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チャラ男がマジ恋した結果

作者: 白水廉

 繁華街にあるコンビニの前。

 黒髪で長身痩躯(ちょうしんそうく)の青年がスマホを片手に立っていた。


「ねえ、見て! あの人、めっちゃイケメン!」

「んー? ほんとだ! いいなぁ、あんな彼氏欲しいなー」

「でもあれだけイケメンだと、女遊びしてるんだろなー」

「絶対そうだよ! あたしがあの人ならそうするもん!」


 その青年の前を通りすがった二人の女性からそんな言葉が漏れる。


 青年の名は有村零(ありむられい)。二十四歳の会社員だ。

 パッチリとした大きな目とスッと通った鼻筋で構成されたその顔は、まさに容姿端麗(ようしたんれい)という言葉がピッタリと当てはまる。


「来ないな……」


 手元のスマホに視線を落とし、ポツリと呟いた。

 時刻は十九時半。待ち合わせ時間から三十分も過ぎているのに、連絡すら来やしない。


(もしかして何かあったのか?)


 いつもは遅刻なんてしない奴だ。事故にでも遭ったのではないかと不安を覚え始める。


「――わりぃわりぃ、ちょっと仕事でトラブちってさ」


 そんな零の元に、茶色い髪を長く伸ばしたホスト風の男が駆け寄りながら声を掛けてきた。


 桐島拓也(きりしまたくや)


