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変化が起きた次の日の朝に

『ん〜、良く寝たぁ!』


目を覚まし両手を天井に上げると、俺の胸の上で寝るナナを見つけた


(潰されなかったかな、大丈夫そうだけど)


昨日は眠くなったとステータスの中に消えて言ったが、この前と同じく夜中に出てきて俺の布団に入って来たらしい


(しかし…大きくなってしまったな)


理由は不明だが、昨日の昼と夜ではナナの大きさが変化してしまった。ただ見た目はあまり変わらず、大人の女性になったわけではなく可愛いままだ


(下手なことを言うと、また影響を与えそうだしな)


寝ているナナの頬を指で押してみる、それは柔らかくてぷにぷにしていた


「んんっ…な〜に〜?」


頬を触られてくすぐったかったのか、目を擦りながら身体を起こした


「なんだろう…お腹が空いた気がする」


『あれ?ナナって、食事とかいらないって言ってたよな』


「わからないけど、お腹が空いたの!」


身体が大きくなって変化があったのはわかるが、ナナの身体の作り自体も変わったのだろうか


『じゃあ、朝食を食べに行くか』


「そうね、私のも注文して頂戴」


『それなら大盛りを頼むか』


ナナが肩に乗ったので、俺もベットから立ち上がり部屋を出た。ナナは大きくはなったけど、重さはそこまで増えたようには感じなかった。もしかしたらこれは俺のステータスが増えた影響かもしれないが、この時は気にもしなかった






『おはようございます』


「あ、九十九さんよ」


「え、やっぱりカッコいい」


「髪に寝癖ついてる、可愛い」


(ん?)


部屋を出て階段を降り1階に出ると、村の人達が昨日の宴の片付けをしていた。ただ一部の女性の声からは、俺の名前が聞こえる


「おはよう、今食事を出すよ」


村人達に挨拶をされてそれに返しながらカウンターまで行くと、マスターが奥から顔を出した


『大盛りでお願いしてもいいですか?』


「ああ、わかった。ちょっと待っててくれ」


食事を待つ間に酒場の中を見渡す、昨日出したテーブルを拭く人や椅子を並べる人、手を止めて俺を見ている女性など沢山の人がいた。酒場の外も騒がしいので、肉を焼いていたところも片付けをしているのだろう。ナナはいつの間にか肩から消えて、ステータスの中に入ってしまったようだ


「お、九十九、昨日から人気者だな」


『シゴロさん、おはようございます』


シゴロも片付けの手伝いをしていたらしい。外の片付けをしていたのか、顔や服が灰で汚れていた


「お前のことを教えてくれって朝から聞かれてよ、俺も良くは知らないから答えられなかったけどな」


『俺ですか?』


昨日から嫁にもらってくれとかそういう話が出ていたので、そういう話に繋がるのだろうか


『シゴロさんも、女性から注目を浴びてるみたいですけどね』


「え、いや…俺はほら…な?」


『わかってますよ』


シゴロはヒフミにしか興味がない。そもそも外見が変わっただけで魅力的だと近寄る女性に、シゴロは応えないだろう


『そうだ、後で相談があるので食事が終わったら行きますね』


『ああいいぜ、片付けが終わったら家で待ってるからな』


シゴロは俺から離れると、酒場の外に出て行った。その背中を追いかけて見ている女性もいるので、やはり髪を切って外見を整えた影響はあるみたいだ


「九十九さん、お待たせしました」


『あ、ありがとうございます』


朝食を持ってきてくれたのは、マスターではなくマスターの娘だった。だが奥の方を見ると、マスターとマスターの奥さんが隠れてこちらの様子を窺っている


(いやいや、そうなるならマスターが持ってきて下さいよ)


笑顔で朝食を置いて去るマスターの娘を見送り、俺は朝食に手をつける


(ドレッシングとか、作る方法はないかなぁ)


ほぼ素材そのままの味のサラダを口に入れて、胃にゆっくりとエンジンをかけていく。メインは昨日のチキンバードを焼いた物にウッドバードの卵の目玉焼き、そして勇者米を炊いた物が底の深い器に入って出てきた


(失敗した…大盛りの大盛りじゃないか…)


俺へのサービスなのだろうけど、軽く2人前以上ある。俺は箸で肉を掴むと、小さく開いたステータス画面の中に入れてみた


「あ、美味しい」


(ステータスの中に消えるって、一体どういう仕組みなんだろうか)


ナナがステータス画面の中にある、別空間でくつろぐ姿を想像してみる。行ったことはないが、南国のリゾートで椅子に座って優雅に過ごす姿が出てきた


「へ〜、これも美味しいわね。あ、味が変わった」


目玉焼きの白身の部分をそのままナナに渡す、その後にマスター特製のスパイスをまぶした白身を渡してみた。すると味の変化が楽しいらしく、おかわりをしてくる


(身体が小さいのに、結構食べるんだな)


自分でも頑張って食べた方だが、ナナがいなければ完食は出来なかっただろう。果実水をゆっくり飲みながら食後の余韻を感じていると、酒場の片付けも終わっていた


「九十九、勇者米はどうする?」


商人から買った勇者米は昨日一部を使ったが、まだまだ1樽以上残っているらしい


『食べたい人がいれば村の人へ出して良いですよ、俺も1日1回は勇者米を食べたいです。マスターのパンも美味しいですけどね』


「わかった、暫くは保つからゆっくり使うよ」


『では行ってきます、ご馳走様でした』


酒場を出てヒフミとシゴロの家へ向かう、今日こそは風呂を作って入ってみせると決めていた


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