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話しがなかなか進みません。
カランカラン
「いらっしゃーい」
ドアを開け最初に聞こえてきた声はまだ幼さの抜けない少女のような声だった。
というか小学生位の女の子が店番をしていた。
銃を扱う店でまだこんなに小さい子を店番にして大丈夫なのか?と疑問に思いつつ少女に声をかける。
「えーとここのお店の子かな?お父さんかお母さんはいる?」
「あーあーまたそれかい。ここの店の主は私だ。先に言っておくけど私はドワーフでねこんななりしてるけど立派な大人だよ」
「は?」
思考がショートする。
つまりどういう事だ?このまだ幼さの抜けないブロンド色の髪を後ろで一つに括った所謂ポニーテイルにしていて肌はやや浅黒く顔立ちは整い将来は有望そうだなと思わせるこの少女は大人でありドワーフでありこの店の主人であり・・・
「大丈夫かあんた?変な顔して固まって」
とそこでこの少女の声で我に変える。
「あ、ええ……大丈夫……です」
本当はあまり大丈夫ではないが取り敢えず返事を返す。
ていうかまた変な顔って言われたな。
俺の顔って変なのかな……
「本当に大丈夫か?まあここに来たってことは客だろ?何が必要なんだ?」
少々取り乱しすぎた一つ大きく深呼吸し冷静になるよう努め考える。
そうだ今いるのはファンタジーの世界なんだからドワーフの一人や二人くらいいてもおかしくないだろう。
でもドワーフって普通、筋骨粒々で髭もじゃな小人をイメージするもので間違っても目の前美少女みたいなのは出てこない気がするが……最近のゲームじゃあ当たり前なのだろうか?
あまりにジロジロ見つめ流石に不審に思われたのか眉をしかめられたので慌ててこちらの用件を話すことにした。
「ああええ、えーとまず先に私はブレットと申します。突然で申し訳ないですが私を弟子にしていただけませんか?」
「ああこれは丁寧にどーも。私は エリノア。エリーでかまわんよ。弟子に関してだがどうするか……」
今度は相手が悩みこんだ。
唐突になってしまったからしょうがないだろう。
「うーんまあ最近暇だし特にすることもないし大丈夫か……いいよあんたを私の弟子にしてやる。」
「え、本当ですか?」
あっさり決まった事に拍子抜けする。
こういうのって普通なんかアイテム持ってこいとか一悶着あったりするもんだと構えていたんだが……
というか冷静に考えたら小学生みたいな女の子に教えを乞うって周りから変に思われないのかね?まあいいか。
「とりあえず今日はもう遅いから教えるのは明日にしよう。あんた酒は飲めるだろう?今日は付き合ってもらうよ」
と晩酌の相手にされ今日ほどよく酔ったところでログアウトすることにした。
ゲームの中でも酔えるんだな最近のゲームってすごいな。