レーラとフェイとの魔法
話がそんなに進まなくてごめんなさい!ではどうぞ
レーラに案内されてシャワー室へと入りシャワーを浴びながら煌は先の訓練のことを考えていた
煌:「(クーウェさんに一撃も入れることができなかった。きっと何かしら当たると思ったのに。)」
煌はクーウェにきっと剣を当てられるという淡い希望を持っていたがそれとは逆に一撃も与えられずクーウェに打ちのめされていた。その事実に煌は悔しくなり手を強く握る
煌:「(何処か期待していたんだ、剣を振るうのは簡単で相手に当てるのも簡単って。きっと、読んだ異世界に行った話とか見たく俺も強いって思ってた。けど)」
そう考えつつシャワーを止めてシャワー室を出る。脱衣所でレーラが用意してくれたネグロメランの軍服のズボンと半袖のYシャツを着て準備を終わらせると手の紋章が少し光りアルゲンティウムから通信が来た
煌:「どうしたんだ?」
アルゲンティウム:『何訓練をしたとレーラから聞いたのでな。しかし、何やら落ち込んでいるようだが?』
煌:「わかるか?」
アルゲンティウム:『その顔を見て落ち込んでいないとは思わないだろう。何より私は何千年も前から存在している。それくらいはわかる』
その返答に煌は苦笑いをしつつ何千年もかと考えた
煌:「そうだよ。クーウェさんと訓練して自分が弱いことを確認させられたよ」
アルゲンティウム:『当たり前だ。お前は平和な世界から来たのだ、昨日今日で訓練をして来た人間には勝てん』
煌:「ああ、そうだよな。でもさ期待してたんだ。俺には何か力があって人よりも強い何かがあるって、でも実際にはないんだな。魔甲機もアルの力を使わないと倒せないし、フードの男の時も俺は見てるだけだった。フェイ達が戦っているのを見ているだけだったんだ。」
煌は俯き顔を歪ませていた
煌:「クーウェさんにも人たち浴びせられるんじゃないかって思ってた。でも違かった。ベーミウスの時も街のことを考えなかった。そこに人がまだいるかもしれないってことも考えていなかった。ずっとゲーム感覚で過ごしてた」
アルゲンティウム:『だが、そうではないと気がついたのだろう』
「ああ、フェイとレーラそしてアルが言ってくれた言葉で今ここが現実だって理解した」
『ならどうしたい。これからお前はどうしたい?』
そう問われ煌は数秒目を閉じ目を開くと
煌:「俺は強くなる、強くなってあんなことを繰り返さないようにする。そしてディザストルを倒してフードの男も捕まえてやる」
アルゲンティウム:『そうか、なら私はお前の意思を尊重しよう』
煌:「ありがとう」
煌はアルゲンティウムに胸の内を言ったことで少し晴れやかになり笑っていた。するとアルゲンティウムが
アルゲンティウム:『ところでこの後は予定はないのか?』
煌:「ん?予定、・・・やべっ!レーラとご飯食べる約束してたんだ」
アルゲンティウム:『早く行け』
煌:「わかってるっての!」
煌は急いでレーラが待つ食堂へと走って行った
〜食堂〜
レーラ:「ん〜遅いなぁ。何かあったのかな?」
そう考えつつ手元にあるタブレット型の端末にて銃の設計図と数値などを見ていた。すると走る音がして来たのでそちらを見ると煌が走って来た
煌:「ご、ごめん、アルと話してて遅くなった」
息を切らしながら謝って来たのを見てレーラは少し笑っていた。
レーラ:「大丈夫だよ。ともかくご飯を食べよう」
煌:「本当にごめん」
大丈夫と手で制しながら歩いて注文を頼みお盆に乗って出て来たのを持って空いている席に着いた
煌:「レーラはカレーか?」
レーラ:「ああ、そうだよ。今日はカレーが食べたかったんだ」
カレーって異世界にもあるんだと考えていた
レーラ:「煌はパスタを頼んだのか」
煌:「ああ、美味しそうだから」
するとこちらに歩いてくる足音が聞こえそちらを見るとフェイがお盆を持っていた
フェイ:「一緒にいいかしら?」
笑いながら問いかけて来たので煌とレーラはどうぞと言いレーラの隣に座った
煌:「会議は終わったのか?」
フェイ:「ええ、今日はとりあえず。二人は?」
レーラ:「煌の戦闘訓練は今日はとりあえず終わりでこの後魔法とアルゲンティウム専用に作った銃について教えるんだ」
フェイ:「そうなの?私も参加してもいいかしら?」
レーラ:「って言ってるけど。どうする煌?」
煌:「お願いします」
すぐに頭を下げてお願いした
フェイ:「わかったわまかせて」
フェイは笑顔で答えると手にフォークを持ち
フェイ:「とりあえず食べてからにしましょ?」
