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聖 白薔薇学園執行部   作者: 南條 樹
新たな出会い
8/45

放課後。


私は時雨に追い出される形で教室を出ると、執行部の皆さんが集まっている部屋へと向かった。その途中、すれ違う生徒からの視線を何度も感じていたが、一々気にしていては私の心が保たない。引き受けると決めたのだから、誰が何と言おうが、『やっぱり辞退します』とは言えない。

そう思って歩いていたら、もう着いてしまった。中に居る人が愛沢先輩だったら良いけど、他の方だったらどうしよう …… ううん。これから同じ仲間になるのだもん。ここで、うじうじしてたらダメ。しっかりしろ私!


「失礼します」


ノックをしてからドアを開け中を見渡せば、そこに居たのは、神宮寺先輩だけだった。


「どうぞ …… って、雪村さんでしたか。今日は、どの様な用件で此方へ?」


「そ、その …… 執行部へ、入らせて頂きたいのですが ……」


神宮寺先輩のオーラに圧倒されて返事をしたものの、最後の方の声は小さくなってしまった。


「そう。では、この紙に学年とクラス、名前を書いてくれるかしら?」


「は、はい!」


私は、先輩から渡された用紙に、クラスと名前を記入すると、用紙を先輩に渡した。


「確かに受け取りました。明日から毎日、放課後は此処に来て下さい。仕事の説明と、立ち居振舞いについても学んで貰います」


「え?」


「貴女は外部から来られたので、立ち居振舞いなど身に付いていない事でしょう。執行部の一員となるのですから、きちんとした立ち居振舞いが出来ないと、私達が迷惑します。ですから、執行部の仕事とは別に、立ち居振舞いも学んで貰います」


「は、はい。分かりました」


「それでは今日の所は、帰って貰って結構です」


それだけを言うと神宮寺先輩は、机の上に山積みされた書類に目を遠し始めた。

私は唖然としたまま、一言挨拶をした後、そのまま寮へと帰った。


(神宮寺先輩は、ゲーム中に出て来たライバルキャラに似ていそう。そうなると、他の先輩方もゲームキャラに似ていると考えた方が、この先の事を思えば良いのかもしれない。それにしても、立ち居振舞いか …… 何だか、疲れそうだよ)


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