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白の皇帝機   作者: タール
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ヴェルロード2

ヴェルロード編がどれくらい長くなるのか、それとも短いのかはまだ決まっておりません。

ですが、展開は考えているので大丈夫です!

ではどうぞ!

ドルフが病院に連絡を入れてくれたことで、この後見てくれることになった。一度フェルンを迎えに行き、キュアレもつれて、現在車に乗って病院に向かっている。

ドルフ:「フェルン、お前元気だな!何か興味あるやつとかあるか?」

フェルン:「うん!え〜っとねぇ、本を読むのが好きなんだ!それでねこの前読んだ本がね!・・・・」

ドルフは子供に対しての接し方がうまく、フェルンもドルフを気に入っており声が弾んでおり楽しそうに笑っていた。

煌:「よかった、フェルンがドルフに懐いて」

フェイ:「本当ね。なんていうか子供達が接しやすい雰囲気を持ってるからかもしれないわね。私たちに対してはもう少し時間がかかってあんな風に笑わったのに」

レーラ:「というか、私たち3人が子供に対しての接し方がドルフよりも下手なだけじゃないのか」

レーラの言葉に俺はカチンときた。いやいや、そんなことないから!っと考えているとフェイもカチンときてたのか、こめかみに怒りのマークのようなものができてそうだった。

煌:「いやいやいや!そんなことないからね!俺むしろ、フェルンとは仲良いからね!ふざけあう中だからね!」

フェイ:「私もフェルンと合えばよく話すようにしてるわよ!話すときは笑ってもの」

レーラ:「あんな風にかい?」

レーラの視線の先はドルフと仲よく話をし、俺たちと話している時とは違った笑顔で話していた。

煌・フェイ:「っく!」

レーラ:「まぁ、そんなに落ち込まないでくれ、ほら病院に着いたよ」

レーラが言う通り病院らしき建物についた。

ドルフ:「ついたようだな。よし!フェルン!行くぞ〜!」

フェルン:「うん!行こうドルフ兄ちゃん!」

二人は先に病院の中へと入っていった。いや、仲がよくなんの早いな。っと、早く行かねえと置いてかれちまうな。

そして二人の後を4人で追いかけた。


〜病院〜

中に入り受付で用事を済ませた後、フェルンは看護師に連れて行かれ検査が行われるようになった。その間俺たち5人は病院の中にあるカフェでお茶をすることになった。まぁこの時間を使って作戦会議をするのもいいよな

フェイ:「これからのことなんだけど、事件がどこが集中的に起きている地区をしれべてみようと思うの」

ドルフ:「なるほど、で場所がわからないから案内してほしいと?」

フェイ:「お願いね、その際チームを分けましょう。私とレーラ、煌とドルフでいいかしら?」

煌:「その分け方は何かあるのか?」

どうせならドルフと俺は別々にして、いざという時に皇帝機を呼べるようにしたほうがいいんじゃないのか?

