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情報過多の荷物持ちさん、追放される  作者: エム・エタール⁂
魔族さん、追放される(魔国戦記編)
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38話


 僕たちは三人で歩き出した、のだが、

 重大な問題が発覚した、


「オー、あ、蛾だ、」

「ちょ、お腹壊すのじゃぞ!?」

「焼けばいけるよ、」

「だよなー、おーパ、く、?」ドタムンッ⁉︎


 跳ねた、揺れた、凄い音した。

 こいつ、動くたびにものすごい見せつけてくるのだ、僕にとって害を。


 しかも定期的に、


「おっと、大丈夫かの、」

「アー、すまん、足元がなー、」


 よく転ける、その度に僕とは明らかに違う音がする。

 僕があんな風に前から地面に叩きつけられたら、


 何だよ、流石に地面の方にヒビ入ったりはしないよ!


「足元、見えなくてナー、」

「ああ、確かにじゃのー、」

「ウガーー!?!?」


 何だそれ、都市伝説じゃないのか!?!?


 嘘だ、僕は自分の目で見るまで信じないぞ!!


「ハァ、ハァ、なあそろそろ疲れねえ?」

「我は全然じゃぞ、」

「オー、さすがドラゴンさま、」

「僕は別の意味で疲れたよ」


 しっかし進むの遅いな。

 ま、旅なんて本来こんなものか?

 いつもみたいに収納空間使ってもいいんだけど、


 その場合、レコウに二人で乗ることになるのか。

 それは。レコウも嫌がるかもだしね。


「……ほら、荷物くらいは持ってあげるから。もうちょっと頑張ろ?」

「エ。いや、それは、さすがに、」

「ま、一番重たい荷物は渡せんからの、」

「ウガーーー!!」


 くそう、僕も一度くらいは持ってみたい。

 いや、まだ、可能性が無いわけじゃないんだからね!!


「……そういや、オマエらは荷物ねえけど、どうしてんの?」

「そうじゃのー、まあ我一人なら現地調達でも問題ないが、」


 そういう君も、ほとんど荷物ないけどね。

 さっきみたいに、その場その場でなんか食べたりしてんのか。


 ……蛾は、流石に僕も直でいったらお腹壊すな。


「……あー、ほら、余り物ならあるけど、食べる?」

「あ、どうも。……ってうお!? どっから出した!?!?」


 今食材は、小金も入ったからいっぱいあるんだよね。

 あんまり持ってきすぎるとレリアに迷惑かなって思ったけど、どうせ消費期限のやつは僕じゃないと保存できないし。

 上の奴らは無駄に溜め込みすぎなんだよ、どうせ食い切れなくて捨てるだろうに、


 と、それより君も、なにそんなに驚いてるのさ。

 僕たちがここから出てきたとこ、見てたでしょ??


「いや、そっちの、ドラゴンさまがやってたのかと思ってよ。オマエがやってたのか?!」

「そうだよ? この子にこんな高度なことできるわけないじゃん、」

「まったくじゃ!」


 何で得意気なんだこのドラゴン様。


「レコウじゃ!」

「アー、レコウ、?」


 あ。呼び捨て?


「エ、エ、え?! レコウ、サマ??」

「むふー? じゃあ、レコウちゃんって呼ぶのじゃ!」


 ……それもなんか、やじゃない?

 レコウ??


「レコウ……、サン?」

「んふふー、それでいいかのー? セシィ〜?」

「何で僕に聞くの?」


 ま、ドラゴン様なんて呼ばれるよりは、似合ってるんじゃない??


「アー、なるほどなー。そっちの方か、合わせた方が良かっのカ」

「なにが?」

「イヤァ? それよりオマエ、セシィって呼ばれてんの⁇」


 おん?

 まあ、君を含めてまだ、五人くらいにしか呼ばれてなきけどね。

 そのうちの一人にアレンがいるなんて感激!! ……あー、でも、メガネにくらいは教えてきても良かったか?


「ふーん。なぁなぁ、自分で付けたのか?」

「いや、僕の名前は……。まあ、セシィっていうのは、レコウがつけてくれたよ、」

「……ほーん。イイナー、」


 なんだこいつ、


 何で、不機嫌? 読みづらいな、

 レコウ、名前、ドラゴン様……、は!


 こいつ、まさか、レコウのこと狙って!?

 くそっ、これだからオスは、いや別にオスだから嫌いってことはないけどさ、


 ふーん、そうなんだー。


「なあ、オレにも名前、付けてくれよ、」

「おう、いいだろう、僕が付けてやるよ、」

「オ、ア。カッコいいの頼むぜー」


 そうだな、これ以上変な勘違いされないように、めちゃくちゃ男好みでカッコいいやつ考えてやるよ。


「……うん。よろしくナ、」


 ……とは言ったものの、僕が一から考えるなんて、苦手だ。

 組み立てるのは得意なんだけど、作り出すのはね、機会がなかったから。


 そうだ、こんな時こそ、男心の夢を思い出せ! 中ニとかいう素敵な機会があるらしいじゃないか!!

 なぜか、これ、思い出し辛いけど。


 えっとー、彼の特徴はー?


