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プロローグ

ハルへ



君が最後の瞬間・・・



一瞬でも私の顔を思い浮かべてくれたのだろうか。


もっと一緒にいたかったと思ってくれただろうか。



君に聞きたいことはいっぱいあるけど、どうやって聞けばいい?


もしも1分だけ君にもう一度会えるならば、私はどうするだろう。


きっと聞きたいことも言いたいこともあるのに何もできずに

ただ君を再び見つめることができた時間に嬉しくて動けないだろうね。


もしも、私が60歳くらいまで生きたとして、

これまでの人生の悪いことを神様が許してくれたとしよう。

そしてまんまと天国に行けて君に再び逢うことができた時、

私は60歳の姿で、君は18歳のままなのだろうか?


さすがにそれは勘弁してほしい。


君の60歳の姿も見たくないから、そこは神様の力で

私を20歳に戻してほしい。

そして、行けなかったヒマワリ畑に行こう。


あの日、待っていたあの場所から

何時間も待ちぼうけをしていたあの時間を無くして

時間通りくる君のバイクの後ろに乗って

埃まみれになって、途中でお尻が痛くなったと文句を言いながら・・・


その場面を幾度と無く想像しながら、私は時間を重ねている。

叶わぬことだと思っていても、朝起きたら今までのことは

すべて夢で、あの日の朝なんじゃないかと思いながら。


今、君は幸せですか?


またヒネくれて心を閉ざしてませんか?


笑うことを忘れていませんか?


私がいつまでも心配していることは迷惑ですか?



でも、それは仕方無いね。

だって一番好きな時に勝手に消えてしまったんだから。


忘れようと努力しようとしたけど、たぶんどんなことをしても

忘れることはできないから。


勝手に消えてしまった君。

忘れられない私。


両者痛み分けってことで引き分けにしようね。


きっと忘れられないんじゃなくて、忘れたくないんだと思う。

でも私はあの日以来、なんとなく目の前の時間がボヤけている。


毎日いろんなことが起きるし、いろんな人にも出会う。


時間は流れているのに、なにか置いてきたように胸に穴が開いている。



消えた君の面影を誰かに被せ、その人を通して君を好きでい続けるより

形こそ無いが、それでも本物の君を好きでいるほうが

きっと私には合っているのかもしれない。


今、目の前に君がいるならば


「すっごく嬉しくでしょ?こんなに好きでいてもらって」


あの時のようにイタズラな笑顔で君をからかい、


「別に....馬鹿じゃないの?」


君が照れる顔が目に浮かぶ。

ちょっとだけ下を向いてニヤッとするあの笑顔を....


ハル・・・

君にもう一度会えるなら、私は何もいらない。

それ以上のモノは存在しないから・・・・



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