合流が3階!?
優喜が携帯を手に電話をかける。まずは明からかけた。電話が鳴る。Trrrrr Trrrrr
電話はこの近くでは鳴っていないみたいだ。そうして3回目の呼びだし音が鳴ると電話がつながった。「もしもし、優喜だけど、明は今どこにいるの?」電話がつながったことに驚いた明美と優喜。明が言った。「今って家にいてるけど、まだそこにいてるの?」「もう時間遅いし、また遊ぼう。」「じゃあまた。」そして電話が切れた。いつの間に帰ったのか不思議に思った優喜であったが、無事であった事が確認とれた。安堵感から力が抜ける思いだった。明美にそのことを伝えると、明美が言った。「みんなを置いて帰るとはな・・・」「・・まあ無事だった事だし次にかけてみろ。」次にかけたのは、啓介だ。つながらない。電源が入っていないのか電波が悪いのか、機械音声が流れる。続いて隆に電話をかける。Trrrrrすぐに出た。「もしもし」すると聞こえて来たのは、隆がなにか言っていた。「助けて・・助けて・・助けて・・もう・・やめてくれ・・お願いだ・・」何かの音と共に携帯から音声が途切れた。驚いた優は明美の顔を見て言った。「・・何かに襲われているのか、助けてと・・何度も言って切れました。」無事が確認とれたのは、明だけだった。もう一度隆に電話したがつながらなかった。明美が言った。「とりあえずだ。一度武史から事情を聞いた方がいいな。」「それに奈々という女はあれから別れたけれど、合流した方がよさそうだな。」優喜は、さっきのメールの件を言わないといけないなと思い明美に言った。「さっき携帯のメール実は、・・・本当は奈々からだったんです。」「・・嘘を言ってすみません。」明美は少し怒ったように言った。「何―?何故こんな時に嘘を言った。正直に答えろ!。」
優喜は申し訳なさそうに言った。「実は明美さんが嘘を言っていると書いてあって。」明美は、奈々に対して思う事が増えたのか、こう言った。「あの女は、やはり怪しい。」「やはりあいつは何か知っているのか?」
続けて優喜は、言った。「3階で合流しようと書いていました。」優喜は携帯のメールを見せそう言った。「明美さんは僕に嘘ついてないですよね。・・」明美が言った。「こんな時に嘘つく理由がないだろう。」
「さっき言った3階で合流しようって言うのもおかしいではないか。」「何故、外で合流しようとしないのだ。」「病院の中で合流するのは普通に考えておかしいだろう。」「それに本館は開いていなかったはずだ。」「あの女の方が嘘を言っているのではないか。」優喜は、確かに奈々の様子がこの廃病院に来てから、おかしいと感じた。でも、奈々には何かきっと理由があるのかと考えていた。初めて会った奈々の印象が頭から離れず、裏があるようには考えられなかった。それと3階に上がるには、・・あいつと会うかも知れない。あの奇妙な出来事が頭に浮かび、明美に話した。「あの・・・明美さん。僕がここの上の階に上がった時の事なのですが・・、3階に上がろうとした時に水がポタポタと聞こえてきて、それが段々近づいて来たように感じて、嫌な感じがして、2階の部屋にベッドの下に隠れたんです。」「そうしたら、女の人の様な長い髪の人が、何かを引きずる音が聞こえたんです。そして叫び声を上げ2階の通路を通り過ぎたのが見えたんです。」そのことを明美に伝えると明美は言った。「・・・やはり、ここは不浄な者や何か良くない事が起きているな。」
(それに謎の人物の事もある。何かがおかしい。)明美は嫌な予感がして優喜に言った。「優よ・・武史の目が覚めたら直ぐここから出よう。」優は言った。「そんな・・まだみんな事もあるし、奈々の事も放って出るのですか?・・」優は言った。「僕はそんな事出来ません。最後まで探します。」「明美さんは武史を連れて帰って下さい。」優喜は、怒ったように言うと階段に向け歩いて行った。明美は武史の事もあってか、ついて行けなかった。明美は。未だ目を覚まさない武史に向かってこう言った。
「おまえの友達の優は、本当にバカで・・優しいな。」
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