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6話

何時も泣いていたあの子は随分と大きくなった。

あの子はに僕が見えていた。それが当たり前だった。

自分しか見えていないと、思わなかったのだろう。

幼稚園で先生に言ったあの子。先生の反応は子供の戯言だろうと、外れた答えが返ってきた。

違う!と叫んだら、先生も困ったようにそれ以上言わない。

その日初めてあの子は自分が少し常識と外れていると、幼い心で理解した。

幼稚園時代はまだ良かった。何を言っても大人には幼児の作り話か勘違いくらいに思われていたからか、大して何も言われなかった。同い年の子達も思想力が浅いので、交流関係には何の支障もなかったね。

小学生になったあの子は、クラスで『嘘つき』と言われ、泣きながら帰ってきていたね。

あの時は「ごめんね」としか言えなくて、何もしてあげられない自分が嫌だった。

それから六年間、特に低学年の時は泣いていたね。その泣き顔が見たくなくて、僕は何時もマジックを披露していた。披露すればあの子は笑ってくれるからね。

「ねぇ、陽茉莉ちゃん。君は今、幸せ?」

スヤスヤと気持ち良さそうに眠っている陽茉莉ちゃんに問いかける。

だから記憶を閉じ込めた。

思い出さないように、僕のことを思い出さないように、君を悲しませたくないから。

しまいには「のあさん、ないてごめんね。もうだいじょうぶ!」って、僕に心配かけないように笑っていたっけ。

ずっと、君の傍にいたんだよ。

ありがとう。

もう、思い出さなくて良いから、今はまだ、あの時みたいに僕のマジックで笑顔になって傍にいさせて。

だって、僕のマジックは君を笑顔にする為の手段だったからね。

「おやすみ、陽茉莉ちゃん」

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