変化
「じゃあこれ、今日は村のみんなのためにありがとうな」
部屋に戻り暫くすると、マスターがお湯と水の入ったコップを持ってきてくれた。労いの言葉を言われると、今日は頑張って良かったなと思えた
(さてと、ナナ起きてるか?)
ナナを呼び出そうと声をかける、だがナナからの反応が返ってこない
(あれ?寝たのか?)
先程肉を渡した時は反応があったが、今は何も聞こえてこない
『お〜い、ナナ〜?』
「何度も呼ばなくても、聞こえてるわよ」
天井を見ながらナナを呼ぶように声に出してみる、するとナナからやっと返事がきた
『お、起きてたか、風呂に入らないのか?』
「…入れない」
入らないじゃなく、入れないと聞こえた。ナナは俺の前に姿を見せず、声だけが聞こえてくる
『さっきも様子がおかしかったけど、どうかしたのか?』
「…」
『…?お〜い』
ナナからの返事が1分ほど返ってこず、聞こえてないのかと思ったが、いきなりステータス画面が開き出てくる。だがそこには、俺の知っているナナの姿はなかった
『うえぇっ!?』
「静かにしなさいよ、驚かないでほしいんだけど…」
少し前に見た時は、ハンドボールより少し小さいくらいだと思っていたナナが、今は倍くらいの大きさになっている
『どうしたんだその姿…』
「知らないわよ!あんたのせいじゃないの!!」
『えぇ!?なんでだよ』
俺が何かしただろうか、今日はワイルドボアーから逃げた後に、チキンバードを追いかけたくらいだ
「ステータスを見てみなさいよ」
『ん?うん』
ステータスを呼び出して、目の前に持ってきた。先程見た時は一瞬だが、レベルが10になっていたのは覚えている
九十九無限 レベル 10/100 超大器晩成
HP 65/65 [+10]
MP 0/0
力 21 [+10]
体 21 [+10]
速 21 [+10]
運 21 [+10]
? 0 [+0]
パッシブスキル
万能言語 全ての種族の言語を解析し会話が可能になる
万能鑑定 任意の対象物を鑑定する
女神の祝福LV2 全ステータスに補正がかかる、レベルが上がると補正がより強化される、女神の祝福により案内者がサポートしてくれるようになる
アクティブスキル
0 付与&融合
『あれ?補正が増えてる…祝福のレベルが上がったせいか』
ステータスは相変わらず低い。だが補正のおかげで、ステップラビットならスキル無しでも狩れそうだ
『ん?もしかして、レベルが上がったせいでナナが大きくなったのか?』
「あんた、私に運んでもらうとか言ってたわよね。もしかしたら、そのせいじゃないの?」
『あ〜、言ったな…』
ワイルドボアーから逃げた後、村に戻る前にそんな話をしていた。だがその言葉くらいで、ナナが大きくなるようなことがおきるのだろうか
『女神の祝福で案内者がサポートってところが、何か引っ掛かるな』
サポートの過大解釈をすれば、こうなるのだろうか。レベルが上がったせいなのか俺のせいなのか、ナナが大きくなったのは間違いない
「これ以上大きくなったら、責任取ってもらうからね!!」
『あ〜、う〜ん、まぁ俺のせいか』
責任をどう取るかはわからないが、ナナとはこのまま一緒に頑張って行くつもりだ
『ナナは俺の相棒だからな』
「ちょ、ちょっと!」
ナナの頭に手を置いて撫でると、顔を赤くして恥ずかしそうにしている
『そういえば、服は破けなかったんだな』
ナナが大きくなって服がそのままだったら破けると思うが、ナナに合わせて変化をしたらしかった
『じゃあコップには入れなさそうだから、こっちの容器で入るか』
「入れるなら入りたいけど…」
話をしている間にいい温度まで下がったお湯を使って、身体を拭いた。そして湯温の調整をしてから、ナナに入ってもらう
(う〜ん、ナナがこれ以上大きくなったら意識しちゃうかもな)
「聞こえてるわよ、エッチね」
心で思ったことは全て、ナナに聞こえているらしい
「本当に責任を、取ってもらうからね!」
『ああ、これからもよろしくな』
身体を拭いてスッキリしたら、急激に眠気がきた。ナナも欠伸をしているので、風呂は良かったらしい
『そうだ、明日こそ風呂を作るぞ』
明日は目が覚めたら、まずはヒフミとシゴロに会いに行く。絶対に風呂を作るぞと決めて、夢の中に沈んでいった




