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寮へ帰るとスマホに着信があり、誰からなのか確認したら実家からだった。
電話を掛けると、直ぐに通話になった。
「もしもし」
『時雨か?』
「お父さん、何か用なの?」
『お前、学園で何かやらかして無いよな?』
「そんな事するわけ無いでしょ! それよりも、担任の先生解雇してよ。あの先生、クズで使えない。お父さんなら出来るでしょ」
『それは出来ない』
「どうして? 今まで私の言った事は全部叶えてくれたのに、急に出来ないなんて可笑しいよ」
『学校側に賄賂送ってた事も、時雨の我儘を聞けたのも今の地位があるからだ。でも、その地位でさえ、所詮は飾り物だったと言う事だ。日本屈指の財閥に目を付けられた以上、今まで通りには出来ない。生き残りたければ、大人しくするしか無いのだ』
「そんな事、信じれない。お父さんなんてもういい」
そう言い残すと私は通話を切り、私専属のメイドに直接電話を掛ける。
「もしもし」
『お嬢様、如何なさいましたか?』
「お父さんが使えないから、貴女にお父さんの変わりをやって貰います。先ず初めに、私のクラスの担任の教師を解雇される様に仕向けなさい。それと、幸村葵を始末しなさい」
『それは何方も応える事が出来ません』
「貴女は、私専属のメイドよ。私の言った事には素直に従えばいいのよ!」
『お嬢様が何て言おうが、申し訳ありませんが引き受ける事は出来ません。旦那様からお達しがきております』
「もういい」
どいつもこいつも使えない。私一人でやるしか無さそう。まぁ、担任を解雇させるのは今は良いとして、先ずは葵を先に始末しよう。そうと決まれば、早速行動に取り掛からなければ。
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「五十鈴さん。此方が資料になります」
「有難うございます。それで、相良さんはどうでしたか?」
「予想通りでした。彼女が今回の件に携わっているのは、間違い無さそうです」
「そうですか」
「ただいま。面白い情報を聞けたよ」
「面白い情報ですか?」
「アイラさんも居たのですね。謹慎していた生徒達が集まって話をしていたので、陰から話を聞いていたけれど、どうやら彼女達は相良さんに不満があるみたい」
「どう言う事ですか?」
「自分達は謹慎処分を受けたのに、彼女だけ何も処分を受けてない事が不満らしい」
「つまり?」
「彼女達を動かしたのは、相良時雨で間違い無い。彼女が何らかの理由で、幸村さんを嫌悪する様になった。そして、それがエスカレートして傷害事件を起こした。ただ、幸いな事に幸村さんは足の怪我だけで済んだ事だね。それに対して不満を持った相良は、また幸村さんに何か仕掛けてくる可能性が高いと」
「そうですか。切っ掛けが何か分かれば、相良さんも嫌がらせを止めると思うのですが……」
「それは、もう少し調べる必要があるって事だね」
「それなら私が調べよう。今日、何度か相良さんと会ったが、彼女私の事を執行部の一員だと気付いていない」
「そうなの?それならアイラに任せた方が良いのかな」
「すみれは他の生徒達からも、何か話題が出てないか調べて貰えますか?」
「りょーかい」
「全ての情報が集まったら、一度会議を開きましょう。男子執行部へも連絡をしないといけないですからね」
「「はい」」




