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第3部
あの一件以来、沙弥から色々相談されるようになった。
圭介の好きなタイプとか、好きな食べ物とか、色々。
「お前自分で本人に訊けって」
今日は近くのファミレスに呼び出された。
「人好きになったの初めてなんだもん、どうすればいいかわかんないじゃん。経験無いし」
「俺だって経験ねぇよ。わかることは圭介はモテるってことくらいだな」
「だからって、私が直接圭介さんに訊いたとして、意識してるって、思われたくない、し」
「でもなぁ。俺見てるだけだったのに、お前が圭介の事好きだって分かっちゃうくらいだからなぁ」
「……何さ」
「圭介、もう気付いてるかも」
「ええ! やだ!」
「なんでだよ、好きなんだろ?」
「だって……は、恥ずかしいじゃんか!」
「……じゃあどうしたいんだよ」
どうしてこうも沙弥は、変な所が乙女なのだろう。