 零の待ち合わせ相手である。

 系統こそ違えど、彼も雫に負けず劣らずのイケメンだ。


「お疲れ。何かあったのかと焦ったよ。じゃ、行こうぜ」

「おう! 腹減ったわぁ」


 二人は言葉を交わした後、コンビニの隣にある居酒屋へと入っていった。

 そこで男の店員に注文を伝え終わった雫は、そのまま拓也に向かって口を開く。


「それで今日はどこにする? イーグル? ビーサイド?」

「んー、イーグルは昨日行ったしなー。ビーサイドでよくね? あ、ジールでもいいけど」


 雫たちが決めているのは、これからどのナイトクラブに赴くか。

 ナイトクラブとは、夜な夜な出会いを求めに男女が集う大人の社交場である。

 そう、二人はこれからナンパへ繰り出そうとしているのだ。


「じゃあ、ビーサイドでいいか。――あ、どうも」


 先ほどの男性店員がビールとお通しを運んできた。

 二人は手に取ったジョッキを打ち付けてから、黄金色の液体で喉を(うるお)す。

 半分ほど飲み、ぷはーと言葉を漏らしたところで、拓也が言った。


「そういやLIMEで言ってたけど、昨日の()となんでヤらなかったんだ? めっちゃかわいかったのに」


 雫は昨日も拓也とクラブに足を運び、いつも通り女の子をお持ち帰りすることに成功した。

 それなのにも関わらず、手を出さなかった。


 理由は単純。

「ヤるなら付き合って」と言われてしまったから。

 雫は確かにチャラい男だが、適当に付き合うと言っておいて後になってポイ捨てする――いわゆるヤり捨てだけは絶対にしない。


 相手の女性を傷つけないため、後の面倒ごとを避けるため、そして何より彼女にするのは本当に好きな人だけと決めているためだ。


 あくまで相手もその場限りと割り切っている時にしか、雫は行為に及ばない。


「『ヤるなら付き合って』って言われちゃったからさ。結局、話だけしてそのまま寝たよ」

「ああ、いつものやつな。それなら仕方ねえか」

「わかってくれるのはお前だけだよ、ほんと」


 派手な見た目に反して、拓也も雫と同じである。この二人は女性の恋心を弄ぶような真似は絶対にしない紳士なのだ。

 だからこそウマが合い、クラブで知り合ってから一年。こうして付き合いが続いている。


「じゃあ、今日こそはしっかりとビッチちゃん捕まえて、やることやらないとな!」

「だな……って、お前は昨日ヤッてるだろ!」

「俺は過去は振り返らねえっ! 待っているのは未来だけだ!」


 拓也はそう言いつつ、テーブルにドンッと拳を打ち付けた。


「あはは、バカじゃねーの。漫画の主人公かよ」

「かっけーだろ? ははっ」

「お待たせいたしましたっ! 唐揚げとたこわさですっ!」


 バカ話で盛り上がっていると、横から女性の声が聞こえてきた。


「あっ、ありがとうござ――」


 何気なく、その女性をちらりと見た瞬間、雫の時間が停止した。


 黒髪のミディアムヘアーに、クリクリとした丸くて大きいタレ目。加えてキュっと上がった口角が何とも愛くるしいタヌキ顔の女の子。

 まだあどけなさが残るその表情は、太陽のように明るい。


 とはいえ。

 確かにかわいらしくはあるが、何も絶世の美女って訳ではない。

 三日前に抱いたギャルのほうが断然ルックスがよかった。


 それなのにも関わらず、雫はその女性に目を奪われていた。


「では、ごゆっくりどうぞ!」


 その女性店員は料理を置いた後、ニコッと微笑んでから去っていった。


「――い。おいっ!」

「……ん? どうした?」

「『どうした』はこっちのセリフだよ! いきなりボーっとして。もう酔いが回ったのか?」

「いや、別に……」

「ふーん、変な奴。まあいいや。じゃ、食おうぜ」


 二人は料理をつまみつつ、話に花を咲かせた。


 それから数十分。


「――よし、そろそろ行くか」


 拓也は立ち上がり、伝票を手に取って入口へと歩いていく。その後を零も追い、レジに置かれた呼び出し鈴を押す。


「はい、お会計ですね! えーっと、全部で――」


 最初に注文を取りに来た男性店員がやってきた。

 その瞬間、雫はなぜかガッカリしたかのような気分を覚える。

 

 しかし、その理由がわからない。


「じゃあ、これで。今日は俺が出すわ。待たせちったしな」


 拓也は店員に五千円札を手渡した後、振り向いてそう言った。


「あ、ああ。わりいな。ご馳走様」

「おう! よし、それじゃあ行くか」





 店から出て、十分ほどが経った頃。

 二人はナイトクラブ――ビーサイドに辿り着いた。


「年齢を確認できるものお願いしやーす」


 入口に立っている大柄でぶっきらぼうな男に免許証を手渡す。


「うぃー。そんじゃあどーぞー」


 別の男が扉を開くと、中から鳴り響く重低音が心臓を揺らす。


 この瞬間がたまらない。

 さあやるぞ! と気合いが入る。


 ……いつもであれば。


 そのまま中へ足を踏み入れ、これまた不愛想な受付の男に雫は千円札を渡した。

 入場料である。


 雫はその受付の店員から、中でドリンクと交換できるチケットを受け取り、フロアーに入っていった。

 まだ二十一時にもなっていないためか人はまばらだ。男はともかく、お目当ての女性客は数えるほどしかいない。


「さすがにスカスカだな。まあ、とりあえず乾杯しようぜ」


 一歩遅れてフロアーにやってきた拓也が、雫に耳打ちするようにして伝える。普通に話していては爆音にかき消され、会話が全く聞こえないためだ。


 雫たちはバーカウンターに移動し、クラブでお馴染みのカクテル――ウォッカのエナジードリンク割りを注文。

 そうしてドリンクが作られるのをぼーっと見ていると、後ろから背中をツンツンと突かれる。


 振り返ると、ミルクティー色の髪をした小柄な女性が立っていた。


「お兄さん、めっちゃイケメンですねっ!」


 その女性は耳打ちするようにそう言ってきた。

 逆ナンである。それもタイプではないものの、中々にかわいい娘から。


 これはラッキーだ。クラブに入ってからものの数分で、お持ち帰りの目星が付いてしまった。


 しかし、なぜか素直に喜べない。何だか気分が乗らないのだ。


「そう? ありがとっ!」


 雫はとりあえず言葉を返しつつ、横にいる拓也のほうへ目を向ける。


 すると拓也は黒髪と金髪、二人の女性と会話していた。

 金髪の女性は、同時に雫が話している女性とも親しげに話している。

 どうやら三人組のようだ。


 やがて拓也は自身の右耳を触り始めた。


 これは二人が事前に決めたハンドサインの一つ――「イケそうだから、この娘たちにしよう」である。


 拓也は今日のターゲットをこの三人組に定めたようだ。


(……何かやる気がしないから、今日はサポートだけでいいや)


 雫と拓也はドリンクを受け取り、女性たちと話に花を咲かせた。




 それから一時間ほどが過ぎ、徐々に客が増えてきた頃。

 気が付けば、二人で話していた拓也と金髪の女性の姿が見えなくなっていた。


 雫はポケットからスマホを取り出し、通知を確認。

 すると案の定、拓也から『お先~』というLIMEのメッセージが届いていた。


 どうやら無事にお持ち帰りできたようだ。それを確認した雫は、自身が話していた黒髪とミルクティー色の髪の女性に告げる。


「ごめん、何か具合悪いから俺帰るね。後は楽しんで!」


 逆ナンしてきたミルクティー色の髪の女性から、「えー!」という言葉が返ってくる。持ち帰られるつもりでいたのだろう。


 しかし、どうも今日は気が乗らない。

 居酒屋の女性店員を見た時から何かがおかしい。あの娘のことが気になって仕方がない。

 昔の知り合いか何かだろうか。


 雫は二人の女性と別れ、クラブを出てはそのまま帰路へと就いた。





 翌日。

 仕事を終え、会社から出た雫はスマホを確認した。

 するとLIMEの通知が一件。


『わりい、仕事バタついてるから今日は辞めとくわ。また明日な』


 拓也からだ。


(そうかぁ。仕方ない、今日は一人で行くか)


