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第26話 シズカ合流



「本日より、お世話になります」


 シズカは日本式のお辞儀をすると大きな荷物を下ろして目を輝かせた。


「よろしく、シズカさん」


「あの、ダヴィド様。シズカとお呼び捨てください。私は身分の低い忍ですし、お世話になる身ですから」


「シズカ、よろしく」


「はい、ダヴィド様。お力になれることがあればなんでもさせてください。その……なんでも」


 なんだか様子がおかしいが、シズカは非常に頼りになりそうだ。

 このゲームにおいて「忍」というのは結構ステータスの伸び代が高い上に、器用さがずば抜けているのでこれから領地を開拓していくうえで色々と世話になるかもしれない。


 何より……


「さっそくだが、聞きたいことがあってな」


「どうかなさいましたか?」


「あぁ、味噌汁とか作れたりするか?」


「はい、作れますが……」


「俺は忍の国の料理が好きでな。手が空いているときにローミアに教えてあげてくれないか?」


 俺の後ろにいたローミアがひょっこりを顔を出して微笑む。シズカはきょとんとしていたが「承知しました」と快く了承してくれた。

 ローミアはかなり勉強熱心で、最近はレシピブックなるものを作成しているようで、かなり熱心だ。体調の様子をみつつ……なんて思っていたけれど、俺やシュカの心配をよそに彼女はずいぶんと元気になっていた。


「そうだ。シズカさん、よかったらダゴアダヴィド教に入りませんか?」


 こちらユフィーもいつも通りだ。俺に関わる人みんなに入信を進めるのでちょっと恥ずかしい。しかも、彼女は俺よりも「ハーレムを作る」という目標に熱心なのだ。まさか、聖女様と手を組んでまで……とは思わなかったが。


「入信……」


 困惑気味に首をかしげたシズカ、俺は


「ユフィー、シズカの国には八百万の神様がいると言われていてな。こういう教団には属さない人が多いんだよ」


「残念。シズカさんにも子孫を増やすための1人になって欲しかったのに。だって忍の国の人って優秀な人が多いでしょう? だからねっ」


 ユフィーの下世話な話にシズカは困惑しつつも顔を赤らめる。まんざらでもないといった雰囲気で、俺を見つめる。

 日本人設定とはいえかなり顔の整っている彼女はユフィーやクルネに比べると華奢でほっそりとしている。

 なんだか、クラス1番の美女とかを思い出すような感じだ。


「シュカ、シズカを部屋に案内よろしく」


「はいはい、シズカさん。こちらへ」


 シュカはシズカの荷物をひょいと持ち上げると2階へと上がっていく。新しい仲間……。シズカは主人公パーティーの一員になる人だし本当は嫌だったけれど、流れで断れなかったな。


「ふふふ、これで忍の国にも教祖様の血が残せますね。ふふふ」


「ユフィー」


 悪い顔をしてニヤニヤするユフィーに俺が呆れた顔を向けると、ユフィーはきょとんと首をかしげる。推し様は今日も可愛いが、どうもこのユフィーの「教祖様の子孫を残す」ムーブはいただけない。


 俺もハーレムができるのは嬉しいし、そりゃ落ち着いたら……とは考えるもののこう、なんというか目的みたいに言われると非常に萎えてしまうのだ。


「なんですか? 教祖様、忍は良いと聞きます。身体能力も魔法力も。ふふふ、これで我が教団は将来安定! ゆくゆくは国教に……」


「ユフィー、シズカの気持ちも大事だろう? 変なこと言うのはやめなさい」


 俺の言葉にユフィーは「でも」と反論をしようとしたが俺が遮って言葉をつづける。


「いいか、確かに子孫を残すのは我が教団にとってとても重要なことだ。けれど、それに至る行為には……【愛】がないとダメだ。なぜなら、我が教団は慈善活動を行う団体。つまりは誰しもに強制や強要はすべきでないからだ」


 高校中退なりに良いことを言えたような気がした。本心をいえば「子供ができる」ということが死亡フラグの一つになりかねないから避けたいというものだが。


「もうすぐ子供が生まれるんだ」

「妻と子供が待っているんだ」


 と言ったやつは大体死ぬ。ほぼ死ぬ。

 ハーレムともなればその確率が妻が多いだけ膨れ上がるとなれば……俺は確実に死ぬじゃないか!


「愛……ですか」


 ユフィーは何やら考えながら部屋へと戻っていった。




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