。泉ちゃんは山口に何をしたらいいと思うかな?」

「うーん、あんまりそういうのは思いつかないかな。亜紀ちゃんの気持ちが一番大事だと思うからみんなの前で謝ってもらうのが良いと思うんだけど、山口さんはそういうのしなさそうだし、先生に何か言われたら面倒なことになると思うんだよね」

「確かにそうだよね。山口って先生に何でもチクってそうだし、私達も先生たちに誤解はされたくないからな。泉ちゃんに話して良かった。梓ちゃんは亜紀ちゃんの事で熱くなっちゃってるから何するかわからないし、冷静な泉ちゃんに話して良かったと思うよ」

「え、うん。亜梨沙ちゃんたちが山口さんに何をするのかわからないけど、暴力はダメだからね。それだけはダメだよ」

「大丈夫。暴力は良くないってみんな知っているからね。それに、そう言った事は男子が勝手にやりそうだしさ」

「え、男子が?」

「奥谷君たちじゃなくて吉原とか瀬口が山口にキレてるみたいでね、痛い目に遭わせてやろうかって言ってるらしいんだよね。歩ちゃんが言ってたから間違いないと思うんだけど、吉原と瀬口ってちょっとバカっぽいとこがあるからやりすぎないか心配なんだってさ」

「なんでその二人がキレているんだろうね」

「それは私も気になったんだけど、あの二人って亜紀ちゃんの事を好きなのかもしれないよね。だって、そうじゃなきゃあそこまでキレないって普通は思うもん」

「それって可能性高いかもね。私も好きな人が同じ目に遭っていたらキレちゃうかもしれないからね」

「ええ、泉ちゃんの好きな人って誰なの。教えてよ」

「例えばの話よ、例えばの」

「そっか、じゃあ、帰ってから恋愛アプリでやり取りしようね。ポイント貯めるためにもたくさんやり取りしなきゃいけいないし、ポイントをためるために泉ちゃんの好きな人の話をたくさん聞いちゃおうかな」

「もう、好きな人の話なんてしないって」


 結局、私達は家に帰ってからも恋愛アプリを使ってメッセージのやり取りをしていた。亜梨沙ちゃんからは何度も好きな人について聞かれていたけれど、私はそれを上手くかわして亜梨沙ちゃんの好きな人の話を聞いていた。きっと、私の好きな人の話なんてどうでも良い事で、亜梨沙ちゃんは自分の好きな人の話をしたいだけなんだろうなとは感じていたんだけどね。

 ただ、亜梨沙ちゃんが好きな奥谷君の事は私も好きなんだという事は、最後まで伝えることは出来なかったな。

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