第九話・《太陽》と悠華
瞳那「はい。『現神と荒神の一人言』始まりました」
瞳那「いよいよ話に。それと、この話は星二十二遊戯編でありながらシャルル=グランゴヌール編でもあります。星二十二遊戯編の中に位置してますね」
瞳那「さて。扉の先には……悠華の答えは。それでは……」
瞳那「本編どうぞ!」
そこには炎を纏った先程の《太陽》が。腕や体など至る所に炎を纏って燃えている。炎が青く
『彼女の事と君の事』
《皇帝》とその横には綺麗な少女が
『先ずは……君は星二十二遊戯《月》にならない?』
突然そう言われた。私は目を瞑り考えた。なったとしても……私には星二十二遊戯のメモリーが有る
だから……
「断ります。理由は単純。そうするならこれを《観測者》通して渡さない。例え《観測者》が頼みで手に入れたのなら……貴女はこれを渡さない。初めから……知っていた」
私は星二十二遊戯のメモリーを見せて、続けて
「《皇帝》の能力は……星二十二遊戯の能力を全て扱う事が出来る」
彼女は細く微笑む
『当たり。《吸血姫》』
そう言うと彼女は机から降りて
『貴女が断れば私は《月》に。そして……《太陽》は貴女の母親よ。見た目は少女だけどれっきとした貴女の母親よ』
私は目を見開いたが彼女は私の方へと歩く。裸足で炎は燃え移らずに私の頬に触れて
『私の……娘……そう。私は貴女の事を知らない。私はその記憶には無いから』
炎はゆっくりと触れてから戻り
『彼女は特殊だからね。彼女はそれ以降の存在では無く、彼女が最も星二十二遊戯にとって力が出る歳に現荒人神姫として蘇ったから。君の知る母親とは別。《太陽》』
視線だけを《皇帝》に向けていた。青い炎は未だ纏ったままで
『この場におる限り悠華の母親として傍に居てあげなさい』
彼女の瞳が一瞬だけ濁り普通の瞳に戻ると私の事を優しく包み込む
『さて。悠華。君に彼女に鍛えて貰って。彼女は星二十二遊戯の中で死は存在しない存在だから』
《太陽》……元い母親は《皇帝》の方へと向くと頭を下げていた
『そうする。分からないけどこの子は大切な存在だから……あの部屋で会いに行った時から……』
『着いてきて。教えて欲しいの……私と貴女の話を』
私は頷いた。だけどその前に
「この空間は止まっている……て事はどの時代にも行けてどの時代にも行けない。だから目の前に居る母親の姿も何処かの世界の?」
《皇帝》は肩を竦めて
『正解でもないし不正解でもない。君の母親は間違いなく君の世界の母親。だけどその可能性もあったからこそ……こんな話はしない』
そう返された。余計に分からなくたった
『このシャルル=グランゴヌールは説明が出来ない。あるいは……《世界》なら説明が出来るかもな』
彼女は青い炎を消すと
『気になるのなら行こ?』
そう言って手を引かれた。懐かしい……あの日に母親は死んだ。なのに目の前には若い頃の母親が
毎日手を繋いで私を引いてくれた手が細く感じた
『どうしたの?』
首をこてんと傾けて聞いてきた
「何でもない……」
私はそう答えた。《皇帝》はそんな私達を見て
『この場所は誰にも邪魔されない』
そう言われて、再び彼女に手を引かれて部屋から出た
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『アレが親子?。私には見えない』
たった今、星二十二遊戯《月》になった彼女が言ってくる
『違えど彼女達は親子。君にも居たはず。彼女は?』
彼女は目を伏せて
『死んだ。いいえ。正確には生きてるが敵として。私の娘はとっくに死んだ。《皇帝》』
彼女が真剣な表情で聞いてくる
『合間見えたのなら私に譲って。それが星二十二遊戯に入る条件で永久に居てあげる。今度は……あの二人が私のようにならないようにするから』
悲しげな表情をした。私はそれを見て
『油断するなよ。お前は……私が知る中で現荒人神姫の中で最強に近い存在なのだから』
彼女は細く微笑み含むように
