滅茶苦茶学園高等部 幽霊部の実態
最近一発書きが出来なくなりました。書き出しにすごく悩んだりします。成長すのでしょうか。
こんにちは、総務部部長の3-1,1です。今は昼休みです。校庭では、様々なボール遊びに興じる生徒がいます。バスケットボール、バレーボール、サッカー、野球、バドミントン、テニス、ドッチボール、ボーリング、パチンコ、大玉送りなど。
総務部では、昼休み用のボールの貸し出しを行っています。私はその貸し出しの管理の為総務部部室に待機です。総務部は10名ほどいるのですが、今は私一人しかいません。皆昼休みは遊びたいんだよね。
総務部部室は色々なボールが保管されているので、結構広いです。ドア側にボール達、窓側には会議用の長机といす。それからデスクトップ型のパソコン。ちょっとしたオフィスみたいかも。私は窓際に座って、お弁当を食べていました。その時、一人の男子生徒が困った様子で部室を訪れました。そういえば、困り事の相談も、総務部の役割です。
「こんにちは。えと、あなたは確か同じクラスの…」
彼は私の向かいの椅子に座りました。
「3-1.2だよ。今日は総務部部長のアンタに相談があってな。第10幽霊部の事だけど」
滅茶苦茶学園高等部では、部活動は必須です。一人10個以上の部活に入らないとなりません。入りたい部活がない場合は、「幽霊部」に加入する事になります。幽霊部は、第1幽霊部から第10幽霊部と10つあります。部活を3つ入った場合は、残りの7つは第1幽霊部から第7幽霊部に加入する事になります。したがって、第10幽霊部は何も部活に入っていない生徒のみとなっています。幽霊部の活動はなく、指定の用紙にクラス氏名を記入するのみとなっています。名簿の先頭の人が部長ですが、名前だけで部員の顔合わせすらしません。だって幽霊部ですから。
「3-1,2くんは第1幽霊部から第10幽霊部の部長だったわね。幽霊部がどうかしたの?」
「おい、3-1,1ってなんか呼びにくいナ。名前つけようぜ。そうだなアンタの名前、総務だから、総田 仁美なんてどうだ?美しく任務をこなすって意味だぜ」
彼は、机にあった裏紙束のメモ用紙に「総田 仁美」と書いた。
「あれ、任務って字違くない?」
私はそのメモ用紙に「任務」と書いた。
「しまった、そうだった。でもいいじゃん、仁美で。でオレは、幽霊部のエースだから」
彼は「結生礼司」と書いた。
「なんか、漫画でありそうな名前ね。って私、出席番号1番であなた2番よ、最初の方だから、ア行の名前とかじゃない?」
「いいじゃん、滅茶苦茶学園なんだし」
「それもそっか、で話は何?」
「なんか、最近第11幽霊部ってのが、オレの後ろにいつもいるんだ。今もいるよ、そしてこういっている。『第10幽霊部をつぶす』とこえーよ」
結生君はおびえた様子で話しているけれど、私には彼の後ろには何も見えない。
「私には何も見えないけれど…それに第11幽霊部なんて部活はないわよ」
「とにかく、仁美、なんとかしてくれ!頼む!」
いきなり名前呼び捨て?_?
「第10幽霊部って他に誰がいたかしら」
私はパソコンで第10幽霊部の部員名簿を開いた。結生君もパソコン画面をのぞき込む。
「あれ、部員、オレだけ?」
部員は部長の結生くんだけだった。
「そうね、もっといたような気がしたけれど」
私は生徒名簿のファイルを開いた。高等部は一学年6クラス、現在の生徒数は535人。生徒名簿の部活加入リストをクリックし、入部日付を新しい順にソート。すると、
「最近部活に入った生徒が44人もいる。だから第10幽霊部員が減ったのかな」
何か新しい部が出来たのかな。
「校則では、3人以上の部員がいないと部として認められないわ。2人以下で1か月以上経過すると、廃部になる。幽霊部は部活に入っていない人しか入れないから、勧誘するわけにはいかないわね」
「部活に入らないといけないのかよ。オレはずっと幽霊のような存在でありたかったのに。部活なんて面倒な事やってられるか!」
「じゃあ、総務部に来てよ。昼休みいるだけでいいから!ボールの貸し出しをしているんだけど、管理表とかないからただここにいるだけでいいよ」
「そのくらいなら、いいけど」
「じゃあ、決まり、結生君総務部に入部」
私はパソコンのデータの総務部に3-1,2を加入させた。自動的に第10幽霊部は廃部になった。
「じゃあ、私行くから、昼休み終わりごろにまた来るから。鍵の閉め方教えるね。じゃあ、よろしく!」
私は大急ぎでお弁当をしまい、校庭へ駆け出した。
「バレーボール入れて」
私だって、遊びたい!
その時パソコンの隣にあるプリンタから、1枚の申請書が印刷されていたことをその時は気づく由もなかった。
「新規部活申請書
部名:第11幽霊部
部長:3年7組 幽 霊子
活動内容:既存の幽霊部との戦い、オカルト研究他
顧問:一つ目先生」
3年生は6組までしかありません。