フェイ:「大丈夫よ、今回はキュアレが船から騎士機を転移させてくれるし、大丈夫よ。何かあればすぐに連絡するわ」

キュアレ:「お任せ下さい」

煌:「そうか、ならいいけど」

ドルフ:「煌のことは任せろ!俺が守ってやる!」

煌:「いや、俺も一応戦えるからな」

そういってアイスコーヒーを飲む。冷たくて美味しいわ。

キュアレ:「ちなみにですが、フェルンが解呪できなかった場合にはいかがいたしますか?」

フェイ:「そうね、その場合はヴェルロードの次に行く予定のニーロバランで解呪できるかを見てもらうことになるわ」

煌:「次はニーロバランってところか」

ドルフ:「へー、蒼の皇帝機がいるところか、あそこは確か、・・・」

煌:「どうしたんだ?何か機になるのか?」

ドルフ:「ああ。確かあそこは、皇帝機のマスターが亡くなって新しいマスターが誕生したとか俺は聞いたぜ?」

煌:「へぇ〜それっていつ頃だ?」

ドルフ:「確か、2いや3年前くらいだったかな?」

煌:「そうなのか、ドルフみたいに話せる奴だといいけど」

ドルフ:「お!なんだ!褒めてもなんも出ないからな!」

そういって顔がすげぇにやけていた。ドルフといると退屈しないな。

フェイ:「そうよね、ニーロバランはマスターが若いって聞いてるわ」

煌:「男の人なのか?もしくは女性なのか?」

キュアレ:「それがわからないのです。公の場に出るときはいつも頭に顔が隠れる帽子のようなもので見えないので性別がわからないのです」

煌:「よくそんなやつを選んだな?前のマスターもそうなのか?」

フェイ:「いいえ、前のマスターは男性だったわ」

何か顔にコンプレックスとかあるのか?まぁシャイな人なら仮面か何かを被りたくなるわな。

そう一人で結論を出し一人頷いていると、看護師によばれ医者の元へと行く。

中に入ると医者とフェルンがおり、中へと入り出された椅子にフェイとキュアレが座り、俺とドルフとレーラは立って話を聞く。

医者:「まず最初にですが、フェルンくんにかけられた呪いなのですが、かなり強力なものです。これを解呪することは我々にはできませんでした」

フェイ:「そうでしたか、ありがとうございます。ちなみにですが、呪いの影響などはどういいた形で出てくるのですか?」

医者:「それがわからないのです。どういった呪いなのか我々にはわかりません」

ドルフ:「マジか、じゃあどうすりゃあいいんだよ」

みんなの雰囲気は重くなりどうすれば呪いを解呪できるのかと考えると医者が提案をしてきた。

医者:「良ければなんですが、ニーロバランの知り合いが病院に勤めておりますので紹介しますね」

レーラ:「それはありがたいです。宜しくお願いします」

医者に病院を教えてもらい外へと出る。そこで俺がまだ不安だ。もしそこでもダメだったらと考える。

フェイ:「煌、そんなに不安にならなくても大丈夫よ。ニーロバランは医学系に関してどの国よりも進んでいるから」

煌:「そうか、フェルンニーロバランに行けば治るかもしれないからな」

フェルン:「ありがとう!煌兄ちゃん。僕は全然平気だから」

煌:「フェルンはこの後ニーロバランに行くのか?」

キュアレ:「いいえ、ヴェルロードの件が終わり協力を結んだ後、皆様と一緒に行きますので」

フェイ:「この事件を早く終わらせるわよ」

フェイの言葉を聞いて早く解決することを決め、早速調査に向かうことになった。


〜道場〜

???:「はっ!せい!」

一人の男性が剣の稽古をしていた。周りには人がおらず集中して取り組んでいた。素振りを終え剣を下ろしタオルで汗を拭う。しかし、男の顔は険しく何か執念のようなものを感じ取れるものだった。

???:「足りない。これではドルフには届かない!あのとき、私が勝てば私がマスターだったものを!」

この男はかつてドルフと決勝戦にてバルトロンのマスターの座をかけて戦った男である。負けてからずっと剣の修行を続け師範代になるほどの達人である。

???:「ダメだ、このような邪念があるから負けたのだ。ただひたすら勝つことを、相手を超えることを考えるのだ」

休憩した後、また素振りを始める。しかし、それは途中でやめることになった。

???:「貴様、そこで何をしている」

目線の先にはドロアがいた。

ドロア:「初めまして、ズワード師範代」

ズワード:「何用だ、門下生になりたいわけではないようだが。道場破りか」

ドロアはズワードの話を聞いておらず、むしろウンウンと頷いていた。

ズワード:「ふざけているのか?さっさと出て行くがいい」

ドロア:「いやいや、ここまで心の中に怒りのエネルギーを貯めてたとは誤算だった。後回しにしといてよかった」

ズワード:「後回しだと?何を言っている?」

ドロアはズワードの近くに寄り

ドロア:「ドルフ・バルカンに怒りはないのか?」

ズワード:「!?な、何を言っている!そんなものはない!馬鹿馬鹿しい、目の前から失せろ!」

ズワードは剣を振るう。それは綺麗な軌跡を描きドルフへと迫る。一般人や達人と呼ばれるもの達でなければやられているだろう。

だが、今回は相手が悪かった。相手はドロアだったのだ、剣は魔力で強化された籠手で傷一つ付けることなく防がれる。

ズワードは驚愕し、隙が生まれる。この一瞬の隙が生まれたことで、ズワードは胴体にドロアからの正拳突きをモロにくらい壁まで飛ばされる。

ズワード:「ぐはっ!」

ケホッケホッ!と咳き込んでしまう、ドロアは追撃せず見続ける。

ズワード:「な、なぜ追撃しない!」

ドロア:「弱いわぁ、これじゃあドルフ・バルカンに負けるわな」

ズワード:「貴様!」

ドロア:「だってそうだろ?弱いんだから、それにお前は皇帝機のマスターになりたくて挑んだのに負けたんだろ?残念だったな。どのみち、お前がなったとしても弱すぎて死んでるよ」