 雫は仕事終わりにクラブへ行くことが習慣になっていた。あの爆音を聞かないと落ち着かない身体になってしまったのだ。

 (ゆえ)に何か用事がない限り、平日はほとんどクラブに足を運んでいる。ソロで行くことも珍しくはない。


『わかった、仕事頑張ってな。じゃまた明日』


 そうチャットを送ってから、雫は電車に乗って繁華街へと移動した。


 そうしていつものコンビニに向かう道中、雫は隣にある居酒屋の前で足を止めた。


(そういえばあの娘、居るかな……)


 昨日、家に帰った後もタヌキ顔の女性店員のことが頭から離れなかった。

 なぜかはわからないが、無性に気になる。


 その思いが居酒屋を見た瞬間、さらに大きく膨れ上がった。


 一人の時、食事は普段コンビニのおにぎりやサンドイッチで済ませる。

 だが、今日は居酒屋で食べることにした。


「いらっしゃいませ! お一人様でよろしいですか?」

「あ、はい。一人です」


 出迎えてくれたのは、昨日とはまた違う男性の店員だった。

 答えつつ、店内を見渡してみるも、あの女性店員は見当たらない。


「では、こちらへどうぞ!」


 案内されたカウンター席に腰を下ろし、雫は注文を伝えた。


「はぁ……」


 大きな溜め息がこぼれる。


 こんなにも、ガッカリとした気持ちを味わったのはいつ以来だろうか。ナンパした女性とヤれそうでヤれなかった時ですら、ここまで落胆(らくたん)したことはないというのに。


「お待たせしました! 先に生ビールとお通しをお持ちしました」

「ありがとうございます……」


 雫は溜め息をもう一つ吐いてから、ビールを喉へと流し込む。

 心なしか、いつもよりも飲みっぷりがいい。


(まあいいや。さっさと飯食ってクラブ行こ)


 後から運ばれてきた、天ぷらとだし巻き卵を腹に入れた雫は席を立つ。

 それから会計を済ませるため、入口のレジに向かって歩いていると、


「――きゃっ!」


 横から強い衝撃と水で濡れたような感覚を覚えた。


 瞬間、先ほどまで自身が飲んでいた液体と同じ香りが漂う。ビールをぶっかけられてしまったことは一瞬でわかった。


(……最悪だ)


「あっ……ああっ! も、申し訳ございませんっ! あ、あの……」


 今にも泣き出しそうな女性の声が耳に届く。


 当たり前ではあるが、わざとではなさそうだ。誰にでも失敗はある。

 

 その考えから雫に責める気はなかった。

 見た目だけではなく心もイケメン、それが有村零という男である。


「ああ、別に大丈夫で――」


 言いながら女性のほうを向いた雫は、途中で言葉を失う。

 ぶつかってきたのは、昨日見たタヌキ顔の女性店員だった。


「す、すぐにタオルをお持てぃ、お持ちします!」


 その女性は慌てて厨房の中に入っていく。その様を雫は呆然としながら目で追っていた。


 ひと呼吸おき、厨房から出てきた彼女を見て、胸がドキッと跳ねる。

 走って近づいてくる度、胸の鼓動が激しくなる。


「す、すみません! 申し訳ございません! 本当にごめんなさい……」


 女性は動揺した様子でそう言いながら、持ってきたタオルで雫の衣服を一生懸命に拭いた。

 それを見ていた雫の心臓はもはや爆発しそうなほど、強く脈打っていた。


「お、お客様っ! 本当に、本当に申し訳ございませんっ!」


 不意に聞こえてきた男性の声に反応し、雫は視線を上げる。

 そこに居たのは中年の男性。こちらに向かって何度も頭を下げてきていた。


 それを見て、雫はハッと我に返る。


「……あ、あの。だ、大丈夫です。気にしてないです、から」


 無理やりひねり出すようにして、雫は言葉を紡いだ。


「本当に申し訳ございません! 本日のご飲食代はもちろん頂きません。クリーニング代もお渡ししますので、どうかっ!」

「も、申し訳ございませんっ!」


 しかし、焦りからか、雫の言葉は二人の耳に届いていない様子。


 雫は一度大きく深呼吸し、気持ちを落ち着かせてから、ゆっくりと口を動かした。


「あの、本当に大丈夫なので気にしないでください。服も安物ですし」

「し、しかし……」


 本人が大丈夫だと言っているのに、中年の男性は引こうとしない。


(このままだと(かえ)って気を遣わせそうだな……)


