伝説の男あらわる!?
作「早くもちょっとイタズラ心が……」
「そろそろ君の担任が来る頃だろう」
と、ヘスちゃんが言うので他愛もない話をしていると、コンコンとノックの音が聞こえた。
「来たようね、どうぞー」
「失礼します」
あれ?この声どこかで聞いたことがあるような気がする。
振り返って見てみると
「兄さん!?……なんで?」
兄さんはクリュウの専門校の教師で、師匠と魔法や魔方陣の研究をしているはずだった。
「ヒメちゃんは知らなかったの?」
「……はい」
「驚かそうと思い黙っていましたから。今期からこっちに移ったんだ。驚いたかい?」
兄さんはイタズラが成功した子供のように「クックック」と笑っていた。
「驚いたも何も、えっ!?研究はよかったの?師匠はなんて?」
「研究の方は大丈夫だ。それに師匠が『お前も行ってこい』ってな」
「まぁ、そう言うことよ。私もゲオルさんからヒメちゃんの話を聞いていて、どうしようかと思っていたんだけど。そこに今度はギウスから連絡があってね。渡りに舟、2つ返事で了承したわよ。おっと、もう時間ね。後は頼んだよオウジ先生」
『ギウス』とは、私と兄の師匠で、ゲオル大師匠の子供になる。
時間がせまってるようで、学園長に挨拶をして兄さんと二人で部屋を出て教室へ向かう。
私は自分が知らない言葉を話したり、行動したりすることがある。
しかも、私はそれを覚えていない。
何が原因かは分からない。
普段の生活の中では「ヒメちゃんってたまに、おかしなことを言うよね」ぐらいで済むんだけど……
問題はギルドの任務中等の戦闘時。
魔物討伐をしていたはずなのに、気付いたら家のベットにいることがたまにある。
無事に戻っては来ている、戻っては来ている。が…
その時の私は兎に角危険なのだそうだ。
なにしろ、そこの森や遺跡などへの被害を何も気にせず、強力な魔法をバンバン使って敵を殲滅していくらしい。
普段の戦い方とは違う、私ではない私。
付いた2つ名は…『激昂のピーチ姫』
『ピーチ姫を怒らせていけない』が、ギルドの暗黙の掟となっている。
そんな私を自分では止めることはできない。
私を止めることをできたのは、師匠、大師匠以外では兄さんだけらしい。
その最悪の状態を危惧して兄さんはこっちに来たのだろう。
「兄さん。私の為にごめんね」
「ヒメが気にする事は何もない。俺だってホンブには興味があったし、来てみたかったからね。ただ、校内では先生と呼ぶように」
「分かりました。オウジ先生」
「素直でよろしい。では、ここで暫く待って、俺が呼んだら入って来てくれ」
「わかった」
考え事をしながら歩いてるうちに教室の前についていた。
兄さんは教室の中に入って行く。
ガラガラ ガラガラピシャッ
(おーい、静かにしろ。突然の話だが、このクラスに転入生がきた)
(先生、それは男ですか?それとも女の子ですか♪)
(喜べ女の子だぞ)
ありきたりな質問だなぁ。
(先生、それは幼女ですか?妖女ですか?)
(まぁ、俺はお前の性癖にはとやかく言わない。……が、手を出したら殺すぞ)
ん!?最後何か言ったかな?
あれ、また風景が……。
ww妖女ってなんだww 艶かしいと言う意味かww
(先生、男の子ですか?漢の子ですか?男の娘ですか?)
(あれ!?女の子って言ったよね?)
(ちっ)
おまwwなぜ男の娘を知っているww
それに教師に対して舌打ちww
(えっ男!?どこどこ?ウッホいい男、や ら な い か)
オフゥww伝説の男がいるww。
(あ、アベ君、封印の指環はここで外してはいけないよ‼あっ、あんな所にクラス1のいい男がいる)
教師である兄貴がビビってるww
しかも、自分の生徒を売っていうww俺、女でよかったww
(ちょ、先生それひきょ(や ら な い か)アッアァァァ)
何?何?なにがあったぁぁww
(さぁ、気を取り直して、入ってきなさい……入ってきなさい……)
ガラガラ
「ヒメ?……ヒメ?」
……はっ!?
「えっ?あ、うん大丈夫、大丈夫。ごめん兄さん」
兄さん小声で「ここでは先生だろ」と言った後で
「さぁ、中に入って来て、挨拶をしてくれ」
と言うと教室に入って行く。
何か凄く気になることがあったような……
オウジ「出番来たぁぁ。しかも、わりと重要な立ち位置かも~」
作「ちっ」
オウジ「舌打ち!?酷い」
ヒメ「兄さん。頑張ろうね……」
オウジ「おぉ妹よ~」(つД`)
ヒメ「妹の一言で泣く兄貴とかワロス プギャー」
オウジ「上げて、落とされた…」(´д`|||)
作.ヒメ「ざまぁ」
オウジ orz