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闘技大会 前日

ひっさびさの本編更新です。あ、あとちょこちょこ前話までのとこ直してますけど、名前ミスとかなんで話は変わってないので大丈夫です。そもそも話を覚えてるかは別として(すいません)

 

 ミーシャと同じ宿で夜を明かし(ただし部屋は別)、次の日の朝。僕とミーシャは王都の中をぶらついていた。


 うーん、さすが王都。まだ朝だってのに通行人が多く活気がある。明日の闘技大会にはどれ程の人が集まるのやら。


「ミーシャ、どこか見たいところはある?僕は闘技場に行って下見と参加登録をしようと思うんだけど。」


「うーん、せっかくだからお父さんの料理に使えそうな珍しい食材とか道具がないか見てみたいにゃ!」


「料理のことは僕じゃ力になれそうにないな…。じゃあお互いの用事を済ませてから合流しようか。1人でも大丈夫?」


「だいじょーぶだにゃ!ジークの街でも1人で買い出ししてたから慣れてるにゃ!」


「そっか、じゃあ昼頃にまた宿の前で会おう。あと、はいこれ。」


 そう言って袋をミーシャに差し出す。


「んにゃ?なんだにゃこれ?」


「お金だよ。多めに入ってるから、せっかくだしミーシャも欲しい物があったら買いなよ。」


「ええ、受け取れないにゃ!ミーシャ、ちゃんとお父さんからもらってきた分があるから大丈夫だにゃ!」


「気にしなくていいよ。僕たち結婚はまだできないけどもう夫婦でしょ?奥さんのためにお金を使うのは当たり前だよ。」


 優しくミーシャに笑いかける。まあ、男だから金を出すべきとかは思ってないけど、単純にかっこつけたいよね。


「ふにゃ!?ふうふ……えへへ、うれしいにゃ。ショウタお兄ちゃん、ありがとう。大事に使うにゃ。」


 ぎゅっとミーシャが抱きついてくる。…アカン、この子かわいすぎる。絶対、大事にしよう。本当は買い物にもついて行きたいけど、ここは我慢だ。ミーシャが一緒だとできないことがあるからね。



 内心は未練たらたらだが、なんとか表に出さないよう気をつけミーシャと別れる。さて、用事を片付けるとしよう。



 まずはミーシャにも言ったとおり闘技場に向かう。歩いていると遠目にも人だかりが出来ていたので分かりやすい。まあ、闘技場自体も巨大だしね。



「明日の闘技大会に参加希望の方はこちらへお並びくださーい!冒険者の方はAランク以上、騎士の方は部隊長以上で予選免除となりますので隣の列へどうぞー!」


 受付の人が列の誘導をしていた。へー、予選あったんだ、免除になるらしいけど。そういえば、ルールとか賞金も知らないな僕。ちょっと能天気すぎるかもしれない。

 

でもミーシャと王都に来れることになって浮かれてたからなあ。これはしょうがないな、うん。



そんなことを考えながら受付を済ませた。ランクを驚かれたり、疑われなかったかって?いつも通りだったから省いただけよ、ちくしょう!



そんなこんなで気を取り直して次へ。


目指すのは王都の中でも高級そうな店が並ぶエリア。途中、王都のギルドに寄りお金もたっぷり引き出す。国内であればどこのギルドでも預けたお金は引き出せるらしい。

ヒュドラーの討伐と素材の売却で4000万ゴルド以上稼いだので軍資金は十分だ。あ、グリフォンと盗賊の分もあったけ。Sランクのモンスターが破格すぎてどうにも金銭感覚が麻痺するな。



お金は持っているが、転生前は普通の一般庶民で高校生だったのでお高いお店などよく分からない。てきとうに目に付いた店に入る。



「いらっしゃいませ。」



店内に入るとすぐに店員が挨拶してくる。おお、いい格好してるな。さすが高級店っぽい。



「ええっと、指輪を探してるんですけど。」


緊張しながらもなんとか用件を伝える。


「指輪ですか。…その、失礼ではございますがうちの店では安い物でも数十万ゴルドはいたします。まだお若いようですがご予算の方は大丈夫でしょうか?」



あー、これは僕が失敗したかな。ものすごい普通の格好で来ちゃったからな~。庶民風の若いやつが1人で来たらそれは疑っても仕方ないよな。


「はい、お金の方は大丈夫です。一応4000万ゴルドは持ってきてるので。」



「え!?…これは失礼いたしました!その、ご迷惑でなければ職業をお伺いしても?」


「あ、はい。冒険者です。一応ランクはSです。」


「しょ、少々お待ちを!店長を呼んで参ります。」


え~、なんか店員さん店の奥に引っ込んでいっちゃったよ。そのまま待つこと2~3分、黒服の女性が現れた。すっごい、全身に宝石つけてるよあの人。なんていうか…魔女みたいな見た目だ。



