プロローグ
作「頑張って逝きます」
む~かし、むかし。
地球と似た地球ではない星、こことはとは違う異世界の話じゃ…。
異世界 フォステラ
聖暦4975年1月23日
パング大陸 クリュウ龍神国
モモノ領 カザガシラ山 頂上
モモノ家 玄関前
そこには身長差のある二人の男が立っていた。
「訓練校に戻っても鍛練を忘れるなよ」
「はい師匠。しかし、こんな時間に行かれるのですか?今日はもう夜も遅いですし、泊まって行かれては?」
「そうしたい所なのだが、山の様子がいつもと違う。祠へ戻らねばならぬ」
師匠と呼ばれた男は空を見上げた後、背を向け歩いて行く。
「師匠。僕も一緒に…」
弟子に声をかけられ男が振り替える。
そこには不安そうな、でも決意を固めた表情の弟子がいた。
弟子をどうやって説得しよか迷っていると、家の中から優しそうな顔の2人が出てきて
「お前は明日から訓練校の方に向かわないと入校式に間に合わないだろう?」
「オウジちゃん、夜の外出は禁止なのよ♪」
「父さん、母さん。…母さん僕は夜でも大丈夫です」
父親は「はっはっはっ」と笑ながら息子の頭をガシガシと少し乱暴に頭をなで、母親は息子の言葉に「頼もしいわねぇ」と微笑む。
そんな3人を見て師匠も満足そうな顔で
「オウジよ、今のお前に教えれる物は全て教えた。しかし、まだまだ弱い。この世界はオウジが思っている以上に、それこそ果てしなく広い。今以上に鍛練に鍛練を重ね、守られる側から守る側になった時に祠を訪ねよ。さすれば更なる高みを見せてやろう。」
「師匠、僕はもう守る側…です…よ」
師匠の言葉に返事をするが、師匠は背を向け手を振りながら歩いていく。
オウジが言い終わる前に姿は見えなくなっていた。
「また少し会えないだけだ。辛気臭い顔をするな。こんな時は酒だ酒」
「どうだ一緒に飲むか?」と言いながらオウジの頭をポンポンと軽く叩く父親。
家の中に入って行く父親の問に「遠慮しておくよ」と返事をしてオウジは庭の方に歩いて行く。
母親はそんなオウジと一緒に庭にでる。
「オウジちゃん。先生の言葉を気にしているの?」
「…うん」
「クリュウ国は広いわぁ。でも、それはパングの一部に過ぎないのよ。パング全土で見るとオウジちゃんはまだ守られる側なのかも知れないわねぇ」
「パング全土かぁ」
「学生が終わったばかりの10歳の少年が訓練生の中でもトップクラスなのはとても凄いことよ」
母親は息子を励ますように明るく話をし、息子を褒めるように「フフッ、私の自慢の子よ」っと微笑む。
「ありがとう。母さん。さぁ体が冷え込まない内に家に戻ろう」
「まぁ♪優しいわねぇ」
「あっ、母さん。流れ星」
「えっ?あら、珍しい流れ星。でも綺麗ね」
二人が見上げた空には、ある一点を中心に弾けたように流れる星が輝いていた。
作「オウジ君は主人公ではありませんww」
オ「えっ!?」
作「えっ!?」