帰還
『あれ…?』
やっと身体が動くようになったので起き上がり、先程倒したホーンラビットを見た。仰向けになり空を見ていたのは10分ほどだろうか、その間にホーンラビットに変化が起きていた
『ナナ!』
「な〜に〜?」
俺の真上に飛び上がり周辺を見ていたナナが降りてくる、俺はナナにホーンラビットを見るように言った
「なにこれ?!」
『わからん、見たらこうなってたんだ…どうする?』
外壁に刺さったままのホーンラビットから霧のようなものが見えている、まるで何かが抜けていくようだった
「あ…」
『ま、マジか…』
触れたら何が起きるかわからないのでそのまま見ていた。するとホーンラビットの色や大きさが、いつもの個体と同じくらいに変わっていく
『ステータスもいつものホーンラビットだ』
集中して見ると鑑定が発動し、ホーンラビットのステータス画面が出てきた。だがそれはいつも倒しているものとほぼ変わらなかった
「絶対いつものとは違うホーンラビットだったよ!」
『俺もそう思うが…なんでだろうか』
暫く見ていたが、そのままホーンラビットから抜けていったものは戻ることはなかった
『とりあえず帰るか』
「そうね、一応倒せたし」
あの魔物に何が起きたのだろうか、また同じものがこの後に現れるかもしれないので、安全のために魔物の森から出ることにした
「お、九十九、大丈夫だったか?」
『はい、なんとか倒せました、けど…』
「それがそうなのか、聞いてたものとは違うな」
マスは俺が持っていた魔物を見ると、いつものと変わらないよなって顔をしている
『これ倒したら、何故かいつものホーンラビットに変わってしまったんです。倒すのに苦労したから俺もこいつも血塗れになりました』
俺が持っている魔物はいつもの綺麗な状態とは違い、何度も刺したせいで血塗れになり真っ赤になっていた
「詳しい話は後で聞くか、そろそろ休憩だから納品してくるよ」
『あ、お願いします』
マスに倒した魔物を預ける、それを見送ってから詰所に入った
『なぁナナ、どういうことなんだろうな』
「わからない、だけどあの変なもやが出ていく時にちょっと怖い感じがしたかな…」
『怖い感じ?俺はしなかったけど』
ナナは何かを感じ取っていたらしい、俺はただホーンラビットが変化していくのに驚くしか出来なかった
『また同じのが森に現れると思うか?』
「どうかしら、明日また見に行ってみる?」
『そうだな、明日確認しに行こう』
明日また一度森に入り確認をすることにした、もしいなければとりあえずは安心出来ると思う
『でも確実に強かったよな』
「木に刺さらなかったもんね」
俺とナナが戦った魔物は、間違いなく特別な個体だった。ただ今となっては、それを見せることは出来ない
『また見たいけど、戦いたくはないな』
「そうね、いつものホーンラビットの方が楽だしね」
今日は身体を休め、また明日魔物の森へ入ることにした




