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謎の絆

股にかけるとか言って,自分で趣を感じている場合ではない。


俺は,一刻も早く,火山の最深部に行かないといけないんだ。

そしてこの老いぼれ魔物に,最深部までの案内をしてもらわないといけないのだ。


「おい。お前が女だろうと俺はどうでもいいんだ。さっさと俺たちを最深部まで案内してくれ。」


「ワカッタ。ヤクソクハシッカリマモロウ。デモ,サッサトッテ,イワレテモ,アンタガズットネテタクセニネ。」


「ねー。そうだよねー。リンちゃん。」


こいつらは俺が寝ている間に徒党でも組んだのか,ただでさえリリ一人でもめんどくさいのに,


もう一人増えるなんて...それにリンちゃんって...ん?


「ん?...リンちゃんって誰?」

当然の疑問だ。一瞬,なんともなく受け入れていた自分に俺は,待てをした。


「待ってくれ。リリは分かる。リリはな。じゃあ,リンちゃんって...」


俺が,ゆっくりと顔をあげると,リリと老いぼれ魔物もゆっくりと顔をあげ,俺の目を見つめていた。


場には,何とも言えない察しろという空気が溢れている。


「ま,まさか...」


「そう。そのまさかだよ。アザゼル...」


「いや,この老いぼれ魔物がそんなかわいい名前のわけ...」

チラと俺は,リンちゃんこと老いぼれ魔物を見る。


「////」


なんでちょっと照れとんねん。

乙女スイッチが分からんわ。


「いや,違うだろ。おい。老いぼれ魔物!お前,そんなかわいい名前じゃないだろ!!」


俺がそう言うと,それに反論するように,リリはリンちゃんに対して口を開いた。


「そんなことないよね。別に見た目と名前は関係ないもんね。ね,リンちゃんはリンちゃんだよね。」


俺とリリがリンちゃんを見つめる。


「......////// (コクコク)」


「いや、ラブコメの流れじゃねえんだわ。え,リンって名前なの!?なんかリリと被るくね?」


「イヤ,リンチャンハ,リリガツケタニックネームダ。ダカラ,コンナニハズカシインダ。」


リンちゃんがそう言うと,

横でリリがその名前気に行ってないのと言わんばかりにふくれっ面をしている。



「まぁ,いいじゃねえか。そうだ。これから最深部に行くんだ。自己紹介でもしようぜ。」


一秒でも早く,このラブコメの流れから抜け出したかった俺は自己紹介という最強の話題を提供して満足していた。


「そうだね。それなら,私からするね!私の名前は,リリ。アザゼルと同じクルー島に住んでいる。島一番の美少女だよ。えーっと好きなことは歌を歌うことと,動物さんたちと遊ぶことかな。リンちゃんも動物みたいなもんだし,仲良くしようね!!」


「まぁ,俺が寝ている間にある程度,会話をしているからわかると思うが,こいつはアホなんだよ。わかってやってくれ。」


「ソレハ,アンシンシテクレ。トックニキヅイテイタ。」


リリは自分がアホと言われて,怒るどころか,私のことをみんな知っていると思い,少し喜んでいた。


「ジャア,ツギハワタシダナ。ワタシハコノ,シャンティ・ハリカザンニスム,リュウマゾクノ,リンドダ。トクニイウコトハナイナ。イジョウダ。」



「リンド...どこかで聞いたことがある名だが,まぁいいか。じゃあ,最後は俺だな。俺はルチル・アザゼルだ。アザゼルって言ってくれ。ご自慢のワイルドセンスを武器にして,一流のハンターになるのが目標だ。俺には両親はいねえ。失うものは何もない。」


「リョウシンガイナイカ...(やはり,お前か。)」


「あー。そんなこと言っちゃって!ウー婆ちゃんがいるじゃないの!」


リリがたまらず俺の発言の一部が気に食わないのか食いついてきやがった。


「あの,ババアはいいんだよ。もうめんどくせえな。はい。自己紹介終わり!行くぞ!!」


「(やつの深層と言い,アザゼル...運命とは面白いものだ。)」


そうして,俺達はよくわからない洞窟の中を抜け出し,最深部に向けて出発した。


どれくらい歩いただろうか。

まるで火山内は迷路のようになっており,火山内の至る所にトラップが仕掛けられていた。



リンドが,トラップの位置を把握していると言っても,

俺達の先頭をひた走る,リリが歌を歌いながら,ことごとくトラップを踏んでいくのだ。


ポチ

「あ,なんか踏んじゃった。」


ボーーーーー!!!


「マズイ。ファイヤートラッブダ。」


「あ,あぶね...あっつ!!」

ポチ

「これもかな?」


ゴゴゴゴゴゴ!!!


「マズイ。パニックトラップダ。」


「おいおい。なんかドリルが追いかけてきてるじゃねえか!」

ポチ

「それそれー!!」


ドドドドド!!!


「ホラネ。モンスタートラップダ。」


「おい。火山中のモンスターが来てんじゃねえのかよ!!」

こんな感じでリリはトラップを踏みに踏みまくった。

東京フレンド○ークかなんかなのか?そんなタイミングよく踏んで...


「えーっと。次は何かないかな...」


もはや,トラップを探しているリリに対して,俺とリンドは謎の絆が芽生えていた。


「おい。」

「オイ。」


リリは俺達から名前を呼ばれて,しっぽを振る犬のように俺達の方を向いた。

「ん?どうしたの?もしかして,踏むやつ見つけたの?」


俺とリンドは目を合わせて,無言で意思を交わした。

「さぁ,気を取り直して行こう!!なぁ,リンド。あとどれくらいで着くんだ?」


「モウスコシダ。(なんだか火山内の様子がおかしいが,こいつらを動揺させるわけにもいかないし,黙っておくか。)」


「ねーってば!!ねーってば!!!」


俺に縄で全身を縛られておんぶ状態になっているリリが,ほどけと言わんばかりに俺の背中で暴れている。


「あー。あー。あー。何も聞こえないなー。な,リンド?」

「マッタクダ。」


洞窟内は,火山とは思えないほど静かでリリの大きな声だけが響いていた。


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