魔物を倒す為に
「お、もう動けるのか?」
『なんとかですね、走ったりとかは厳しいですけど』
魔物の森から出てスキルが切れてすぐは、無防備と言えるレベルで身体が動かなかったが、時間が経つにつれて徐々に楽にはなった
(筋肉痛みたいな感じが残ってるな、今日はもう無理は出来ないな)
『マスさんお勤め中にすいません、ちょっと槍を見せてもらえませんか?』
「ん、これか?」
マスは手に持つ槍を見る、そこにあるのは木の棒の先に刃がついた物だった
「まぁこっちは魔物も出て来ないし、今は通行人もいないから構わないぞ、兄ちゃんには世話になってるしな」
今日のマスの相方の了承も得てから、槍を見せてもらう。城の兵士の物と違い、街の兵士の装備は安い物だと思っていたが、やはり武器も質が低いようだ
『この手で持つ木の部分だけって、買うことは出来ますか?』
「ここだけか?」
マスに両手を広げて、ここからここまでの部分だけが欲しいと伝える
『そうです、柄だけ欲しいのですが』
「槍が欲しいなら買って来るけど」
『マスさんが1人で何本も槍を買っていると、怪しまれるかなと思いまして…あと縛るのにロープと安いものでいいので、上の服を最低でも5セットは欲しいです』
「ふむ…何をするかわからないが、勤めが終わってからでいいなら買ってくるぞ」
『お願いします、待ってます』
マスと相方の門番へお辞儀をして詰所へと戻った。作業をするのは夜になるみたいなので、それまで寝ることにした
「おう、待たせたな」
『あ、ありがとうございます』
夜の鐘が鳴り、勤めが終わったのを確認しそこから暫く待つと、マスが頼んだ物を買って来てくれた
「さすがに5本は多いわな、柄だけでも何に使うのか聞かれたから、槍だったら怪しまれたかもな」
『すいません…お金は大丈夫ですか?』
「ああ、預かっている分はまだまだあるからな、気にしなくて大丈夫だ」
マスは腰に引っ掛けている袋をじゃらっと鳴らす、こちらは偽物で本当のお財布みたいなのは、胸元にポケットがありそこに入れている
「九十九が教えてくれたおかげで、お金をスられることが無くなったぜ」
『本当ですか?それは良かったです』
街の中には貧富の差があり、金の無い子供や大人でも、歩いている人からお金を盗むことがあるらしい
服の内側にポケットを作って入れるという方法を提案して、マスや他の人も試したらお金が盗まれなくなったらしい
「街の悪さを取り締まる人間がお金を取られてるんじゃ、恥ずかしいからな」
『ははは、確かに…』
マスと話ながら持って来てくれた物を確認する、これがあれば目当ての物が作れそうだった
「夕飯は置いておくな、何かやりたそうだからよ」
『あ、すいません、そうですね…暫く作業に入ると思います。ご飯は後で戴くので、置いておいて下さい』
「あいよ、また明日な」
『はい、ありがとうございました』
詰所を出るマスを見送ってから、俺は魔物を倒すために必要な物を作り始めた




