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その名はナナ

『な、なぁ』


「何よ」


『どこに行くつもりなんだ?』


妖精に追いついてすぐに、まずは確認したいことがあった


「別に、適当に魔物見つけて倒そうかなって」


『いや、そんな適当な…この森の魔物は、最低でもCランクだと言っていたぞ。そういえば名前を聞いてないんだけどさ』


先程出会ったばかりだが、女神の案内人の妖精としかわからない。もし長い付き合いになるのなら、名前を知りたかった


「名前?名前なんてないわよ」


『え、なんで?』


「私はあなたのステータスから作られた、女神様の祝福の一部だもの、あなたの生きる力になるようにしか設定されてないわ」


『そうなのか』


つまり目の前の妖精は、過去の記憶などはないということだ


「好きに呼んでいいわよ」


『ん〜』


ふと目の前で浮かぶ妖精を見て、思いついた名前があった


『ナナ』


「なな?」


『あ、なんとなくだけど』


「ナナね〜、いいわ気に入ったわ、これからはナナと呼んで」


『わかった、よろしくな』


ナナと名付けた妖精は機嫌が良く見える、先程よりは飛び方が上下に大きく揺れていた


「あ、そこ死体あるわよ」


『え、うわっ』


ナナを見ながら上向きで歩いていたので下を見てなかった、もう少しでいつ亡くなったかわからないほぼ骨の骸を踏むところだった


『…』


「何してるの?」


目の前の骨に手を合わせる、これは少し後の俺の姿かもしれない


「装備とかはないわね、骨と布切れくらいしか残ってないか」


『見ればわかるよ』


身に着けていた装備などは一切残ってなかった、ただ気になることはある


『なぁ、なんでこの人頭蓋骨とか、何箇所も穴が空いてるんだ?』


骨だけなのにやけに穴が目立つ、何か鋭利なもので貫かれたのかもしれない


『槍とかではないよな、ドリルなんてものは無いはずだし』


この世界に来てすぐなので魔物の仕業なのか人の仕業なのかわからない、俺は徐々に怖くなってきた


「ねぇ、あの魔物見える?」


『え?』


ナナに言われた方を見ると、地面に生えている草を食べる兎のようなものがいた


「あれじゃない?角生えてるし」


『え、本当だ』


兎よりは大きいがサイズに個体差はあるのだろうか、見えている魔物は距離的にバスケットボールくらいのサイズに見える。そしてその頭には、人参のような角が突き出ていた


『ん〜』


少し集中して見ると、自分のステータスではない画面が出てきた


ホーンラビット レベル 10

HP 70/70

MP 10/10

力   100

体    20

速    90

運    20


パッシブスキル

気配察知 自分への敵意に反応する

アクティブスキル

角ドリル 角で刺した対象へのダメージが増加する


『いや角ドリルってポ◯モンかよ』


前の世界でやったことがあるゲームを思い出した、友達がいなくて全然図鑑が埋まらなかった


「え、スキルとか見えてるの?」


『ん?見えるよ』


「あ、万能鑑定持ってる!女神様がくれたのかな」


『え、本当だ』


魔物のステータス画面とは別に自分のステータス画面も出す、よく見ると鑑定ではなく万能鑑定と書いてある


「普通は名前とレベルくらいしか鑑定では見えないはずなんだよ、女神様に感謝だね」


『いや、その感謝も数分後には天国に行って女神に直接言うことになるかもな』


草を食べていたホーンラビットが、いつの間にかこちらを見ていた。もしかしたら気配察知のスキルで、こちらに気がついたのかもしれない


『や、やばい』


「駄目、来るよ!」


『は、はやっ』


こちらを向いたホーンラビットが一直線に突っ込んで飛んできた、俺は驚いて尻餅をついたのでその角が頭の上を通り過ぎる


『た、助かったのか…?』


「まだだよ、こっち!」


『えっ』


ナナに言われて見ると、先程のホーンラビットが木に刺さっていた


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