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初日の終わり

「すまんすまん、待たせたな」


『いえ…その荷物は?』


「おおこれか?」


マスがテーブルの上に物を置いていく、最初はやけに大きい袋を持っていたが、中身はそこまで詰まってはいなかった


「この時間だとどこも閉まっててな、顔の利くところにお願いして開けてもらったから時間がかかってしまった。まずは明日の食料だな」


マスはわざわざ俺のために、開いてる店を探して買ってきてくれたみたいだ。テーブルの上に置かれたパンのようなものは、先程食べた物と同じみたいだった


「さすがにホーンラビットを挟んだものはもうなかったから、余り物のパンを譲ってもらった。あとこれだな」


パンとは別に竹のような細い筒に入ったものがある、先に付いている栓を抜けば中身が出てくるようだ


「スライムゼリーだ、味はないがお腹に溜まるから空腹の時は入れるといいぞ」


魔物としてのスライムはいるらしい、その核を破壊すると稀にスライムゼリーを落とすそうだ


「そしてこれ、その血のついた服では辛いだろ」


マスが置いたものは暗くて見にくいが、大きめのサイズで、間違いなく俺が着れる服だった。素材は薄めだが血塗れらしい今着ている服よりはマシなのかもしれない


「それと胸当てだな、ホーンラビットの突進はさすがに防げないと思うがないよりはマシだろう」


先程の服の上にポンッと置かれた、とりあえずはこれでしのげということらしい


「最後に荷物を入れてきた袋だな、これは寝袋代わりに使ってくれ、あと詰所の外に藁があるからそれを敷いてもいいぞ」


『ありがとうございます』


「時間がなかったからこれくらいだが、また明日の夜に勤めが終わったら買いに行くよ」


『お金は持ってても仕方ないので、預かってて下さい』


「わかった、明日暗くなり始めた後に鐘がなったら俺の勤めは終わりだ、その後に声をかけてくれ」


『ありがとうございました』


マスの買ってきてくれたものを一度袋にしまってから詰所の外に出た、先程言っていた通り藁が横にあったのでそれも抱えた


「街の中に入れてあげれなくてすまないな、また明日生きて会おう」


お辞儀をすると、マスは俺の前から去って行った。俺は魔物の森には近づきたくないので、なるべく門に近い城壁寄りに荷物を置いて中身を出した


『さて、なんとか明日の夜まで生きるか』


食べ物はマスからもらった服で包んでおいた、今着てる服よりかは衛生面ではマシだろう。胸当ての上にそれを置いてから、藁を敷いた上に乗り袋に入った


(何かの獣の皮かな)


牛くらいの大きさはあるのだろうか、若干獣臭のする袋に入ると何も無いよりは温かかった


『今って季節的にはどうなんだろう』


夏の暑さも冬の寒さもない、なんとか外で寝ても大丈夫な気温だった


『そういうのもマスに聞かないとかな』


明日は魔物のこと、貨幣の価値など聞きたいことは沢山ある


「もう寝るの?」


そろそろ慣れてきたが、ナナがステータス画面を出して外に出てくる


『さすがに安心したから眠いよ、魔物って森から出てくるのかな?』


一応魔物の森とは距離を取ったが、寝ている間に襲われたらひとたまりもない


「私の知ってる知識でしかないんだけど、魔物は森からは出て来ないわ、絶対ではないんだけどね」


『ナナの知識か』


「女神様の力でこの世界のことは少しはわかるわよ、あなたが知りたいことも聞かれたら答えられるかもね」


ナナにもわからない時は聞くとして、明日はまずはマスから聞こうと思う


『それで森から出ない根拠は?』


先程ナナが森から出ないと言った、それには理由があるはずだ


「とりあえずだけど、この森には縄張り意識が強い魔物が多いみたいなの」


『なるほど』


「ちょっとそれを利用すれば、ホーンラビットに限ってはもっと簡単に倒せるかもしれないわ」


『う〜ん…』


自分のステータスを確認する、スキルがあるとしても一度だけでもホーンラビットを倒せたのは奇跡だと思っている


「起きたらちょっとだけ試してみようよ」


『そのちょっとが命懸けなんだけどな、ふぁぁぁ…』


ナナと話をしていたら限界を迎えた、そして俺はそのまま意識を失ったのだった

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