国外追放
九十九無限 レベル 1/100 超大器晩成
HP 10/10
《主に生命力を示す、ただし走ったりなどの持久力にも影響するため、ある程度走ると疲れてHPが減り始める》
MP 0/0
《主に魔法を使うのに使用する、なお魔法のダメージや抵抗力はMPと力や体の数値によって変動する》
力 1
《主に与えるダメージ及び平常時の筋力に影響する》
体 1
《主に受けるダメージに影響する、持久力や様々な抵抗値に影響するので低いと病気にもかかりやすくなる》
速 1
《主に動作に影響する、動きが遅いと命中率も勿論落ちるだろう》
運 1
《基本的に生まれ持った運は変動しない、ただし変動する者もいる》
パッシブスキル 万能言語
《常時発動しているスキル》
アクティブスキル 0
《任意で発動出来るスキル、但し常時索敵などパッシブとして発動させることが出来るスキルも存在する》
『うわ〜憧れていた城下町だ〜、凄え〜』
「こら、ちゃんと歩け」
俺は今、正面に先程までいた城を捉えながら後ろ向きに引き摺られていた。城からはどんどん離れて行くが、視界の端には様々な建物が見えていた
(さすがにゲームや小説と違って、色々とリアルだな)
ゲームの世界に比べて、思ったより人が通る大通りは綺麗な方だが、路地裏などは汚い様に見える。倒れている人もいて、生きているのかどうかもわからない
城から近い区画は貴族の屋敷なのか綺麗で大きい家が多かったが、城から離れていくにつれて建造物の質も下がり治安も悪くなっていくように感じた
『あの〜そろそろいいですか?』
先程からずっと引き摺られているせいで、すれ違う通行人からは見世物かのように見られていた。
これから1人で生きていくとなると、まずは冒険者ギルドへの登録は必須だろう。先程から引き摺られながらも場所のチェックはしていたので、軽い依頼をこなして今日を生きる金を稼がないといけない
読んでいた小説のおかげでこういう事態にも対応出来るので、普段から知識を得ておくのは大切だなと思った
「なんだ?」
『そろそろ1人で大丈夫なので、ギルドの登録とかも早めにしたいし』
「お前は何を言ってるんだ」
『いやだから、日銭をですね』
俺の言いたいことを理解してないらしい、そろそろ1人で大丈夫だと伝えているのに一向に理解をしない
「お前は国外追放だ」
『はっ?』
そう言われた瞬間に放り投げられる、気がつくと城下町の門を通って外に出ていた
「この者は王の命令で国外追放だ、二度と入れるな」
「はっ!」
城の兵士に言われて門番をしていた兵士がこちらを見た、そして俺に向けて槍を構える
「これより此方側に来たらお前を刺す、わかったな」
兵士は槍で俺が起き上がった場所の手前に線を引いた、それより少しでも近づいたら終わりらしい
(うわ〜終わった〜)
ギルドの登録も出来ず依頼も受けられない、討伐云々もこのステータスでは出来るはずもないが、しても買取や報酬もない
(城下町はもう入れないとして…)
その反対側を見るが、俺の視界180度には木しか…いや森が広がっていた
「ちなみにその森はCランク以上のモンスターしかいないから、入ったら死ぬぞ」
まだ俺の近くにいた兵士が、優しさなのかギリギリ聞こえる声で言ってくれた
(優しくするならちゃんと優しくしてくれよ、でもありがとう気をつけるよ)
そう心で思った、この世界に来て初めて優しくされたからかもしれない
(持ち物なんてないしなぁ)
こちらに飛ばされた時に持っていたもの、ポケットには財布とスマートフォンだけで、最後に食べていたポテトの一本もあるはずはなかった
(これらももういらんよなぁ)
元の世界の思い出なので手放しはしないが、ほぼ戻れる可能性がない俺には不要な物かもと少し悩んだ
(そういえば今何時なのだろうか)
空を見上げると、これからもっと明るくなりますというかのように、太陽みたいな球体が昇っていた。俺達が飛ばされた時は夜だったので、城にいた時は緊張で感じなかったが、徐々に眠気が出てきた
(俺の異世界生活は初日で終わりかな)
気を抜いたら、一気に眠りに落ちたのだった