「じゃあ、今日の代金だけ甘えさせてください。クリーニング代は結構なので!」

「は、はい! もちろんですっ! いくらでも飲んで食べていってください!!」

「いや、もうお腹いっぱいなので帰ります……。それじゃあ、また来ますね!」

「「本当に申し訳ございませんでしたっ!」」


 雫は二人からの謝罪の言葉を浴びながら、店から出た。

 そこで緊張の糸がほぐれたように、ふーっと大きく息を吐く。


 その頃には、自身の気持ちを言葉で表せるようになっていた。


(人を好きになるのは久しぶりだな。しかも一目惚れで、か)


 本気で人を好きになったのは高校生の時が最後だったか。

 女性とのまぐわり方を覚えてからというもの、雫は恋心なんてものはすっかり忘れていた。


「どうすりゃいいんだろ……」


 ポツリと言葉が漏れた。





 翌日。

 雫と拓也は例の女性店員がいる店とは別の居酒屋で飲んでいた。


「――えっ? あれってマジなほうのやつ?」

「マジじゃないほうってなんだよ……」

「いや、ヤりたくてヤりたくてたまらない娘を見つけたのかと……」


 雫は昨日、店を出てから一目惚れした旨を拓也へと伝えていた。

 こうして相談に乗ってもらうためだ。


「で、どうすればいいと思う?」

「どうすればってそんなもん、いつも通り声を掛ければいいだけじゃね?」

「いや、クラブじゃないんだぞ……」


 今回はフィールドも相手の属性も、普段のナンパとは訳が違う。

 だからこそ困っているのだ。


「うーん。素直に『一目惚れしました。良かったら連絡ください』つって、LIMEのID書いた紙渡せば?」

「やっぱりそれしかないよなぁ……」


 雫はテーブルに顔を突っ伏してそう言った。


「よし。それじゃあ早速その店行こうぜ」

「えっ!? 今から!?」

「おう、善は急げ。思い立ったが吉日って言うだろ。それに俺も()()雫が惚れた女の子見てみたいし」

「いや、でもさあ……」


 雫は途端にもじもじとしだした。


「どうしたんだよ?」

「恥ずかしいっていうか……」


 拓也は絶句した。


 クラブでガンガンとナンパしては、その日の内に関係を結んできた超プレイボーイが、たかが連絡先を渡す程度のことで恥じらっているのだ。

 驚くのも無理はない。


「……いや、でも行動しなきゃ何も始まらんだろ。なんせ客と店員なんだから」

「そう、そうだよな! よし、行こう!」

「お、おう」


 二人は(くだん)の居酒屋へとハシゴした。


「いらっしゃいま――あっ、昨日は本当に申し訳ございませんでした! また来てもらえるなんてっ!」


 雫と拓也をタヌキ顔の女性店員が出迎える。


 その瞬間、雫は再び心臓の鼓動が高鳴るのを感じた。


「ど、どうもっ!」

「本当に嬉しいです! では、こちらへどうぞ!」


 案内されたテーブル席に座った二人は、ひとまず酒と軽いつまみを注文。

 その店員が去っていったのを確認してから、拓也は雫にコソコソと話かける。


「それで、どの店員さんだ? 今日は居るのか?」

「え? 今の娘だよ?」


 拓也は再び絶句した。


「マジで……?」

「うん、マジ」


 確かにかわいらしい娘ではある。

 だが、言い方を選ばなければどこにでも居そうな普通の女の子だ。


「な、何か意外だな。もっとこう、芸能人みたいなオーラのある娘だと思ってたわ……」

「うーん。見た目ももちろんそうだけど、一番は何か雰囲気? みたいなのがズキューンて来てさ」

「そっか、それはよかったな……」


 二人で話していると、テーブルに一人の女性が近づいてくる。


「お待たせいたしましたっ! お先に生ビールとお通しをお持ちしましたっ!」


 声をかけられた瞬間、雫がビクっと身体を震わせた。


「ど、どうも……。あり、ありがとうございます!」


 そしてぎこちなくお礼の言葉を述べる。

 その光景を拓也は苦笑いを浮かべながら見つめていた。


「はいっ! それではごゆっくりどうぞ!」


 タヌキ顔の女性が席から離れていった直後、雫から大きな溜め息がこぼれる。


「まあ、とりあえず乾杯しようや」

「……おう」


 二人はジョッキを打ち付けてから口に運び、豪快に喉を鳴らす。

 それからぷはぁーっ! と言葉を漏らした後、拓也は雫の胸の辺りを指差しながら口を開いた。


「よし。じゃあ次に料理を持ってきた時、それ渡せよ。俺は席を外すからさ」

「わ、わかった!」


 雫の胸ポケットには、LIMEのIDを書いた紙が入っている。

 前の店で書いたものだ。

 