そして3人はご飯を食べ始めた。食べつつ雑談をして食器を片付けて先の訓練場へと移動した
〜訓練場〜
フェイ:「じゃあ始めるわね」
煌:「頼む」
フェイ:「まず魔法についてどう考えてる?」
煌:「ん?まぁ雷だったり炎だったり出すんじゃないか?」
レーラ:「そうだねだいたいそうなる。けどね国によって得意な魔法があるんだ」
煌:「得意?」
レーラの言葉に首をかしげる煌を見てレーラは手を前に突き出し手から黒い雷のようなものを出した
その雷のようなものは地面をえぐり消えた
煌:「それってフードの男に対して放ったやつだよな?」
レーラ:「そうだよ。これはネグロメランの術だよ」
煌:「ネグロメランの術?」
フェイ:「そうよ、他の国は炎、水、雷がそれぞれ得意なの」
煌:「ネグロメランは?」
フェイ:「それは・・」
フェイトレーラは苦笑いをして
レーラ:「ネグロメランは得意な属性がないんだ」
煌:「つまり万能ってことか?」
レーラ:「いいや、雷を出すときに魔力をより強く加えて出すとネグロメランは黒色になるんだ」
レーラの説明でなるほどと考えていた。では魔法の原理はどうなのかと考えていると
フェイ:「魔法は私たちの体にある魔力をどんなふうに出すのかをイメージして放出してるの」
煌:「へぇ、身体能力とかはあげられるのか?」
フェイ:「もちろん。これはどの国も変わらないわ身体能力だけを上げることは変わらないの。ただ魔力を放出する際に力を込めるとその国の主に得意な属性に染まってしまうの」
煌:「へぇ、それって他の国は炎に雷とか纏わせられるのか?」
レーラ:「いいや、その場合炎の割合が強くなって炎が出る。もしくは逆にやれば雷が出る。これはその国の魔力の属性が傾いているからなんだ」
煌:「なんでネグロメランは黒いんだ?」
フェイ:「そうね、レーラが見せてくれた雷も私たちの魔力が大きく作用して黒くなるの、すると雷は黒くなって雷の割合が弱くなる。代わりに術者の魔力の割合が多くなるの。」
煌:「それってつまり?」
フェイ:「ネグロメランは魔力そのものに属性がついたものを出してる感じかな」
フェイはそのように説明をしてくれたがその説明に煌は逆に強いのではないかと考える
煌:「他の国より強い感じがするけど?」
するとレーラは首を振って否定の意を示しこちらを見ると
レーラ:「他の国と魔法の打ち合いをしても同じ出力だから変わらないよ。さっきの雷を出しても雷の魔法を得意としているアマリートンには雷という部分では劣るから」
煌:「つまり、どいうこと?」
どういうことか全くわからない。だって魔力が上乗せするから強いんじゃないのかと首を傾げている。フェイはわからないと言った顔をしている煌を見かねて
フェイ:「そうね、じゃあ例えばキッチンのコンロで考えみましょう」
煌:「?わかった」
レーラ:「例えば私たちが中火から強火に火力を上げるとするでしょう?」
煌:「ふむふむ」
フェイ:「その際に一段階上げようとすると、中火から強火になるまでの部分に私たちの魔力が入って黒くなるの、それによって炎の強さは中火のまま。逆に炎を得意とする国ヴェルロードはその中火と強火の間に私たちみたいに魔力を込めて黒くならず、逆に相性がいいからそのまま強火になるの。威力は私たちとあまり変わらないけど炎としては向こうのほうが強いの。ここまではいい?」
煌、「つまりネグロメランの人達の魔力は炎との相性がそんなに良くないから黒くなって威力は上がるけど、炎の威力は変わらない。他の国は相性が良くて威力も上がり炎の威力も上がるってことか?」
レーラ:「その通りだよ。とりあえずはわかったかな?」
煌:「魔法は体に流れる魔力をイメージして放出するってことでいいんだよな?」
フェイ:「そうよ、じゃあ煌の魔力はどんな色か気になるから魔法について訓練しましょ!」
フェイは手を胸のところに持ってきて握りこぶしを作っており、やたら興奮していた
煌:「わ、わかったよろしく頼むよ」
少し引き気味で答え本当に大丈夫なのか不安になった
煌:「ところであの男に撃った弾は何だ?障壁?ってのをわしてたけど」
フェイ:「あれは魔壊弾って名前であの魔法による防御とか魔法によってできた物を壊すことができるの」
煌:「最強じゃね?」
レーラ:「でもそんな便利なものじゃないんだ。あれは魔法に関するものを壊すだけで人間の肉体に対しては威力はないからね。マガジンもいちいち帰るから大変だよ?」
煌:「まぁ、そんな都合のいい武器ないわな」
ああ、どんな魔法も壊せて相手も倒せる銃。そんな都合いい話ないわな




