4 (2017,12,24追加)
昼休みになり私は模擬試験の順位を見に行った。
どうせ前回同様、葵は私より順位が下なハズ。その事実は変わらない。私が授業をサボろうが何しようが、テストの順位が下がる事は無いのよ。
だから順位表を見た時は、本当に驚いたし葵の名前があった事に苛立ちを覚えた。
怪我をして学校を休んでいたのに、順位が上がるハズが無い。それよりも私の名前が無いのも可笑しい。直ぐに先生の所へと行きたかったが、先ずは葵が不正している事を書き込みしなければならなかった。
(私より成績が良いのは、不正している以外と言っている様なモノだから、今度こそ学園から居なくなればいいのよ)
私は誰も居ない事を確認してから、とある教室に入ろうとしていた。
「貴女ここで何をしているの? ここは立ち入り禁止のはずよ」
「え?」
誰も居ないと思っていた矢先、声を掛けられ一瞬驚くも直ぐに何も無い風を装った。
「あら、貴女は今朝も会ったわね。こんな生徒が誰も来ない様な所へ来て、何をするつもりなのかしら?」
「別に貴女には関係の無い事です」
「それじゃ私がここで何しようと、貴女は無関係と言いましたから好きにさせていただきます」
そう言うと、その人は目の前の教室へと入って行った。
(全く何なのよ。これじゃ私の計画が進まないじゃない)
それでも直ぐに戻るのはバレると思い、渋々ながらも目の前の教室へと入って行った。
(それにしても、この人は誰なのだろう? 私の邪魔ばかりしてきて。執行部の人なら分かるけれど、この人が執行部の一員とは思えないし……やはり只の生徒で私を邪魔してきただけかも)
結局この日は、何も出来ずに寮へと帰った。
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今朝、会ったばかりなのに、こんなにも早くまた会えるとはね。
昨夜、五十鈴から聞いた事は本当らしいわね。それにしても彼女、私の事を一般生徒と思っているのかしら?それはそれで私にとって都合が良いから構わないのだけれどね。
私は彼女にバレない様にしながら、書類を纏めあげると教室を出て行った。
彼女の両親が教師に賄賂を送って、彼女の成績を常に上位になる様に仕向けていた事は既に把握済み。彼女の家は、私達執行部の面々と家格が違う。どんなに足掻こうが、一度私達が牙を向ければ潰れるのは簡単な事。両親はそんな事は分かっていたのか、此方から問詰めたら直ぐに白状したのだ。
ただ、この事は、彼女自身はまだ知らない。でも、遠くないうちに知る事になるだろう。