 本当は店を出る時に渡すのが一番スマートではあるが、タヌキ顔の女性が会計してくれるとは限らない。

 その理由から、拓也は次に料理を運んできた時に渡せと言っているのだ。


 それから一昨日の拓也のその後や仕事の愚痴など話していると、店員が近づいてきた。

 タヌキ顔の女性店員だ。


 それを確認した拓也は席を立ち、雫の肩を叩いてからお手洗いへと向かった。


「お待たせいたしましたっ! 刺身の盛り合わせです!」

「は、はいっ! どうも……」


 テーブルに大きな皿がごとりと置かれる。


「では、ごゆっくりどうぞ!」

「……あのっ!」


 去っていこうとする女性を雫が呼び止めた。

 ただでさえ、バクバクと音を立てている心臓の鼓動がさらに早くなる。


「はい! どうされましたか?」

「あの、その、えっと……」


 笑顔で問いかけてくる女性を見て、雫は言葉を詰まらせる。

 緊張で胸が張り裂けそうだ。


 しかし、伝えないことには何も起きない。


(よしっ!)


「――あのっ!!」

「はいっ!」



「……生ビール、ください……」


 駄目だった。

 花の咲いたような笑顔と明るく元気な返事に一発KO。

 

「かしこまりましたっ! 少々お待ちください!」


 女性店員は去っていってしまった。

 思わず大きな溜め息が漏れる。意気地のなさに嫌気が差す。


「どうだった……って、その顔を見るに渡せなかったみたいだな」


 席に戻ってきた拓也からの言葉に、雫は頷くことで返す。


「そう落ち込むなよ。まだチャンスは山ほどあるって」




 拓也はそう言ったものの、それから例の女性店員がテーブルに来ることはなかった。

 新たに注文しようにも、前の店でたらふく飲み食いしている二人。もう腹に入らない。



「――出よう。そんでビーサイド行こう」

「えっ? いいのかよ?」

「おう。何か馬鹿馬鹿しくなってきたわ。恋愛とか面倒くさいだけだし」

「お、お前がそう言うなら……」

「よし、じゃあ行くか。何か無性にヤりたくなってきたし、今日はかますぜ」


 雫は伝票を手に取り、そそくさと入口前にあるレジに向かっていった。

 そんな雫を拓也は溜め息を吐いてから追いかける。


 そうして呼び鈴を押したところ――


「お待たせいたしましたっ! お会計ですね! えっと……」


 やってきたのはタヌキ顔の女性店員。


 ドキリ。

 すっかり落ち着いていた心臓が再び騒ぎ出す。


「俺、先出てっから」


 拓也はそう言って、店から出ていった。気を遣ってくれたのだ。


「合計で4,200円でございますっ!」

「は、はい……」


 雫は財布から金を取り出し、女性店員に手渡す。


「はい、4,200円ちょうど頂きます。ありがとうございました!」


 すると、その女性は満面の笑みを浮かべてからペコリと頭を下げた。


(かわいい……)


 完全に惚れていた。何てことのないごく普通の動作ですら、雫の目にはかわいく映る。


 今行動しなければ一生後悔する。

 そう考えた雫は男を見せた。


「「――あの良ければ、これ受け取ってください!」」


 声がハモった。

 深く下げていた頭を上げると、女性店員が両手で小さな紙を差し出してきていた。


 雫から伸ばされた両手にも、同じく小さな紙。


 その光景は傍から見れば、名刺交換をしているかのようだ。


「えっ? あ、はい……」

「ど、どうも……」


 雫は女子中学生が授業中にこっそりと回し合っているような、綺麗に折られた紙を受け取った。

 一方、自身が差し出した紙は女性店員の手の中に。


「そ、それじゃあ――」


 恥ずかしさのあまり、雫は店から飛び出した。


「お、来たか。それで……って、やっぱり駄目だったか」


 雫の右手に視線を落とした拓也がそう口にした。手元に紙があったからだ。

 それに対し、雫はブンブンと首を横に振り、大きく深呼吸してからと口を開く。


「渡せたっ!」

「えっ? じゃあ、それは?」

「何かよくわからないけど、もらった」

「……は?」


 手紙を渡すようにと残してきた雫が、手紙を受け取ってやってきたのだ。拓也にとってはまるで意味がわからない。


 同時に雫にも疑問が浮かぶ。


(何だろう、これ)


 雫は綺麗に折られた紙を開いた。


『この前は本当に申し訳ございませんでした!

 せめてものお詫びとして、ご迷惑でなければ今度ご飯をご馳走させてください。

 本当に良ければでいいので! もし良かったらご連絡待ってます!

