外の世界
「お〜い、起きなさ〜い」
『んん?』
「九十九、もう朝だよ」
『はっ!』
目を覚ますと、いつもとは違う景色が目に写る。腰や背中も、いつもとは違って痛い気がする
『そうか、昨日…』
昨日の夜に西門を出てから、スキルが切れるまで走り続けた。暗くてどこに行けばいいかわからなかったので、門で出て少し走ったところにあった木の下で寝た
『おはようナナ、魔物は出なかったんだ?』
「出てたら起こしてるわよ」
俺がスキルが切れて木の下で動けなくなった後、ナナは起きるまで見張っていてくれたようだ。昨日は暗くてわからなかったが、木の周りには高い草が生えていて上手く姿を隠してくれていた
「あんたが寝てる間に、馬車が走って行ったわよ」
『えっ、どこ?』
「そこ」
ナナに言われて生えている草をかき分けて見ると、100メートルほど先に道のようなものがある。それは俺が今いるところと違って、草は生えておらず何度も行き来されている様に見える
『街道ってやつかな、あっちが俺達が来たところだろうから』
「こっちに行けば、他のところに着くのかな?」
昨日まで俺が暮らしていた場所からも見えていた、街の外壁が見える。その反対側は先が見えないので、向かうなら暫く歩くことになりそうだ
「あ、九十九!」
『ん、あっ』
俺は遠くからも見えないように、少し下がり隠れた。街道と思われる道を、城の兵士と同じ格好の人が馬に乗り走っていた
『もしかして、俺を探しているのかな?』
「どうだろうね〜」
『マスさんやスージーさん達は大丈夫だろうか』
スージーさんは逃げる途中で、危険なのにわさわざパンを届けてくれた。マスは俺を逃がすために、門のところで囮になってくれた
「もっと飛べたら見に行けたのにね」
ナナは俺からある程度の距離しか離れられない、無制限だったらすぐに見に行ってもらいたいと思った
『こうなってしまったのは仕方ない…二人の無事を祈ろう』
「そうね、それでどうする?」
『周辺に魔物はいるのか?』
「見てくる!」
ナナは真上に飛び上がり、周辺を確認しに行った。俺は街道の反対側を見てみようと木の裏に行く、するとそこには、元の世界にいた時に憧れていた光景が広がっていた
『お〜、ゲームの世界みたいだ』
元の世界にいた頃にハマっていたゲームは、初期の街から出るとすぐに平原があり、そこでレベル上げをしていた
『ゲームと違って実際の広さだと、移動が大変そうだな』
自分が見ている土地はかなり広い、遠くに魔物のようなものも見える。そして街の方を見ると、広い範囲で森のようなものがあるので、あれが魔物の森なのだろう
「見てきたよ〜」
『おかえりナナ、どうだった?』
「少し遠くに魔物みたいなのは見えたかな、街のようなものは見えないけど、近くに水場があったよ」
ナナの話を聞くと、小さな川みたいなものがあるみたいだ。そこは街道とは反対側だが、水は確保しておきたい
(手持ちも少ないしな)
昨日スージーから受け取った袋を開くと、魔麦のパンといつものパンが5個ずつ入っていた。そこに水の入った筒が2本あり、それは水筒のように使えそうだった
『空でもいいからペットボトルが欲しいな、当たり前にあった物がないのは辛いな…』
「ペットボトル?」
『あ〜、なんでもないよ、行こう』
ペットボトルの説明をするのが面倒で、ナナには話さなかった。まずは水場を見に行こうと、ナナに案内してもらうことにした




