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皆のために

「お、まだ寝てるのか」


『え、うぁっ』


マスの声が聞こえて起こされた、朝の鐘の音は建物の中にいたせいか気がつけなかったようだ


「ほら、朝飯持ってきたから食べてくれ」


「おう兄ちゃん、昨日はご馳走になったな」


『あ…はい、おはようございます』


マスだけかと思ったが、後ろに髭を生やしたおじさんがいた。昨日マスと門の番をしていた人のようだ


「おかげさまで久しぶりに贅沢が出来たぜ、母ちゃんも喜んでいたからなありがとよ」


(母ちゃん…奥さんのことかな?)


俺に御礼を言うとその人は出て行った、マスは手に持っていた朝食をテーブルに置くと詰所から出て行こうとする


「あの人だけじゃない、他の皆も九十九には御礼を言いたいと言っていた。だから無理はするなよ」


『わかりました』


「おう、また昼にな」


今のところ昼に鐘は鳴らないが、お腹が空いたら昼にするのだろうか。俺はマスが持ってきた朝食を手に取り、口へと運んだ


(サンドイッチみたいなものかな)


少し食べてから見てみると、パンを水平に切って間にレタスと卵を焼いて目玉焼きみたくしたものと肉が、上下からパンで挟んである


『う〜ん、このパンの部分がもう少し柔らかくなればなぁ』


安い分その材料となるものは量産されているのだろう、可能ならその部分だけにも変化を与えたいと思った


(まぁ魔物を倒して、小麦粉がドロップしますとかはないだろうしな)


いつかマス達のために、もっと良い物を見つけてあげたいと思う


『さてちょっと確認しようかな、ナナ』


「ん〜?な〜に〜?」


ナナを呼ぶと自動的にステータス画面が開き出てくる、俺はそれを朝食を食べながら眺めた


九十九無限 レベル 4/100  超大器晩成


HP 30/30 [+5]


MP  0/0


力   9 [+5]


体   9 [+5]


速   9 [+5]


運   9 [+5]


『1しか上がってないか』


「そんな簡単ではないんじゃない?それでもあんたにとっては大きいでしょ」


『まぁたしかにな』


俺のスキルによって一部の能力は10倍になる、80が90になるのは、今の上昇の具合から見ても10増えるようなものではある


『今日はどうするかな』


「とりあえず1匹いっとく?」


ナナは楽しそうに言っている。俺も命懸けなので簡単なことではないのだが、ナナは今日もやる気みたいだ


『昼までに1匹くらいなら…』


「いいね!」


マス達の昼ご飯までに倒せれば、昨日と同じ流れに出来るだろう


『少し準備運動してからな』


「わかった!」


食事が終わり水を飲み干すと、椅子から立ち詰所から出る


『う〜ん、今日も快晴だな』


身体を動かしながら、雲一つない空を眺めた












『ふぅ、倒せたな』


「楽勝ね!」


ナナは簡単そうに言うが、今日もギリギリで避けてなんとか狩ることが出来た


『なぁナナ』


「ん、な〜に〜?」


『俺達はホーンラビットしか見てないけどさ、この森って他にも魔物がいるんだよな?』


「いると思うけど、少し奥を見に行く?」


『ちょっとだけ気になるかな』


魔物の森に入ってすぐの場所で狩りをしているせいか、ホーンラビット以外を見たことがなかった。なのでホーンラビット以外の、Cランク以上の魔物を見てみたかったってのもある


『スキルは使えないからな、ちょっとだけ』


「わかった、気をつけて見るわね」


ホーンラビットを狩っても、少しの間は大丈夫そうだ。新しい魔物が来る前に森の外へ出ようと思う


「いざ!」


『ちょっとだけ、本当にちょっとだけな』


気合の入ったナナを見て不安になったが、俺は少しわくわくしながらナナを追いかけた


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