 七咲由依(ななさきゆい) LIME ID:○○○○○○○』


 思わず口元が緩む。

 同じ文章であるにも関わらず、読み直す度にニヤつきが増す。


 その様はいくら眉目秀麗(びもくしゅうれい)な雫と言えども、不気味なものであった。


「――い。おい! どうした? すげー顔してるぞ」

「あ、ああ、ごめん。どうやら手紙だったみたいで」

「手紙? それでなんて?」

「『今度ご飯をご馳走させてください』って。後、連絡先が書いてあった……」

「……あ、そう。……それはよかったな」


 拓也はもはや投げやりだった。


「……うん。うんっ! よっしゃああーっ!!」

「はぁ……。もう付き合いきれんわ。じゃ、今日は解散だな。俺は今からビーサイド行ってくるわ」

「えっ? 俺も――」

「お前は帰ってLIMEしてやれよ。どうせ送る内容を考えるのに、時間が掛かるんだから」


 言葉を遮り、拓也は雫に帰宅するよう促した。


「……わかった。付き合ってくれてありがとな」

「おう。雫、頑張れよ」


 雫は拓也の言葉から、『今は女遊びしている場合じゃない』というメッセージを感じ取った。

 それを素直に受け取った雫は、拓也と別れ帰路へと就いた。





「はぁ……」


 ベッドの上に寝転んでいる雫から溜め息がこぼれる。

 送ったLIMEが一時間経っても返ってきていないどころか、既読にもならないという理由によるものだ。


(ミスったかなぁ……)


 雫は散々悩んだ挙句、結局名前と年齢に職業、それらに加えて『ぜひご飯行きましょう!』というメッセージを送信した。

 既読にならないのは、その文面が良くなかったからではないか。

 そんなネガティブな考えが頭の中を支配していた。


「風呂、入ろ……」


 そこで雫は気を紛らわせるため、風呂に入った。




 それから三十分後。


(どうせ来てないんだろうな……)


 本当に来ていなかった時のダメージを和らげるため、事前にそう思いつつスマホを確認した。


 すると、通知が一件。名前の欄には由依とある。

 雫はドキドキしつつ、本文をタップして文章に目を通した。


『こんばんは! 今バイト終わりました。連絡して頂けて本当に嬉しいです!

 私は七咲由依という名前で、二十歳の大学生です。

 ご飯の件もありがとうございます! 美味しいお店、探しておきますねっ』


 胸が(おど)った。

 連絡が来た上に、デートの約束まで。


 顔のニヤけが止まらない。


「よし!」


 そんな状態が数分続いたところで、雫は返信することに。


(バイト終わりだし、まずは相手を労わる言葉からスタート。次にどこの大学か聞いてみるか? いや、それはもっと仲良くなってからのほうが……)


 しかし、どう返信するのが正解なのかわからない。

 何せここ最近、女性とのLIMEなんてセフレとしかしていないためだ。


『今日いける?』『何時?』『ういー』


 この三文以外、普段はまず使わない。


 それ故、スマホを握ったまま、全く指先が動かなかった。





 四日後。


 今日はタヌキ顔の女性店員――由依との約束の日だ。

 

 あれから由依が率先して話題を振ってくれたおかげで、LIMEのやり取りは順調。とんとん拍子でご飯へ行く日にちが決まり、ようやく当日が訪れた。


「よし!」


 雫は鏡を見て、髪を指で触りながら呟いた。

 バッチリとセットされていながらも、キメすぎていない髪型が整った顔を引き立たせている。



 そんなイケメンは駅のトイレから出て、待ち合わせ場所である改札前へと向かった。


 そうして辿り着くと、まだ時間より三十分も早いのにも関わらず、そこには既に由依の姿が。


(ヤバっ!)


 雫はドキドキとしつつ、由依の元へと駆け寄った。


「ごめんっ! 待たせちゃった!」

「いえ、今来たところなので全然待ってないですよ! そもそもまだ時間になってないですし……。だから謝らないでくださいっ」


 微笑みながらそう話す由依を見て、さらに胸の鼓動が強まる。


(か、かわいい……)


 居酒屋では黒シャツ・黒エプロンに身を包む彼女だが、今日は白のニットにベージュのロングスカート。

 持ち前の清楚さが増したその姿は、雫にはより魅力的に映っていた。


「う、うん。じゃ、行こう……か?」

「はいっ!」


 元は由依が店を決め、そこで雫にご馳走するという話だった。

 それを雫が『行ってみたいお店あるんだけど、男一人では入りにくいから付き合ってほしい』と送ったことで、奢りの話はナシに。


 よって、今日のデートはビールを掛けたお詫びとして、由依が雫の行きたい店に付き合うという建前によるものである。


 そんな二人は駅から出て、雫が予約したダイニングバーを目指して歩いた。


「今日は人が多いね」

「で、ですねー」

「……今日は晴れでよかったね」

「はい、よかったです」


 その道中、盛り上げようと話し掛けるも会話が恐ろしく弾まない。


(な、何を話せばいいんだ……)


