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寮に帰ろうとしていた所、誰かに呼び止められて振り向いたら、愛沢先輩がこっちに向かって走って来た。
「良かったー。また行き違いにならなくて」
「愛沢先輩。どうしたのですか?」
「葵ちゃんに用があって来たの。取り敢えず、ここじゃ他の生徒達の邪魔になるから、カフェに行こう」
そう言うと先輩は、私の腕を取ると、カフェへ向かうべく歩き出した。私は、先輩に連れられる形であったが、素直に付いて行った。
先輩に連れて来られたカフェは、滅多に入る事の無い洒落た店だった。
「ここは私が奢るから、何でも好きな物を注文して」
「先輩に奢って貰うのは、恐れ多いですから自分で払います」
流石に、昨日会ったばかりの先輩に、奢って貰うのは気が引けるので、自分で払う旨を告げたが、先輩に却下され、渋々奢って貰う事となった。
暫くして、私と先輩の目の前には、各々が注文したメニューが置かれていた。
「それで話しなんだけど、執行部の事。昨日は、返事は直ぐにじゃなくても良いと言ったけど、考えてくれたかな?」
「その話しですが、神宮寺先輩に一員になる事を告げ、受理されました」
「そうだったの!?じゃあ、これから一緒に居られるね。そっか、夏蓮に会ったのね……誰か他のメンバーは居た?」
「いいえ。神宮寺先輩一人でした。山積みになった書類に、目を通していたみたいで、忙しそうでした」
「あちゃー。バッドタイミングだったね。夏蓮は、他のメンバーよりも厳しいから、当たりもキツかったのじゃない?」
「よく分からないですけれど、明日から放課後は、ああああぁぁぁ毎日通う事にはなりました。仕事を覚える事と、立ち居振舞いを覚える様な事を言ってました」
「やっぱり。夏蓮は、葵ちゃんを鍛えて、自分の所で囲う気だからね。嫌なら断った方が良いよ。そうじゃないと、葵ちゃんが辛い思いするだけだからね」
「有難うございます。でも私、取り柄も何も無いですから、身に付けておいた方が良いと思います」
「真面目だね。そんなんだから、私や五十鈴も気に入ったのだけどね」
「あ、有難うございます……」
この学園の生徒全員の憧れである、愛沢先輩や藤原先輩に、気に入られているのは嬉しい。勿論、神宮寺先輩も。厳しい中にも、私の事を気に入ってくれたからの事だと思えば、これから先の事も、例え大変だとしても頑張れるよ。
その後、愛沢先輩とは、他愛も無い話しをして、お開きとなった。その時、先輩から、寮の引っ越しの話しを聞いて、何時でも移動が出来る様に、荷物を纏めておく必要が出来た。
1話毎の話しが、段々短くなってきている((((;´・ω・`)))
次こそは、もう少し伸ばせる様にしないと(ง •̀_•́)ง