閑話 2
階段から突き落とされた彼女は、直ぐ様病院へ運ばれ治療を受けていると連絡が入った。
ただ階段から突き落とされた時に頭を打ったらしく、今はまだ意識が戻らないままとも連絡があった。その報告を受けてから、私は後悔ばかりしていた。
「後悔ばかりしていても何も変わらない。それならば、今私達が出来る事をするべきでは無いのかな?」
「夕輝。そうだね、君の言う通りだ。悔やんでいても彼女の為にならない。だったら、私達がやれる事をやった方が良い」
「…… やっと何時もの貴女に戻ったね。貴女がそんな調子じゃ、あの子達も沈んだままだからね」
「あの二人にも迷惑掛けてしまった様だね。今まですまなかった、お陰で目が覚めたよ」
私達が出来る事は、犯人を探す事。
彼女の回りを探せば、犯人へ繋がるヒントが見付かるかもしれない。そう言えば、彼女が皇君からの誘いを受けた時に一緒に居たあの子。あの子なら何か知っているかもしれない。
それからの私は、彼女と一緒に居た子の事を調べ出した。その中で知ったのは、まず名前は相良時雨。彼女 …… 雪村さんと同じクラスで、何時も一緒に居た事。それが、ある事を切っ掛けに、二人は仲違いしたかの様に一緒に居る事は無くなった。そして相良さんの方は、学校へ来るものの授業や委員の仕事をサボる様になった。
成程、彼女が何かしら知っているのは確かかもしれないな。
一度会って話をするのが良いだろうけど、私が直接動くのはバレてしまうだけ。それならば……
結果、私が動く前に、執行部が先に動き出した。しかも、男女合同としてだ。こんな事態は今まで一度も無かった。それだけ、今回の事件は重く見ていると言ってもいいだろう。それならば私がするべき事は、彼女が戻って来てからの事を考えるのが良さそうだ。
私は心の中でそう決心した。