『光栄な事。期待に添えるよう努力するわ』
そう言って空間事歪むと彼女は消えた
『相変わらず出鱈目な力ね』
そう呟いて今日の事を考える事に
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青い炎を再び出しながら彼女は歩いていた。熱くない炎だけど
『貴女が私の娘……』
彼女は立ち止まると私の手に炎を纏い始めて
『私の炎は生き物なの。私に住み着く寄生虫の様に私が生み出したの炎は意志を持ってる』
炎の形が龍みたいな形をし始め私の腕丸ごと噛み付く
『落ち着いて……少しだけ寄り道』
私の手を引いて外へと歩く。彼女は私の手を離して私と離れる
そして青い炎は渦を巻くように周囲へと広がり爆発する様に青い炎は巻き込んでいた
その真ん中に彼女が。幻想的でそして
『私の炎は優しい子なの』
手のひらで炎が揺れていた
『悠華。力は確かに良い……でもね。それが裏目に出て自分を巻き込む……決して力だけが全てじゃない』
そう言って指を鳴らすと青い炎は消えた
『私は貴女を強くする事が出来る。でも……殺しも何も教えない。教えるのは……守る為の力。守るのは決して悪くないの。もし……戦いを教えて欲しいなら……私は教えない。だって……娘にはそうして欲しくないから』
この時の表情はお母さんの……私の知っているお母さんの表情をしていた
契禊姫「と、『現神と荒神の暇つぶし』始まったね」
レスティア『……ようやく……星二十二遊戯《太陽》の……正体が……判明したね……』
契禊姫「私の親と同じだけど厳密には違う。悠華の母親ね。難しいから簡単に言うと……シャルル・グランゴヌールの屋敷は時間軸には存在しない場所。その代わりに無限に成長する荒神など居て危険指定場所に」
レスティア『……更に細かく……シャルル・グランゴヌールは……時間の概念が……存在しない……だから……』
契禊姫「悠華の母親が死ぬよりも前に存在してるのも……悠華の母親の死後にも存在してるのも、それらの時間軸が合致しない理由がそれなの。つまりは《太陽》は矛盾点から生まれた存在で現荒人神姫であって現荒人神姫では無い」
レスティア『……ややこしいけどね……』
契禊姫「えーと……悠華の母親の死があった災害時にシャルル=グランゴヌールはその時代よりも過去に存在していた。その時に分岐になっていた悠華が生まれるルートではない方の《太陽》が現荒人神姫として星二十二遊戯に。でも、その時代も悠華の時代だった為に《皇帝》は同一人物と答えたの」
レスティア『……記憶が……無いのも?……』
契禊姫「そういう事。ルート的には悠華は生まれるからその時の《太陽》は記憶が存在してるが、星二十二遊戯の方の《太陽》はそれとは別のルートになってるから記憶にはない」
レスティア『……記憶喪失なのは?……』
契禊姫「星二十二遊戯の勘違い。確かに記憶は無いけど、それは現荒人神姫になった時に記憶を全て失ったから。でも、私や悠華が記憶残ってるのメモリーのおかげ。逆に《太陽》は保存する為のメモリーがその時に生成されたから記憶が無い状態で記憶喪失と言う現象が起きたの」
レスティア『……なんと言う……複雑さ……てか……これ……大丈夫なの?……』
契禊姫「シロクロ本人さえ分かってればいいと。私達は出来るだけ説明はするけど実際の所、シャルル=グランゴヌールは不可思議の領域だからね。だから《世界》と《塔》がなせる技と思ってけば大抵は何とかなる」
レスティア『……うわぁ……』
契禊姫「今回の《太陽》についての現象解説的な何か。多分だけど分かりにくいけどこういう仕組みで《太陽》は存在してるの」
レスティア『……今回は……短いけど……解説したから……終わり……』
契禊姫「もう……ネタバレは無いけど多分分かりにくいと思うから解説にしたけどね」
レスティア『……ん……』
契禊姫「今回はここでおしまい。次回も」
「『またね!』」