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雪村さんと食事をした日から数日、とある事件が起きた。
それは雪村さんが誰かに階段から突き落とされ、病院へ運ばれたというものだった。
私は直ぐにでも見舞いに行きたかったのだが、蓮に止められた。同じ学園に通ってはいるものの、男子と女子が別々な為、見舞いに行くにしても何かしらの理由が無ければ、行く事は不可能との事だった。
「皇。見舞いに行きたい気持ちは分かる。だが、今は我慢しろ。それに今回の事で少し気になる点がある。その答えが分かるまでは、下手に動かない方が良いだろう。もし、見舞いに行くとしたら、執行部の代表としてなら可能だろう」
「蓮にそう言われれば、大人しくするしか無いね。見舞いに行けそうになったら連絡して。それまで犯人を探している」
「皇自身には、心当たりが無いのか?」
「あれば真っ先にその相手を疑うさ」
パソコンの電源を立ち上げ、何か情報が無いか調べ始めた。
それで幾つか出てきたのが、雪村さんに対する誹謗中傷の書き込みだ。何れも幼稚な内容で、雪村さんを見下しているとしか思えない。その内容の中に気になる文があった。
『あの女が男にモテるハズが無い。どうせ金を渡して媚び売ってるだけ。それに、あんな女より私の方がモテるハズ。学園の男共は皆、私の虜になる』
これは……
「皇。今、良いか?」
「翔か。私に了承とるなんて珍しいな」
「今はそんな事どうでもいい。女子部の方であった事件知っているな?」
「それがどうかしたか?」
「ネットの書き込みを見て、俺達に対する挑発的な発言があった。そのまま無視しても良かったが、それでは我々の威厳が保てない。それならば今回の件に、我々男子執行部も女子執行部に協力する。差し当って先ずは、東雲と皇で件の生徒の見舞いに行って来る様に」
「見舞いに行く件は了承する。女子執行部と協力する事は大丈夫なのか?」
「何か不満でもあるのか?」
「いいや。翔が言い出すのが珍しくて」
「フン! 俺をどう思っているのだ?それ位の事は大丈夫だ。それに女子部に借りを作っておけば色々と使えるからな」
「やはり翔は翔のままでした」
「はぁ!?」
「言われた事はしますよ。それ以外の事も、動ける範囲以内でしますがね。それでは、私は蓮と話ししてきます」
…………まさか、あの翔が動くとは思わなかったね。まぁ、その分動きやすくなったわけなのだが。私は私の思うがままにやりますよ。
お久しぶりです<(_ _*)>
気付かれた方も居るかもしれませんが、一部章を追加して変えました。
そして、この章もそろそろ終わりまして、次の章に移る予定です。
そう言えば、前回の時に次は葵目線に戻るとか言いつつ、結局は新目線になりました(´・∀・`)
次は、誰を中心になるかは不明です。