ズワード:「ゆ、許さんぞぉ!」

立ち上がりドロアにもう一度斬りかかろうとするが、ドロアはいつの間にか目の前におり顔を掴まれる。

離れようとしてもがくが、ドロアの方が強くはなれない。すると掴んでいる腕から紫色の瘴気が出てくる。

ドロア:「さて、お前の怒り見せろ」

その瘴気はズワードを包み込み意識が薄れてしまう。ズワードは10年前のことを思い出してしまう。


〜10年前〜

キンッ!キンッ!ガッ!と剣と槍が何度もぶつかり合い、お互いが離れて相手の出方を伺う。ズワードは息が上がりはぁ!はぁ!と呼吸しているが、対する相手。若き日のドルフ・バルカンは平然としておりまだまだ余裕が残っていた。

ドルフ:『やるなあんた、でも狩るのは俺だぜ!」

ズワード:『な、何を言っている、っま、まだ負けたわけではない。食らうがいい!』

ズワードは斬りかかる。ズワードの剣はドルフに向かって振り下ろされる。その剣をドルフは体を捻り、槍でも受け流すことで躱す。それでもズワードは何度も斬りかかるがそれをドルフはなんでもないように躱し続ける。

ズワード:『(なぜだ!なぜ当たらない! )』

ズワードの剣はだんだんと雑になり、もはやがむしゃらに振っているだけであった。それをドルフは剣を弾き飛ばし槍でズワードを突き飛ばす。

ドルフ:『なんかそろそろ終わりにするか、行くぜ!』

ズワードはなんとか立ち上がるがフラフラの状態で前を向く。前を見ればドルフの槍が迫りそれを防御も何もできない状態でくらう。結果ズワードは地面に伏すことになった。

ズワード:『(な、なんということだここまで強いものがいるとは、皇帝機のマスターになりたいという一心で鍛えてきたというのに)』

ドロアの方を向くと王様や紅の皇帝機が近くにおり、栄誉を授けると言われていた。ズワードも負けたのだからしょうがないという気持ちと悔しいなという気持ちでいっぱいだったが、次の一言によってその感情は怒りへと変わる。

ドルフ:『(えっ?皇帝機のマスター?なれるんだ。う〜ん。でも賞金はないんだろ?ならいいや、じゃあな〜。』

ズワード:『はっ?なんと言ったこいつは、この国の1番の栄誉であり、かの皇帝機のマスターに選ばれるのだぞ!なのに、なのに、なのに!こいつは!賞金がないというだけで!)』

ズワードは今すぐにでも剣を握り直してドルフに斬りかかりたいという衝動にかられるが、大きなダメージを負っているせいで身動きができなかった。そんな中救護班に運び込まれ意識を失った。


〜現在〜

ズワード:「(そうだ、奴はあの栄誉をいらないと一回断ったのだ!なのになぜ奴がマスターになっているのだ!奴は、奴は!)」

ドロア:「おお!いいねぇ。怒りってのは時間が経つと消えてくのが多いから回収ができないからな。でもこうやって今でも微かに残っている怒りを、もう一度焚き付ければかなり回収できるからな。今でも恨んでるとか、最近のやつであんまり取れなかったけど、こいつのエネルギーを取ればもうこの国での任務も終わりだ」

ズワード:「 オオオオオォォォォォ!ドルフ・バルカン!奴は、俺が倒す!」

ドロア:「さて、あとは見物させてもらうか。それに白のマスターがいるからなあいつにぶつけて少しでも強くなるように仕向けるか。あいつは強くなるから楽しみだ。とりあえず」

ドロアはズワードの方を向き

ドロア:「今のお前じゃあ勝てないよな。だから、いい考えがあるぜ」

ズワード:「なんだ」

ドロア:「ここら辺の道場の奴らを倒すんだよ!そしたらドルフ・バルカンがやってくるかもな?」

ズワード:「いいだろう。それで奴と戦えるのなら構わん!今すぐにやってやろう!」

ドロアはズワードは剣を持ち外へと出て行くのを見届けた。

ドロア:「(怒りに我を忘れて暴走するほどの怒りを隠してたなんてな、こりゃ最後の最後まで残していたのが正解だったな。操りやすくて助かるな)」

ドロアは自らの武器である籠手を撫でる。それは愛しいものを愛でるように、大切なものを扱うかのように。そして、好戦的な笑みを浮かべて。

ヤベェ、思った以上に主人公たちの会話の数が少ないかも。

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