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聖 白薔薇学園執行部   作者: 南條 樹
嫌がらせと事件
29/45

閑話 1

今回は黒崎先輩視点です。

会話らしい会話は無く、彼女が思っている事をメインにしました。

新学期が始まり半月が過ぎた。

今年入学してきた一年生には、外部からの生徒が居る事を事前に会長から教えて頂いた。

この学園は数年に一度、外部からの生徒を受け入れている。その理由は、この学園が小・中・高の一貫校で有り、小学校を入学してから高校を卒業するまで、外部の生徒との交流が殆ど無いのと、この学園に通う殆どの生徒がお嬢様で、一般の人と関わる事が無いまま卒業すると、将来何かと困る事が起こるらしい。


(何かとお金で解決しようとしたがる先輩が居たり、その財力から傲慢な態度を取り続け、世間の批判を浴び落ちぶれた先輩も過去には居たらしい)


それと、この学園を卒業された先輩の中には変わった方が見えて、この学園を舞台とした恋愛シュミレーションゲームなんてものも開発したとか。そのせい (?) もあってなのか、この学園を特別視する人達も居ると言う噂だ。

まぁ余談はさておき何故、私に外部からの生徒が入学するか伝えられたのは、その生徒が執行部の一員になるからだ。それについては反対意見も出たが、理事長の説明によると、執行部に入れる事によって、その生徒の安全を確保する為だとか。そう言われたら納得するしか無い。

外部の生徒を執行部に入れる事によって、生徒達の弛んだ気持ちを引き締める事も出来るからだ。それでも私は、外部の生徒を執行部に入れる事には躊躇った。だが、そんな事は、その生徒の資料を見て変わった。


成績は、中の中で一見して普通に見えるのだが、元々この学園はレベルが高い。それだけで無く、やはりお金で先生を買収している生徒だって言わないだけで居る。そんな生徒達に混ざってその成績なら、本来の実力はかなりのもの。その事を知ってからは、私は彼女が執行部へ入る事を受け入れた。


それからまもなくして、彼女が執行部に入ると同時にこの寮へと引っ越してきた。最初は色々戸惑っていたみたいだが、現実を素直に受け入れると、その実力が分かった。

彼女は兎に角、自分の事を平凡な生徒だと思っている。だから会長や副会長に迷惑掛けまいと必死に勉強して、分からない事は徹底的に調べて自分で解決しようとしていた。そう言った努力が、回りにも少なからず影響を与えている事に驚いた。

だが、それ故に一部の生徒が不満を募らせて、彼女に対して苛めをしてきたのだ。


この時私は、執行部のメンバーを守る一員のリーダーである。だから、もっと彼女の近くに居て、守るべきだった。


執行部と言うものは、生徒の代表だけでなく、この学園での発言権は先生達よりも上だ。それに今代の執行部は、男子部も女子部も貴族クラスの生徒で、更にその容姿も他の生徒達を一線を画していた為、非公式なファンクラブまで存在する程だ。その中には過激な生徒も居て、執行部の面々を取り囲んだり、自分の物にしようとする輩から守るのが私達の任務。


(そんな私にもファンクラブがあるみたいだが、それは割愛しておこう)


更に今年入学したばかりの一年生は、この環境に慣れるのに時間が掛かる上、執行部の面々に対しても二、三年生と比べると、理解していない事も多く目を光らせてるおかないと危険な事になりかねない。


(中学生までは男女共学だが、高校では敷地が同じでも校舎など殆ど全ての事が別々)


そんな事を思っていた時に、それは起きた。


私が他の用事で彼女の近くから離れており、更には同じ仲間に伝えて居なかった事もあり、彼女は遅い時間まで一人で居た。そして、回りに生徒が居ない事を見計らったかの様に、誰かが彼女を階段から突き落としたのだ。




長くなりそうだった為、一旦切らせて貰います。

後半分は近々更新します。

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