見知らぬ天井
『ん…』
「お?起きたか」
『知らない天井だ』
意識が覚醒し目を開けると俺は仰向けに寝ていた。知らない天井というかほぼ真っ暗に近く、天井も暗くて染みや傷を数えることも出来ない
『暗いな』
「ああ、俺と仲間が倒れているのを見つけてここに運んでから、暫く意識が戻らなかったからな、先程夜の番と交代して今日のお勤めは終わってしまったよ」
(背中が痛いな)
小さな明かりを頼りに身体を起こすと、背中には藁が敷いてありその上に寝かされていたのがわかった
「怪我はなかったみたいだが、起きれるのは大丈夫ってことだな」
ランプの光だろうか、暗い部屋の声をする方を見ると、昼にナイフをくれた兵士が椅子に座り、こちらを見ていた
『ここは?』
「ここは俺達の詰所だ、残念ながら街の外にあるけどな」
月明かりの入る出入り口の方を見ると、遠くに森のような木々が見えた
「森に入って暫くして、血塗れになって飛び出して来たから驚いたぞ。返り血だったみたいだから安心したけどな」
「助けてくれたのですね、ありがとうございます」
目の前の兵士に頭を下げた、もしかしたら助けてもらえなければ、意識を失った後に魔物に襲われていたかもしれない
「生きてて良かったよ、俺はマスだ、名前を教えてもらえるかな?」
『イ…いやつくも、九十九です』
「そうか九十九か、俺のナイフが役に立ったみたいだな」
その言葉にナイフをしまっていた腰に触れたが、そこにはナイフどころかレザーのケースもなかった
「ああ今返すよ、血を拭って少し研いでおいた、使ってくれて嬉しいよ」
『ありがとうございます、本当にこのナイフのおかげで生きられました』
ナイフを両手で受け取り胸に抱えた、これがなければ魔物なんて倒せるわけはなかった
「それで悪いんだけどな、持っていた魔物がズタズタで血抜きはある意味されていたのだが、腐ったら困るからギルドの解体へ預けてしまったんだ」
『あ、そうなのですか』
「勝手なことをしてすまないな、ちゃんと討伐報酬は渡すから」
『いや、もらったナイフのおかげだったので好きにしてください』
街にも入れずギルドへの登録も出来ない俺では、魔物の討伐報酬をもらっても使い道はなかった
「まぁまぁそんなこと言うなよ、少し待ってな」
そう言ってマスという兵士は詰所から出て行った、俺は何かを忘れているなと周りを見るが暗くて何も見えない
「も〜、私のこと忘れないでよ!」
『あ、そうだナナだ』
急に目の前に俺のステータス画面が現れた、そこから緑色の妖精が出てくるが、光って周りを照らすわけでもなく存在だけが見えるだけだった
『俺が意識を失っていたからナナも消えていたのか?』
先程目覚めてから暫くナナは出てこなかった
「私の姿は他の人に見えてないみたいだから、暇だったし休憩してただけよ」
『休憩かいっ!』
マイペースな妖精だなと思いつつ、またその姿を見れたのが嬉しくなった
「それよりも、これを見なさい!」
ナナが俺のステータス画面を指す、暗くてもそこは普通に見えるらしい
九十九無限 レベル 3/100 超大器晩成
HP 25/25 [+5]
MP 0/0
力 8 [+5]
体 8 [+5]
速 8 [+5]
運 8 [+5]
パッシブスキル
万能言語 全ての種族の言語を解析し会話が可能になる
万能鑑定 任意の対象物を鑑定する
女神の祝福LV1 全ステータスに補正がかかる、レベルが上がると補正がより強化される、女神の祝福により案内者がサポートしてくれるようになる
アクティブスキル
0 付与と融合
『おお、ん…おお?』
ステータス画面を開くとレベルが上がっていた、そのことに喜びたかったが、ステータスの上昇が低くてあまり喜べなかった
『弱えぇ…』
「超大器晩成だからかしらね、生きてればいつか花が咲くわよ」
大輪の花が咲くということだろうか、それまで生きていられる自信があまりにもなかった
『そういえばスキル!あれはなんなんだ?ステータスにも説明がないし…』
「あ〜あれね、あ、ちょっと人が来たから消えるわよ」
そう言ってナナは、また俺のステータスの画面へ飛び込んだ




