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与えられた禁忌の魔術で復讐を ~凛として咲く仇花~  作者: 一ノ瀬 凪
第一章 異世界で芽を出すクロユリ
19/67

19. クライアとの修行

 午後になり、準備体操から始まり、本格的に訓練が始まろうとしていた。

もう全員が覚醒を経験し、多彩で強力な魔術を扱う事ができる。

その為、訓練の内容は身体能力を鍛える段階に移行していた。


「では、改めまして、本日から模擬戦の相手をさせていただくクライアと申します」

 クライアは一礼する。


「模擬戦の内容は、私が振るう剣に当たらないように

 勇者様には回避の訓練をしていただきます。

 勇者様は防御、回避の為の魔術のみ使用し、攻撃は禁止です。

 また模擬戦は後ろに御座います円形のフィールドで行い、

 フィールド外に出てはいけません。また空中浮遊系も禁止とします。

 何か質問はございますでしょうか?」


 クライアはルール説明を終え、こちらを見渡す。


 瞬太郎は王室の息子がどんな実力なのかを知りたがっていた為、この場面で真っ先に名乗りを上げる。


「取り敢えずやってみようぜ。

 俺から先に行かせてもらうわ」


 瞬太郎は風を切るように歩きながら勝手にフィールドへと向かっていく。


―――


 へへ。

こいつに俺の実力を体感させてやるぜ。


―――


 瞬太郎は不敵な笑みを浮かべ、クライアと対峙する。

その瞬太郎の様子を舞は軽蔑の目で眺める。


「絶対あいつクライアさんの事舐めてるよね」

 舞は目を細めてそう言った。


 卓也も同じような表情でそれに同意する。


「だな・・・」

 

 クライアは剣を構え、戦闘態勢に入る。


「では瞬太郎様、始めさせていただきます」


「いつでもいいぜ!」


 瞬太郎は舐めた態度で答えた。


次の瞬間、瞬太郎はクライアから強い気迫を感じ、背筋が凍り付く。



 なんだ・・・やばい予感がする。


「ソイル・シールド!」

 瞬太郎は簡易防御魔術を発動し、目の前に土の壁を出現させた。


 刹那、土の壁が一刀両断され、土壁は竹のように滑らかに崩れ落ちる。

崩れ落ちた壁から剣を振り切ったクライアの鬼の形相が瞬太郎の視界に入り、瞬太郎は一瞬で冷や汗をかく。


―――


 待て待て!斬れ味おかしいだろ!

俺の魔術は防御力はかなり高いはずなのに!

こいつの気迫もやばい。オーラに呑み込まれる・・・!


―――


 瞬太郎はバックステップで後ろに下がり、距離を取る。

クライアはゆっくりと瞬太郎に向き直し、再び剣を構え直す。


 なんだこの感覚・・・!

対峙してるだけなのに突破口が見えないような・・・。

本能的に逃げたいと身体が感じてる。


「鉄壁の布陣・インプレグナブルっ!!」

 瞬太郎は恐怖から防御系の中で一番強い魔術を発動する。


 ゴゴゴゴゴ!!


 轟音と共に、瞬太郎の全方位に先ほどより遥かに硬い壁がドーム状に形成される。


 一瞬、静寂に包まれ、瞬太郎は暗闇の中で身構える。


・・・ガキン・・・ガキン・・・。


 壁越しに剣の音がうっすらと聞こえてくる。


―――


 流石にこれは破れないはずだ・・・!


―――


・・・ガキン・・・ガキン・・・・バコオオオン!!!


「な、なにィっ!!」

 ドームの天井が崩れ落ち、破られた土と共にクライアが剣を振りかざして飛び込んでくる。


―――


 こいつまじか・・・圧倒的過ぎる。


―――


 瞬太郎は空いた口が塞がらないまま、自分の方へ降り注ぐ土壁の破片とクライアを眺めながら戦意喪失した。


 クライアは瞬太郎の横に降り立ち、剣を喉元に突き立て、耳元で瞬太郎に告げる。


「終了です」


 瞬太郎は息を呑み、呼吸が止まった。

同時に魔術が完全に解除され、ドーム状の壁はすべて崩れ落ち、土に還った。



 崩れ落ちたドームの中に現れた二人の姿を見て舞は驚愕した。


「えっ!!あの人強すぎじゃない!?」

 

 早苗はクライアの剣技に完全に目を奪われる。


「かっこよすぎない?」



 その後、順番に模擬戦を行ったがすべてクライアの勝利だった。


身体能力が異常に高いクライアの訓練は今の勇者達に不足している要素を埋めるために最適だった。



 それから、訓練を始めて十日が経過した。



「本日はクライア様は別件で不在になります。

 なので本日の訓練内容は、勇者様同士でペアに分かれていただき模擬戦を実施してください。

 模擬戦のルールはご自由に設定していただだいて結構です」


 クライアの伝令係の人から訓練内容を言い渡され、勇者達は訓練を始める。



 瞬太郎は腕を振り回しながら気怠そうに口を開く。 


「ここ最近ずっとあの野郎にやられっ放しだったからなー。

 久々に攻撃系の魔術使いてえよな」

 

 この十日間でクライアの実力を嫌という程思い知らされた瞬太郎は、連日の防御特化の訓練でストレスが溜まっている様子だった。


 瞬太郎のその何てことない発言に卓也は前向きな様子で同調する。


「それもそうだな。 男女で分かれて模擬戦にするか」


 卓也は瞬太郎の提案に乗り、卓也、瞬太郎ペアと早苗、舞ペアに分かれて模擬戦を行う事にした。


「だったら今日は派手にやりてえから

 国の城門外の開けた場所でやろうぜ」


 瞬太郎はウズウズしている様子で言う。

卓也は瞬太郎の我儘に半分呆れながらもクライアの伝令に許可を取ろうと顔を向ける。


「全く・・・。 伝令、城門外の訓練は問題ないか?」

 

「国境付近の衛兵と連携が取れる位置でしたら問題ありません。

 あまり離れすぎないよう注意してください」


「よし!決まりだな!」


 瞬太郎はその言葉を聞くと意気揚々と歩き出した。


 瞬太郎に続く形で勇者達は城門を出て、国境外の広場で準備運動を始めていく。



 その様子を城門の上で見張りをしている衛兵が上から眺めていた。


「勇者様の訓練ここから見れるのラッキーだよな」

 

「とんでもない魔術を扱うらしいからな。

 いつもここから毎日同じ景色を眺めるだけの俺達からしたら相当刺激的な経験だ」


「そういえばお前も自分が警備の日に魔物見たことないのか?」


「そうだな。 見たことないからあんまり魔物の脅威を感じないんだよな」


「同感。 俺も見たことないから同じ」


「この景色も悪い景色ではないんだけど、流石に毎日見てるとなー・・・って・・・ん?」


 衛兵は喋りながら遠くに見える青い山脈を眺めていると、視線の先に見慣れない何かが目につく。


「おい・・・おい!なんかとんでもないスピードで向かってきてないか!」


 目を凝らして見た先には、山脈を越えて飛んでくる黒紫に光る異様な大きさの鳥が接近してるのが分かった。

それは、一直線にこちらに向かっており、魔物の大きさが段々と実感し始める。


「あれは・・・魔物だあぁぁあああ!!!!」




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※2023/6/19~ 上記曜日に変更してます。


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