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スキル0

『ん、あれ?』


ステータスと格好良く唱えたつもりだったが反応がない、おかしいなと目の前のローブの男を見ると驚いた顔をしていた


(あれ、そんな凄いスキルだったのかな?もしかして2人目の英雄のスキル持ちだったとか)


その時は申し訳ないなと思いながら、自分のステータスの言葉で開いた画面を見てみる


『ん、あれ?なんだこれ』


俺のステータス画面のスキル欄には0とあるのが見える


「ぜろ、おー?」


赤みのかかった髪の子が俺のステータス画面を見て呟く、状況がわからないのかその場の全員が黙る


「お主は本当に勇者の1人なのか、なんだそのステータスは」


王様の横にいる鎧を着た男が言う、俺はそれを聞いてステータス全体を見た


九十九無限 レベル1 超大器晩成

HP 10

MP  0

力   1

体   1

速   1

運   1


パッシブスキル 万能言語


アクティブスキル 0


「産まれた赤子でもこんな酷くないぞ、しかも勇者様達が持っている鑑定でさえも持っていない…万能言語は異世界から来たものは皆持っていると聞いた」


『つまり…』


「つまり」


静かだった周りが徐々にざわつく、皆何かが口から出そうだった


「無能ってこと?」


赤みのかかった髪の女の子が言うと、一斉に周りが騒ぎ出した


「どういうことだ、勇者は4人はいるはずだ」


「おお女神よどういうことなのだ、私達がいったい何をしたというのだ」


「さすがにスキルがおーはないよね?0もぜろでもおかしいし」


「本当に何もないのか…?」


『はっ』


あまりにも言われたことが受け入れられずに一瞬意識が飛んでいた、だが何度見ても俺のステータスは変わりはなかった


(てか産まれたての赤子ってなんだよ)


言われたことが理解出来ずに、近くにいた金髪の男のステータスを見る


鈴木一郎 レベル1 超早熟

HP 60

MP 30

力  30

体  25

速  25

運  33


パッシブスキル 万能言語 鑑定


アクティブスキル 英雄


(なんだこれ…)


俺とはレベルとかそういう次元の話ではなかった、他の2人も同じように初期のステータスは高い


佐藤二子 レベル1 大器晩成

HP 20

MP 40

力  10

体  15

速  15

運  60


パッシブスキル 万能言語 鑑定


アクティブスキル 治療


山田三絵 レベル1 普通

HP 30

MP 50

力  10

体  15

速  15

運  40


パッシブスキル 万能言語 鑑定


アクティブスキル 魔術


(まじかよ…)


俺と3人との違いに、驚くを通り越して終わったと思った。せっかくの異世界だ、なんだかんだいいながら仲間と共に魔王を倒す、それを夢見ていたのに…


「足でまといだな」


「いや、勇者様達の足を引っ張るかもしれない」


「勇者様達が魔王を倒すことに命を賭けるのに、あの男はのほほんと城で遊んで暮らすのか?」


(え、ちょっと待ってくれよ)


ボソボソと周りから声が聞こえてくる、一緒に来た他の3人もどうしていいかわからず気まずそうにしていた


「あ、そういえば」


「どうした三絵」


赤みのかかった髪の、先程ステータスで見た三絵という名前の子が、何かを思いだしたかのように声を出す


「四季がいないね」


「あ〜!」


「あ、たしかに」


『し、四季?』


「うん私達の幼馴染、私達4人は幼馴染でね、ここに来る前は4人でご飯食べてたの、それで四季がトイレに行ってる間にここに来ちゃって…」


「それだ」


「それじゃ!」


「そうだ四季だ、忘れてた」


黒髪の二子という名前の子が頭を抱える、何故今まで忘れていたのだろうとその場にへたり込む


「あいつ影薄いからなぁ」


(いやいや影薄くても存在は忘れるなよ)


金髪の一郎も忘れてたって様子で髪をかいていた、3人共忘れていたようでショックを受けている


「話を戻すのだが、君達にはもう1人仲間がいたということだね」


「そうです、もう1人幼馴染がいました」


鎧を着た男が尋ねると、三絵がすぐに返事を返した


「そうなると…」


その場の全員がこちらを見てきた、俺は期待をすることはもう諦めている


「その男は何かの間違いということか」


「王よどうしますか、勇者でない者を城には置いておけませんぞ!」


周りの様子と話から俺が巻き込まれただけなのはわかった、だがこの状況で1人にされても生きていける自信がない


『ちょ、ちょっと話を聞いてくれ、いや下さい』


「その者を追放する、連れて行け」


「はっ!」


命じられて鎧を着た兵士に両側から固められる、いや抵抗しても全く反応しない


(これがステータスのせいなのかよ、こちらの世界に来る前の方がステータスも良かったんじゃないのか…)


こうして俺はこの異世界を、1人で生きていくことが決まったのだった


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