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隠された世界  作者: ガイア
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君は宝石?

優喜と明美は、別棟の中で歩いて行くと、明美が少し話したいことがあるみたいで、指を指し言った。「そこの椅子で少し話したい事がある。」優は、何か大事な事なんだと思い、返事をした。「・・・はい。」二人が以前ばったり会った、待合室のような所で腰を下ろした。「いいか、優これから言う事は、客観的に見た感じの事を言うが、間違いや勘違いも、あるかもしれないが」ここで少し時間を空けて明美が言った。「奈々と言うやつは、危ない気がする。」「ここで、奴と初めて会った時は、怪しい輩が面白半分で侵入した輩だっと思ったので声をかけたんだが、優の知り合いだった事が分かってから、何故肝試しする時間の前に来ていたことがや、そこの扉の開閉に関しても、瞬時に見抜いた事もそうだし、改めてここに戻る時も、優を誘導させようとしている気がした。」「いいな。奴の事を信用するなよ」優は、奈々と初めて会った時を思い出していた。そして明美に言った。「明美さんが心配している事は、僕も正直、不審に思う事があります。ですが、彼女は、人の痛みを知っている人なのです。明美さんが思うような事はありませんよ。」明美は、優がそう言ったのを聞いてこう言った。「優は優しいからな、ただこれだけは、覚えておいてくれ。」「ここは日常と切り離された場所で、何があってもおかしくない。」

「もう一つ優に聞いておきたいことがあるんだが、優が子供の頃、私と結婚する約束した事があっただろ?」優は照れたように答えた「あ・・あれ・・は子供の頃の事なんで・・」続けて明美が言った「あの時は本当に嬉しかったよ。ありがとう。」「あの頃の私は、色々傷つき、うちのめされていたんだ。」「この狭い世の中に対して、偽善の社会に対してや、人間関係に疲れ果ててしまっていたんだ。」「そんな時に、君と出会い、純粋な目をして笑った顔の君を見て悟ったんだ。」「私は、自分の人生は、こんなに素晴らしいことがあるんだって」

「君は、もちろんだが、君の周りも純粋で無垢な宝石を見ていると、私ももう一度輝きたいと思うようになったんだ。枯れ木に水が染みわたる感覚だったよ」「優は、私の光になっていたんだ。」優喜は、明美の心の内を聞いて、照れた顔で言った。「明美さんは、僕の憧れです。」

「僕は、明美さんと一緒にいた時間は宝物です。」「色々な事を一緒に話しましたよね。」「塾の授業以外に政治や経済やその国の歴史や天文学、オカルトやスピリチュアルな事など全てにおいて同じ目線に立って色々な事を教えて頂いた日々は、僕にとって宝物なんです。」「明美さん、一緒にみた冬の星空を覚えていますか?」明美は少し俯いた顔をして言った。「ああ・・覚えているよ。」「君と一緒に、星を眺め冬の星座について話した日だね。」「オリオン座に牡牛座。おおいぬ座など黄道十二星座についてだったな。プレアデス星団についても少し話したな」「いささかロマンチックに欠ける場所だったがな。」そう言った明美は苦笑いを浮かべていた。周囲が閑散とした静かな畑が周りにあった道を思い出していた。「明美さん、ここを出たらまた一緒に星を眺めに行きませんか?」「また同じ場所で」優喜は明美が、何か気分が沈んでいる様に見えたので笑顔で手を差しだした。「そうだな・・。」明美は軽く笑うと優に向かって軽く咳払いをしてこう言った。「悪いが、少し体が冷えたみたいでな、用をたしに行くので先に本棟に続く通路が通行出来るか見てきてくれないいか?」優は「分かりました」と答えた。明美から懐中電灯を受け取り明美が言った「ここに後で報告に来てくれ。」「では後でな・・」と外の扉に向かい歩き出して行った。優は懐中電灯を握り階段を上がって2階に上って行く。


そのころ明美は、ドアの前に立ち言った。「人のプライベートを覗くとは、趣味が悪い事だな。そこで隠れていることは分かっている。出てこい!」


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