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星を見ながら

『今日は天気が良いので、星が綺麗に見えますね』


「この夜空は凄いな、暗い夜もこれなら楽しくなるぜ」


俺達は寝る前に風呂に入ろうと、昼と同じ様に準備をして入浴をしていた。一度風呂を掃除した後、シゴロのスキルで風呂の横に粘土で囲った脱衣所を作ってもらった。それは人が入れるくらいのスペースに置き場を作り、そこで脱いで服を置いておける形にした。作ってから時間が経ち表面は乾燥しているので、服が汚れる心配もない


『シゴロさん、洗濯物を干す場所をありがとうございます』


「いやいいってことよ、面白い物を見せてもらったしな」


ヒフミに頼んでおいた桶を受け取りに行った時に、スキルが使えると言うのでせっかくだから物干し台を作ってもらった。余っている木材を使って2メートルほどのYの字の棒を2本と、真っ直ぐな棒を1本作ってもらった。Yの部分を上側にして底をシゴロに粘土で固めてもらい、そこから間隔を空けて同じように物干し台を立てる。後はお湯で洗った衣類を干して、また明日でも取りに来ればいいだろう


「今までは水で洗ったらそこら辺に引っ掛けてたから、そうやって干す台を作るとは思わなかったな」


村の中だと家によっては生えてる木と木の間にロープを張り、そこに洗った衣類をかけている家もあった


『物干し台って言うんですよ。風呂もそうですけど、ヒフミさんとシゴロさんがいなかったら作れなかったです』


2人のスキルは生活をする上で、かなり有能なスキルだと思う。今までこういうアイデアが出なかったから活用されなかっただけで、元の世界の知識がある俺には凄く助かっていた


『シゴロさんとヒフミさんは、どちらも欠かせない存在ですね。スキルの相性も良いし』


「そ、そうか?相性が良いのか、そうか…」


シゴロは、嬉しそうに下を向いている。俺達の声が聞こえてはないだろうが、ヒフミは家から顔を出して顔を赤くしながらずっとこちらを見ていた


(この2人は放っといても結ばれそうだけど、そのうち後押しはしてあげたいかな)


タイミングが悪ければ、2人は別の人と結ばれてしまうかもしれない。そうならないように応援出来ればと、シゴロの笑顔を見て思った






「俺はそろそろ出るよ、ありがとうな」


シゴロが風呂から出て、家へ入って行った。シゴロが風呂から出る時に慌てて隠れたので、ヒフミはそれから顔を出しては来なかった


『さてと、待たせたな』


風呂の脇に置いておいた桶を取り、中にお湯を半分ほど入れて風呂の湯に浮かせた。ぷかぷかと流れる桶へ、ステータス画面から裸で飛び出したナナが入って行く


「も〜長いんだから〜!他の人には私の姿が見えてないんだし、良いじゃないの!」


ナナは桶の縁に掴まって顔を出し、俺へ文句を言っている


『万が一見えてたら困るじゃないか、ほら空を見てごらん。星が綺麗だろ』


「うわぁ、本当だ!」


ナナと一緒に空を見ると、夜空に星が輝いている。ただ元の世界の夜空と違うところがあり、1つ1つが大きく数は少なかった。星座などはわからないが、授業などで見たことがあるものもない


(異世界の夜空か)


元の世界の時に、ドラム缶風呂に入りながら見た夜空を思い出した。あの時は叔父さんが1つ1つ説明をしてくれたが、当時は興味がなくて適当に流してしまった


(叔父さんの話、もっとちゃんと聞いてあげればよかったな)


たまに理解出来ないことを言う人だったが、良い人ではあった。ある日いきなり失踪し、数年してから見つかった後は暫くは病院に入れられていた。その後父が引き取り、叔父さんは俺とよく遊んでくれた。祖父母と両親が亡くなった後は、俺のことを気にしてくれていたのは叔父さんだけだった


(そういえば、ゲームを作る会社を起ち上げたとか言ってたな)


俺がやりこんでいた異世界をテーマにしたオンラインゲームは、なんとなくこの世界に雰囲気が似ている気がする


「ねぇ、明日からは何をするの?」


『明日か、そうだな…』


風呂の周りに柵をつけるのは、間違いなくやることにしている。後は村と川の距離を見たり、ステータスが上がったのでステップラビットを狩るのも試してみたい


『よし!明日は起きたら、まずは平原に出よう』


少しずつだが、この世界が楽しくなってきた。俺に出来ることを活かして、色々試したくなった


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