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02

 年末になると年内に仕事を終わらせようとするお客様からの連絡が増えて、仕事が一段と忙しくなる。


糸魚川いといがわさん」


 声を掛けてきたのは私の所属する課の富山とみやま課長だ。


「仕事の調子はどうかな?」

「えっと、ぼちぼちです」

「ははは、ぼちぼちか。でも新入社員にしては凄い活躍だよ」

「ありがとうございます……」


 ただ先輩の営業に付いていっただけなんだけどな。

 私はなるべく自然な笑顔を心掛けた。


「それで君に一つ頼みがあってね」

「は、はあ」

「毎年の恒例みたいなものなんだけど、実はうちの課って忘年会のお店を新入社員に決めてもらっていてね、それを今年は糸魚川さんにお願いしようと思うんだ」

「え……」

「いやあ、連絡が遅くなって申し訳ないんだけど、今週末にセッティングを頼むよ」


 正直、仕事で手いっぱいだ。今朝メールボックスを確認したら、営業先からの問い合わせのメールがたくさん届いていたのに。


「大丈夫、お店を決めて予約するだけだから」

「……はい」


 これも入社したての社員の仕事。

 そう自分に言い聞かせて、私はそれを引き受けた。


 今日の分の仕事を終えて、忘年会の予約に取り掛かるころには、定時はとっくの前に過ぎていた。


 フロアにはあまり人の姿がない。

 私に予約を頼んだ富山課長も帰ったみたいだ。


「何で私が……」


 無性に腹が立った。

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