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与えられた禁忌の魔術で復讐を ~凛として咲く仇花~  作者: 一ノ瀬 凪
第一章 異世界で芽を出すクロユリ
17/67

17. 魔物とは何なのか

 ルカはチラシが完成した日の夜中、人目のつかないタイミングを見計らって掲示板に異端者を募るチラシを貼り付けた。


一般人からの目線は痛いので、貼り付け作業は誰にも見られないようにする必要があったからだ。

そしてこのチラシを見た者も、このチラシに興味を惹かれているという事を周りに隠したいはず。


 月曜日の夕方、チラシに記載してあった18:00集合の時間の少し前からルカは掲示板が遠くからでも見える位置で張り込みをしていた。


「さあ、一発目の月曜日だ」

 ルカはワクワクしながらその時を待った。


「・・・・」


 それらしき人は見当たらない。

掲示板を横目に通り過ぎる人等はいても、立ち止まって待ってる様子の人間は見当たらない。


 なんなら18:00以外の時間は待ち合わせで利用してる人もいたが、この18:00の時間は避けているようにも感じられる。


「はあ・・・。 まあまだ一週目だし今日の所は勘弁してやろう!」


 ルカは結局収穫無しのまま立ち去り、アジトへと戻っていった。


―――


 ファサ

 

 ルカがアジト入り口の布を捲ると、その先の凛がこちらに振り向くのが目に入る。

凛はルカを見た途端に目をキラッと輝かせ口を開く。 


「ルカさんどうでした!!」


 チラシのデザインを考えたのは凛がメインだった為、効果が気になるのも頷ける。

ルカは凛の期待の眼差しに対し、申し訳なさそうに目線を横にずらしながら答える。


「一週目の収穫は無し・・・。

 まあでもまだ一発目だし!次週に期待だ!!」


 ルカは凛が落ち込まないように前向きな言葉を添えた。


 するとダンが思い出したかのような顔をして、二人に向けて話し始める。


「そういえば今日の夜はナギが魔物調査から帰ってくる日だ。

 問題無ければそろそろこっちに到着するはずだがな」


 ダンがそう言ったと同時に、噂をすればと言わんばかりにアジトの扉が開いた。


「たーだいまぁー!!」

 ナギがとんでもなく元気な様子で帰ってきた。


 そしてその勢いのままナギは急に敬礼のポーズをとる。


「ナギ調査員、只今帰還いたしました!!!」

 

 なんのコントなのか、ナギは気分が良いようだ。

そしてルカはナギのテンションに合わせて乗っかり始める。


「ナギ調査員!よくぞ無事に戻ってきたな!

 では調査結果の報告せよ!」


「ラジャー!!・・・その前にご飯食べたい・・」


 ナギは敬礼していた腕をダランと落とし、空腹を訴えた。


 その後、ダンがナギの為に料理を用意し、全員がテーブルの席についた。

ナギは行儀悪く料理を食べながら魔物の調査報告を始めた。


「えっとね・・・ぶっちゃけ謎ばっかって事しかわからなかった」


 ナギは口をもぐもぐさせながら話し始める。


「魔物生息エリアを少し距離をおいて空から眺めてたんだけど、

 まずエリア全体が暗めの雰囲気が漂ってて、

 なんか腐った土地と腐った森っていう感じだった。

 いかにも魔物の生息地っていう見た目ね。

 ただ、正直そんな凶暴そうな個体はあんまりいなそうに見えたの。

 魔物の見た目は全部黒紫っぽいから遠目だとわかんなかったんだけど

 よく見るとそこらへんに生息してる草食動物とかに似てるの!」


 ルカはその意外な調査結果に希望を感じる。


「マジか!普通に弱そうだな!」


「そうなの!その後も空から観察を続けたんだけど

 草食動物っぽい魔物はウチが空に浮いてるからっていうのもあって

 襲ってくることはなかったからもうちょっと奥まで調査してみたんだけど、

 奥に行くと流石にやばそうな魔物も発見したの。

 なんかこうキメラみたいな色んな動物が混ざってできた魔物とか

 おっきめの凶暴そうな肉食動物っぽいのもいた」


 ダンは顎を触りながらナギの話を聞き、推測を立てる。


「奥に行けば行くほど危険って事か」


 ダンは独り言のように呟いた。


「でもね、不思議なの・・・。

 一回おっきい鳥型の魔物がバッて飛び立ってこっちに飛んできたの。

 ウチも焦ってスピード出して引き返したんだけど

 ウチより魔物のが早くて追いつかれそうだった。

 やばいって思って戦闘態勢に入ろうとしたんだけど

 ウチを通り越して飛び去っていったの・・・」


 ナギは疑問一杯の表情を浮かべる。


 凛もまた、眉に力を入れた表情で不思議そうに呟く。


「ナギちゃんを襲おうとした訳じゃなかったのかな・・・」


 色々な憶測が考えられる中、ルカは何かを感じたようにナギに聞く。


「その魔物は魔物生息エリアを出て、どの方角に飛んで行ったんだ?」


「多分・・・氷壁の国か、土塊の国方面かな」


 ナギのその返答にルカは思考を回す。


「・・・よく考えたら、魔物の被害があったケースは四大国のみだ。

 もしかするとだが、魔物は意図的に四大国のみに攻撃しているのか・・・?」


 ルカは今までの魔物被害の例から推測し、そう仮説を立てた。

そして天を仰ぎながらより思考を深めていく。


「侵入してきたナギに敵意を向けなかったのは謎だが

 もし本当にその鳥型の魔物の被害が直近で氷壁の国か土塊の国の

 どちらかで出た場合、筋は通りそうな気がするな・・・」


 ルカは目を瞑りながら独り言のように呟いた。

ダンはその仮説に対して疑問が浮かぶ。


「だが魔物が意図的に四大国を襲う意味もわからないぞ」


「・・・そうだな。

 そういう意味ではナギが言う通り、謎ばっかという結論だ。

 だが、仮説通りなら俺達が少人数で魔物エリアに突っ込んでも

 下手したら襲われずに進める可能性もある」


「いや、流石にそれは危険だ。仲間を募った後でも遅くない」


 ダンはルカの無謀な挑戦にストップをかけた。


 凛もリスクはなるべく少なくしたいのでここはダンに同調する。


「そうですね!まだ調査も募集も始まったばかりですし

 焦らずじっくり考えていきましょう!」


 凛はダンの意見に乗っかる形で仲裁した。


―――


 私にとっても魔物討伐に先行し過ぎるのは避けたい。

私は勇者達の魔物討伐時期に合わせて動けるのが理想。


勇者達の魔物討伐の遠征を逃したらあいつらに復讐を成し遂げる絶好のチャンスは今後訪れないかもしれない・・・。


徹底して準備しなければ・・・。


―――


その日の報告会はほどなくして終了し、異端解放団メンバーは解散した。


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投稿頻度を週四回で行っています!

投稿する曜日〈 月、火、水、木 〉

※2023/6/19~ 上記曜日に変更してます。


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