 クラブでは驚くほど饒舌(じょうぜつ)な雫だが、今ではその面影は全くない。

 それもそのはず、クラブで話しているような話題はとてもじゃないが振れないからだ。


 クラブで流れている音楽(EDM)の話、褒めトーク、愚痴を引き出して共感を示す技、特別扱い、下ネタ。

 どれも今の状況には役立たなかった。


 そもそもこれらが通じるのは、相手の女性が雫のルックスに既に落ちているから。正直、雫は話が上手い訳ではない。


 その結果、葬式のような雰囲気の中、店に辿り着いてしまった。


「いらっしゃいませ」

「あ、予約している有村ですけど」

「有村様ですね、お待ちしておりました。こちらへどうぞ」


 雫が予約していたのは、各席にアクアリウムが設けられたダイニングバー。

 やや暗めの店内にアクアリウムから発せられる光がムードを漂わせる、一言で表せば超オシャレな店だ。


「わぁ……!」


 店内を見渡した由依から感嘆(かんたん)の声が漏れる。

 どうやらお気に召したようだ。


(はあ、良かったぁ)


 拓也やセフレからおすすめの店を聞いた甲斐があったというものだ。


「こちらです」


 案内されたのは二人掛けのオープン席。それも横並びやL字ソファではなく、対面席だ。

 この店には個室もあるが、警戒されてしまわぬよう、敢えてオープン席を選んだ。


「よろしければ、お先にお飲み物のほうを伺います」

「由依ちゃん、どうする?」


 雫はメニューを由依に向けて開く。


「うーん、じゃあ私はピーチウーロンで!」

「俺は生で」

「生とピーチウーロンですね。かしこまりました」

「素敵なお店ですねっ!」


 店員が去っていった後、由依がキラキラとした目でそう言った。

 本当に気に入ったようで、雫もホッと胸を撫で下ろす。


「ね! 実は友達に教えてもらったんだ」

「そうなんですね!」

「うん。あ、そうだ。由依ちゃん何食べたい?」

「えーっと、これとか美味しそうですよっ!」


 二人はメニューを見ながら、注文する品を話し合った。

 その姿は付き合い立てのカップルのようで、実に微笑ましい。


「お待たせいたしました。ピーチウーロンと生ビールです」

「はい、ありがとうございますっ!」

「すみません、注文いいですか?」


 注文を告げ、店員が離れていった後、二人は乾杯することに。


「それじゃあ、由依ちゃん。乾杯!」

「はい! 乾杯、です!」


 グラスを打ち付けた雫と由依は、それぞれの口を酒で潤わせた。


「ふぅー。美味い!」

「ですね!」

「…………」

「…………」


 盛り上がったのも束の間。それから会話が続かない。

 由依もかなり気まずそうだ。


(マジでヤバい……。どうしよう……)


 そのまましばらく沈黙が続いた後、救世主がやってきた。


「お待たせいたしました。カプレーゼと真鯛のカルパッチョです」

「あ、どうも!」

「それでは、ごゆっくりどうぞ」


 無慈悲にも、その救世主はすぐさま去っていってしまった。


「じゃ、じゃあ食べよっか!」

「は、はい!」


 雫はカプレーゼを少し取り、口へと運ぶ。


(美味い……多分)


 見た目からして美味しいのは言うまでもない。

 しかし、あまりの緊張と気まずさから、雫は味がわからなくなっていた。


「美味しいねー……」

「はい、美味しいです……」


 地獄である。

 これほどまでに気まずいのは初めてだ。


 先日、クラブで引っ掛けたギャルに『ヤるなら付き合って』と言われ、何もせずに過ごした一夜も相当な気まずさであった。

 だが、今はそれよりも遥かに上回る。


 それから救世主が度々姿を現すも、現状が変わることはなかった。




 そんな重苦しいムードが続くこと、およそ一時間。

 注文した料理が全て揃い、それらを無理やり胃の中に落とし込んだところで店を出ることにした。


 空気に耐えられなくなったのもそうだが、何より由依にこれ以上辛い思いをさせたくないと考えたためだ。

 であれば、もっと雫が頑張るべきではあるが、打開する方法は見つからなかった。

 それ故の判断である。


「じゃあ、行こう。由依ちゃん」

「あ、はい……。あの、ご馳走様でした」

「……どういたしまして」


 会計は全て雫が持った。由依も当然出そうとしていたが、それを断った。


 それから駅に向かう道中。

 店に行くまでは辛うじて言葉のやり取りがあったが、今では全くといってない。


 静寂の中、二人はただ一心に足を動かしていた。





 雫は由依を改札前まで送り届けた。


「由依ちゃん、今日は付き合ってくれてありがとう! 帰り、気を付けてね」


 無理やり笑顔を作って言葉を並べる。


(やっぱり恋愛なんてするもんじゃないな。よし、クラブ行こ。今日は二人くらい頑張るか)


