表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

25/66

その件は、突然に

『あれ?それなら見たような』


「はっ!?痛てぇ!」


マスは手に持っていた木剣を足に落とした。俺の言葉に反応していたので、まるで握力が無くなるくらい驚いたようだった








「朝だぞ〜、起きろ〜」


次の日の朝、マスが朝食を持って起こしに来た。昨日の余りで買ったと、フライングポークという魔物の肉の丼ぶり飯を2人分買ってきた


『飛べない豚はただの豚だけど、飛べる豚は…』


「フライングポークだぞ」


『あ、はい』


俺がいた世界の、とあるアニメを思い出した


『あ、美味い』


「こいつは羽根が生えた柔らかい身体の豚でな、高いところから着地すると、振動で身体の肉がぶるぶるするんだ」


『お〜』


「それを何度も繰り返すことによって肉質が変わるんだよ、切ったら中身であからさまに質がわかるから、良い肉は値段も高くなるんだ」


食べ物ではなく、そうやって本体の肉質に影響を与えるのは面白いと思った。ただ飛ぶのにも条件があり、飛ぶから捕獲も難しいので値段もそこそこするそうだ


「今日はまた森に入るのか?」


『いや今日はあなたが休みなので、色々と教わりたいです』


昨日の報酬で暫く余裕だとわかったので、今日は無理はしない。ちなみに昨日の一匹では、もうレベルは上がらなくなっていた


「よし、今日は俺と模擬戦闘をしてみるか」


『無理です、死にます』


「いやいや、手を抜いてくれればいいからよ」


(死ぬのは俺なんですけど…)


元冒険者と聞いていたので、マスはそれなりにやれるのだろうと思っていた


(う〜ん…)


マスに集中すると、ステータスが見えてきた


マス レベル 30/99 普通

HP  80/80

MP  20/20

力    30

体    25

速    70

運    50


パッシブスキル

レンジャー 回避率が上昇する

アクティブスキル

忍び足 気配消して近づく事が出来る

身体強化LV2 一時的に力と体と速を10上昇させる


(ナイフを持っていたからそうかなと思っていたが)


それだけではなく身のこなしにも雰囲気が出ていた


(このステータスだと、たしかにホーンラビットはきついか)


Dランクの魔物のステータスは見たことがないのでわからないが、圧倒的に俺よりは強いのはわかった。そもそも俺のステータスが低すぎるのだが…


「まぁまぁ、そう言うなって」


『っ!?』


少し目を逸らしているうちに、マスは俺の後ろに立っていた。これが忍び足なのかもしれない


(身体強化とかもあるのか、俺のは似てるが尖り過ぎなんだよなぁ)


1時間に1回だけ、1つのステータスが10倍になるようなものだった。最初はチートかと思ったが、反動などもあるし使い勝手が難しいと感じている


『そういえばマスさんって結婚とか家族は?』


振り向いてマスに尋ねる、マスは俺の質問に複雑な顔をしていた


「俺達の街ってよ、生まれたら冒険者や商人になったりして外に出なければ、死ぬまでずっと街で暮らすわけよ」


『はい』


マスは冒険者になり、旅に出たと言っていた


「街の兵士とかはさ、あのおっさんもそうだが小さい時に許婚じゃないけど、将来の相手を親が探して来るんだよな」


『あ〜、それでそのまま結婚をすると』


「だいたいはそうだな、たまに命を落とすやつもいるけど…」


マスは空を向いて黙っていた、マスにもそういう相手がいたのだろうか










「危ねえ、木剣じゃなかったら足に刺さっていたぞ」


マスは足に木剣が落ちて当たり、その場で膝を付いていた


『すいません、大丈夫ですか?』


「いやすまん、九十九さっきの話は本当か?」


『ええ、魔物の森に初めて入ってすぐに骨の死体があって、マスさんの言ってたバンダナのような布が引っかかってましたね』


「その場所はわかるか?」


マスは初めてみる真剣な目で俺を見ていた、先程大切な人の仇みたいな話をしていたのでそのせいだろう


『え、どうですかね?』


(ナナはわかるかな?)


「わかるわよ」


そう心で思うと、ナナが飛び出して来た


「ついてきなさい」


『え、大丈夫なのか?』


「九十九どうした、大丈夫って」


(あ、そうか見えてないのか)


ナナの姿は俺以外には見えない、大丈夫だからと索敵をナナにお願いしてマスと魔物の森へ入った








「本当だ…」


俺が初めて魔物の森に入った時に、踏みそうになった死体には縁があったらしい


「これで、あいつも」


『良かったですね』


詳しくはわからないが、マスや知り合いの人の探していたものらしい。本人達も聞いた話でしかないらしいので、この死体が本当にそれなのかはわからない


(でもそういうのって大事だよな)


マスやその人にとって心に決着をつけるためにも、必要だったのだと思う


『戻りましょうか』


「ああ、すまない」


涙を流すマスと共に、元来た道を戻り外に出た


(ナナ、ありがとうな)


「いいえ〜」


ナナに御礼を言っていると、門の方に人が待っているのが見えた


「スージー!」


「もうマスったらどこに行っていたの、きゃっ」


マスは森を出てすぐに門の方へ走り、女性を抱きしめていた


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