「お初にお目にかかります。この店の店主、マリアベルと申します。先程はうちの店の者がとんだ失礼を。」


優雅に一礼するマリアベルさん。謝られてるのにこちらが萎縮してしまいそうだ。


「いえ、何も失礼なことはされていないので気にしないでください。」


「うふふ、お気遣いありがとうございます。それで、本日は指輪をお探しとのことですが?」


「はい、その、婚約した女性にプレゼントしようかと思いまして。」


「あら、じゃあお噂は本当でしたのね。『理不尽なロリコン』さん?」


「うえ!?それ、もう王都まで広まってるんですか?」


「まあ、まだそこまでは。私はこれでも商人ですので、情報には敏感でして。いずれにしても闘技大会にも参加されるのでしょう?明日には周知となるのですし気にしてもしょうがないですわよ?」


「いや、まあ、そうは言ってもですね…」


「小さい子好きなどまだマシですわよ。お強い方は変わった性癖の方が多いですし。他のSランクの方なんてそれはもう…」


なんだと。強いと変態が多いのか。なんか嫌なことを聞いたなあ。


「まあ、そうですね。一旦不名誉な呼び名は忘れることにします。それでこういった買い物は初めてなのでアドバイスをいただけると。」


「かしこまりました。宝石と魔宝石の違いについてはご存知ですか?」


「いえ、初めて聞きました。」


「簡単に申しますと、宝石に魔法を付与した物が魔宝石です。宝石と魔宝石では値段の桁が変わってきますので、まず始めにどちらにするのかお選びになるとよろしいかと。」


「魔法ってどんなものがあるんですか?」


「そうですわね…小さな女の子ということですので、護身用の魔法がオススメです。まあ、ちょっと貴重なのでお値段的には気軽にオススメできないのですが…」


「具体的には?」


「中級魔法レベルの攻撃も防げるのですが、3000万ほどいたします。魔力が切れるまで自動で防御し続け、魔力が切れても再び魔力を注げば再使用できます。まあ、これがあれば滅多なことでは怪我ひとつしないでしょう。」


「買います。」


「………あの、いささか決断が早すぎるのでは?3000万ゴルドですわよ?」


「即金で買います。」


確かに手持ちのお金から考えても高い。高いが、ミーシャの安全を買えるなら実質タダみたいなものだ。何も問題は無い。


「…これは、なかなか筋金入りですわね。交渉に持っていく間もないとは。」


「交渉ですか?」


「ええ、本来はお値段を下げるので、ショウタさんがこの店を贔屓にしていると宣伝させていただきたいと提案するつもりでしたわ。」


「それってお店になんのメリットが?」


「それはもちろん、お店に箔が付きます。国内に3人しかいないSランク冒険者が利用する店ですもの。皆興味を持ちますわ。」


「Sランクって思ったよりも影響強いんですかね?」


「逆になぜそんな反応なのかと疑うレベルで影響力がございますわよ。まあ、というわけでですね。別にご提案させていただきます。」


「はい?」


「せっかくの指輪ですから、ご夫婦でお揃いの物をつけた方が奥さんもお喜びになるでしょう?さすがに同じ魔法の込められた魔宝石はございませんが、同種の宝石で別の魔法が込められたものならございます。そちらを無料でお付けするので、いかがでしょうか?」


「そうですね、宣伝されるくらいで宝石がもらえるならありがたいのでこちらからもお願いします。」


「うふふ、では契約成立ということで!こちらが奥様の分とショウタさんの分の『風壁』という魔法が込められた指輪です。魔力を込めれば空中に風の盾を作り出してくれます。ぜひ()()でもご使用ください。」


「へー、それは便利ですね。ありがとうございます!」


「ええ、ではまた何かあればぜひご来店ください。」


お金を支払い店を出る。いや~いい買い物ができたなあ!店長さんもオマケしてくれたしいい人だったなあ!早くミーシャに会ってプレゼントしたい。喜んでくれるといいなあ。







―ショウタが出ていった後の宝石屋の店内にて―



「まさか、即断で買うなんてね。本当は悩む様子でも見せたら全部タダでいいから宣伝させてって言うつもりだったのに。しかも、戦闘で使える魔宝石も渡せたし、なおさらいい宣伝になるわね。私も()()だし、稼げるところはしっかり稼がせてもらわないとね♡」



(…まあ、女の子も他の女からタダでもらったものをプレゼントされるよりはうれしいわよね?)



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