 あまりの脈のなさに、雫はどこかスッキリとしていた。

 LIMEの段階では正直イケるかもと思っていたが、今日の様子を見るに、それは勘違いだったんだろう。


「じゃーね!」

「――雫さん!」


 由依に背中を向けて一歩踏み出した瞬間、後ろから声が聞こえてきた。

 振り向くと、由依が俯いている。


「どうしたの?」

「ごめんなさい……ごめんなさい、私……」


 そう言った直後、由依は両目を手で覆った。同時に鼻をすする音が聞こえてくる。

 泣いているのだ。


「――えっ!? ちょ、ど、どうしたの!?」


 雫にはその涙の意味が全くわからない。

 そのため、由依の行動にひどく慌てふためいた。


「わ、私……。き、緊張しちゃって……雫さんがかっこよすぎて……」


 由依は涙混じりの声でそう伝えてくる。


「え、えっと……」

「素っ気ない態度……取ってしまって……ごめんなさい。私なんかに付き合わせて……ごめんなさい……。つまらない時間を……過ごさせてしまってごめん……なさい」


 途切れ途切れに話す由依の言葉を聞き、雫はようやく自分の(おろ)かさに気が付いた。

 彼女はただ緊張していただけなのだと。脈なしなんかではなかったのだと。


「ふぇ……?」


 それから雫はつい由依を抱きしめてしまった。

 耳元から驚いたような声が聞こえる。


「由依ちゃん……ごめん。俺、緊張しちゃって。由依ちゃんのことが好きなんだ」

「……えっ?」


 雫は由依から離れ、目を見つめながら口を動かした。


「由依ちゃん、初めて見た時から好きです。よければ俺と……付き合ってください」


 由依は突然の告白に目を白黒させた。口もぽかーんと開いている。


 やがてハッと気が付いたかのように手で涙を拭うと、満面の笑みで言うのだった。


「……はい、喜んでっ!」





 数日後。


「お久しぶりですっ! 改めまして、由依です!」

「俺は拓也。よろしくね、由依ちゃん」

「はいっ! あ、もう雫くんをクラブには連れて行かないでくださいね?」

「わかってるよ。そもそも、いつも雫が俺を誘ってきてたんだから」


 それを聞いた由依は雫をじと~っと見つめる。対し、雫は苦笑いを浮かべることしかできなかった。


 あれから雫と由依はカップルになった。

 その際、雫はこれまでのチャラチャラとしていた過去を全て話した。別に悪いことをしていた訳ではないし、わざわざ言う必要はなかったかもしれない。


 それでも由依には話しておくべきだと雫は考えたのだ。

 由依がそんな過去を受け入れたことで今の二人がある。


「大丈夫だよ、由依ちゃん。雫は女の子を傷つけることはしない。俺が保証するさ」

「拓也……」

「あーあ。なーんか俺も彼女ほしくなってきたなー。チャラついてんのもそろそろ終わりかな」

「拓也さんならすぐにいい人見つかりますよ!」

「だといいけど。そんで由依ちゃんはいつから雫に惚れてたの? やっぱり初めて見た時から?」


 拓也はひそひそ話をするように、由依に問いかけた。

 雫はどこか恥ずかしそうだ。


「うーん、そうですね。最初から凄くカッコイイ人だなって思ってましたけど」

「けど?」

「ビールを掛けてしまった時に怒るどころか、優しく接してくれたんです。その時にこんな素敵な人がいるんだって」

「た、拓也! もういいだろっ! 恥ずかしすぎて死にそうだ!」

「『素敵な人』だってよ! ひゅーひゅー!」

「あはは。あ、私お手洗いに行ってきますね」


 由依はそう言って席を立った。


「なあ、拓也。ちょっと聞いてくれ」

「ん? どうした?」

「付き合ってから初めてのデートってどこがいいかな?」

「……はあ? どこだっていいだろ。てか、もう彼女なんだから『どこ行きたい?』って聞けよ」

「いやさ、あの……」


 雫は途端にもじもじとし始めた。


「んだよ?」

「恥ずかしいっていうかさ……」


 拓也は絶句した。


 そしてポツリとこう呟いた。


「チャラ男がマジ恋したらこうなるのな……」


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