仲間と武器屋に
お久しぶりです。やっと執筆出来ましたあ( ᵕ̩̩ㅅᵕ̩̩ )
…お、ついたな。
店の名前は·····っと·····『草』
…いや草。シンプルすぎる。何この、Xちゃんねらーが営業してますみたいな店·····。ツッコミたい部分は山ほどあるというか、ツッコミ所しかない…このマップを見る限り、ちゃんと、武器屋なんだよなあ·····。
マップはギルドの扉についてたやつを取ってきた。チラシみたいな感じで取っていいやつだよな·····?まあなんかあったらなんかあっただな。
チリン·····。
ファミレスに入った時のようなベルの音がする。
『いらっしゃい』
そう言うのは、2mくらいの大男である。緑の髪に緑の目。服も草で作っている。何だこの人·····。まず店主で間違いないだろう。
『小生は、クサ・ハエルという。よろしくな少年少女』
·····え、マジでXちゃんねらーじゃないの?しかも一人称『小生』…。
因みに武器屋だがきちんと装備も売っている。
「よろしくな。俺は隼斗。横の女の子は心乃だ。」
「よろしくお願いします!」
「んー、隼斗に心乃だな!よろしく!今回はどんなものを買いに?」
「そうだな。この子に似合う装備と杖をくれ。俺は剣のみでいい。」
「ほー、隼斗少年。君相当腕に自信があるようだね。」
「いや、全然さ。」
「ハハハハ!!所で予算はどれくらいだ?」
「五ラウルだ。」
「五ラウル!?君何処かの貴族か?」
「いーや、普通の平民だよ。」
五ラウルって驚きすぎな気がする·····5万だぞ?高いっちゃ高いが装備は高価だし、安いものでいいと思ってこの値段にしたんだがな。変なのか?
「平民·····か。まあいい、詮索はしないでおこう。そうだなー。じゃあ、こいつはどうだ?ポイズンゴートのローブ!」
ポイズンゴートか。アギロの城の書庫に書いてたな。たしか、ゴールド4人で倒すモンスターだったな。黒くて耐熱効果もあり、毒耐性も付いてる不思議な羊毛。ローブにしたら何故か変色し白くなると聞いていたがこれか·····確かに白くて綺麗だな。それよりも高そうだな·····。
「いくらだ?」
「3デウルだ。」
3デウル·····ってことは·····3千円!?ゴールド2人で倒すものだぞ?流石におかしいだろ。
「3デウルって安すぎないか?だって、ゴールド級だぞ?」
「何言ってんだ凪少年。3デウルは十分高価だぞ?3デウルが安価って一体どういう暮らしをしてたんだ?」
「そうなのか?·····すまない、世情に疎いんだ。じゃあそのローブ買おう。」
「まいど!次だな。杖か·····杖ならこいつはどうだ?ルナロッド!こいつを知ってるか?」
「知らないな。」
「こいつは、夜になると防御力を大幅に上げてくれる代物なんだ。」
月の形をしていて綺麗な杖だな。これにするか。バフかけるから高いだろうな·····。
「値段は?」
「5デウルだ。」
安くないか?ネトゲじゃこういう系は相当高価なものだったぞ·····物価が安いのか·····?
「よし、買う。ローブと杖なんだがここで着てもいいか?」
「ああ構わないさ。あっちにある試着室で着てくれ。」
とクサ・ハエルは試着室を指した
「分かった。じゃあ心乃、試着室でそのローブとか着てきてくれ」
…試着室なんてあるんだ。武器屋なのに。
「え?ハヤトくんの分は!?」
心乃は驚いたように言った。
「俺は装備とか特にいらないしな…後は剣を買うだけかな。
_____________それに…俺は装備が無くても自分を強化できたり出来るから。」
と俺は耳元で心乃に伝えた。
「わわわっ…分かった!!」
心乃は顔を紅潮させながら頷いて、試着室まで走っていった。そして、ザァァとカーテンを閉める音が聞こえた。
「青春だな。隼斗少年。」
クサ・ハエルは親指をグッと立てそう言った。
青春とかそう言うのが理解出来なかったがまあ酸いも甘いも経験してそうな大人が言うんだから青春とはこのような事を言うのだろうな。
「青春…?そうなのか…?まあいい。それより、次に剣だが1番安いショートソードをくれ」
剣には、ショートソードとロングソードと言うのがある。ロングソードは簡単に言うと、ショートソードの長いバージョンだ。
ざっくり過ぎたか…?。メリットとしてはショートは近距離特化でロングは遠距離特化と言うところかな。デメリットはショートは遠距離に特化していないから自分から身を寄せないといけないのがデメリットだな。ロングは近距離に特化していないから自分の懐に敵が寄ってくるとキツい。
「え?少年、まだ予算はあるだろう。人の事だからどうこうは言えないが、安いとすぐ折れてしまったりして命を落としたりするかもしれないぞ?安くするから高いのを買ったらどうだ?」
「心配してくれてありがとう。でも本当に大丈夫だ。」
「そうか…そこまで言うのなら仕方ないな。凪少年を信じよう。じゃあこれだな。1デウルだが剣の料金はいらねえよ。」
「いや、それは流石に困る。払わしてくれよ。」
「いや、本当に大丈夫だ。遠慮すんな少年」
クサ・ハエルは俺の目を真っ直ぐ見ながらそう言う。
「そうか·····じゃあ甘えさせてもらう。ありがとう。あ、」
俺は自分の前髪を触って思い出した。
「後フードとかないか?」
「フード…?あるが何故だ?普通はアサシンとかの職業のやつが着るものだが、少年は見たところ剣士だろう?」
とクサ・ハエルは不思議そうに言った。
「俺前髪で顔隠してるだろ?俺顔が変で、たまに顔が見える時があるからフードでも隠しときたいなって思って…。所でいくらだ?」
「…それで変…?えーと、値段はだな、3デウルだ。」
「よし、買う。」
とフードを受け取って着用していると、サァァっとカーテンが開く音が聞こえた。振り向くと真っ白の足首までのローブに、1メートルくらいの月の杖。
「あれ?ハヤトくん、フード買うの?」
心乃は覗き込んでくるように顔を見てきた。
「…外出てる時は着ようかなって思って」
と言って俺はフードを被って心乃に言った
「変か?」
変なのは知ってるがどうか変じゃないと言ってくれ。メンタル豆腐なんだ…。(普段の隼斗のメンタルは強いが、容姿に関することとなるとメンタルが豆腐以下になる)
「…全然変じゃないよ!よく似合ってる!」
と頬を染めて心乃は言った。
「ありがとう」
…良かった…。お世辞でもいい。本音言われるとメンタル死んでたかも。美少女だし。
「それより…どう·····かな?」
頬を染め上目遣いで見てくる…くっ、眩しいっ!!
「よく似合ってる。綺麗だよ。」
俺はありのまま思ったことを口にした。
「…っありがとう」
ハエルを見るとうんうんと頷いている。
「(…なんだこの少年少女の甘酸っぱい雰囲気は、美男美女が初々しい感じがまたいい。…いいものを見れた。)」
「じゃあここに代金置いていくぞ。」
と俺は11デウルをカウンターに置いた。
「おう!毎度あり!今後もご贔屓に!!」
「ああ、また来る。」
そして扉を開け、俺は、またフードを被り剣を腰につけ、心乃と一緒に『草』を後にした。
ヒロイン照れるの多くねと思う方いると思います。僕も思います。でも好きな人相手にドキドキしない人は絶対いない。