 魔族、性格は反抗的、全体的に黒め、

 外見は、……うーん、内面。りょーせー、ゆー……、天? いや底、


 いやぁ、あ、なんか、思いついちゃった。


「……シファ、とか、どう?」

「オ? どういう感じだ?」

「うん。絶対への叛逆者って、感じだよ」

「いいねえ! カッコいー!!」


 ……うん。夢が悪いよ、僕のせいじゃないもん。


「アハハ、オレ、オマエに名前貰って、すっごくイイ気持ちだぜ、⁉︎」

「うん、なら、光栄だよー?」


 本当の理由は、黙っておコー。


「ハハハ、いや、こんな愉快な気分は、初めてだ」

「そう? ま、気持ちはわかるよ」

「……マジでー? アー、いや、なんでもねーや」


 さて、無駄に頭を使ったな。

 レコウー? こいつ名前決まったよー、


「なるほどなるほど、これは、あやつに知らせたら面白いことになるかもの、」

「どしたの?」

「いや、土産話ができただけじゃ! 次はいつ行くかはわからんがの!!」


 ふーん、誰だろ、多分レリアにかな?

 ま? 確かにこの戦闘力は、同じ仲間で家族として警戒すべきと、共有してあげるか。


「それじゃ、そろそろ行ける?」

「ん、おお! ……アー、まあ、いちおーハー?」

「……やはり、我以外は軟弱じゃの、」

「僕までまとめて言わないでよ、」


 まだまだ、体力には余裕があるよ。

 おそらくは今日中に村とやらまで行けるはず。

 ここら辺たまに人が、魔族が、いやもう面倒くさいか人が来てる痕跡あるし、


「……チッ、しょうがねーなー? 乗れ! セシィ‼︎」

「あ??」


 いや、君、その体幹で、

 僕が軽いと言っても、あ? だれが軽いだ!? 重そーなもんぶら下げやがって、


「エ、セシィ、サン?」

「いや、別に僕はいいよ。それより、なに乗れって、」

「あ、よかった。……オオ! 見てろ、このオレサマの力を!」

「ア??」

「ぇ〜、なんでぇー??」


 いかんいかん、ただの一人称だ。

 でも考えちゃう、やめてね、


「よくわかんねーけど、見ろ! このオレの魔法を!! 『反抗の翼!』」


 お、何だ、魔法、羽、皮膜、悪魔?


「お、いつか見た、コウモリっぽい羽じゃの」

「わざわざ、魔法で生やしたの?」

「いや、これは、伸ばしてるだけだゼ! 普段は、邪魔だからって、切ったんだ」


 そう。どうだったっけ。

 ……あ、よく見ると、ツノもあったんだね。

 だいぶ短かったからわかんなかったよ、メートちゃんのより小さいね。


「誰がタンショウだ!?」

「えー、なにそのキレかた??」

「セシィも普段こんなんじゃぞ、」


 うっそー、やだー、


「それで、なに、飛べんの??」

「マー、一応? ……あんま、自由にはいけねえけド」

「なら早く移動できそうだね」


 せっかくだ、みんなで翔としよう。

 レコウー、乗せてー、


「……ア、」

「……あー、あんまりじゃ、」

「なにが?」


 あんな危ないもん乗れるわけないじゃん??


 それに、この状態のレコウの背中がどうなってるかって、気になってたんだよねー。


「……そう気を落とすなじゃ。あー、少女??」

「少年っス、まだ気持ちは、マダ、」

「……シファ、じゃったかの。ほら、我も、人一人乗せてたら、途中で疲れてしまうかもしれんからの、」

「レコウさん!」


 なにやってんだこいつら。

 もしそうなったら、僕がレコウを運ぶよ、

 君にわざわざ頼むわけないだろ?


「というか、レコウがこの程度の距離で疲れるわけないでしょ。この星一周したって大丈夫そうなんだから、」

「いや、あー、そんなこと、ないかもじゃよー??」


 ……どっちにしろ近くの村までなら、絶対問題ないでしょ。

 なら、さっさと行こう。


「ウー、グスン。っアベ!? イタッ!?」

「うお、また胸からいったのー、飛んでる時もダメなのか??」

「ほら、だから言ったでしょ、」


 これで僕まで乗せてたら大事故だよ。


 あー、ほら、怪我したの? もー、


 どれどれ、うん、対して深くないね、

 このアレン用に買っておいた包帯を使ってやろう。よくよく考えたら、アレンに怪我なんて僕がさせないからね。


「……ウン。かわってなイ」

「おいお前、今どこ見て行った、嫌味か君!?」

「……ベツに、オレだってあげれるもんならあげてーよ」


 お? 言ったなー、

 流石に、これ直接もぎ取ってくっ付けるのは厳しいけど、いつか方法見つけたら真っ先に貰ってやるよ。


「へへ、じゃあ、その時は元オレのだし、」

「いや、それは流石にダメじゃぞー」

「ア。すんませんっした、レコウさんー!!」


 おー、浮気疑われてやがる、ってなにが浮気だ!? ふん、ざまー、


「これ、つまりは、将来的にレコウさんのものに、」

「おー?? 我は別にいらんのじゃが、」

「っ、今のが一番と!? 流石だ、さすがレコウさんだ、」


 むー、二人で話してるなよー、僕も混ぜろー、


「スマン、セシィ。オマエは、今のままで十分らしいぞ」

「あーー?? なわけあるかー!?!?」


 アレンはなぁ! 自分では隠してるつもりだけど、それなりにおっぱい星人だったんだぞ!?!?!?!?!?


「イヤ、でも、今のでいいって、」

「建前だー!!!!」


 そもそも、君がわかるわけないだろうに。


「ソ、そうなんですか!?」

「んー?? まー、何も言うことはないじゃ」

「なるほど、これがドラゴンの気づかい、ツヨイ、カテナイ、」


 当たり前だろ、またフラフラ飛びやがって。


 あー、もう、危ない。ほら、何でだんだん地面に下がってくの、


「イヤ、これ、重しが慣れなくて、」


 ウガーーーーーーーーーーーーーーーー⁉︎⁉︎!?!?!?!?!?!?!?!?⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎!⁈⁉︎‼︎⁉︎⁇⁈!

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