79/173
召喚士、5
「リーリア」
俺たちの側に居たアリアさんが呟いた。
「凄いですね。リーリア」
笑うとアリアさんも微笑む。
「…にしてもこれだけの魔族。急にどうしたんだ?」
ミルがアリアさんの腕に手をかざしながら呟いた。
血が止まって傷が消える。
「ありがとう。たまにあるのよ。魔族の次の狙いはこの西の国みたいね」
アリアさんは厳しい目をしてため息を吐いた。
ガイがとりあえず目で見える最後の魔族を切ったところだった。
遺体と返り血塗れの街。
リーリアがクルクルと右手をかざして消していく。
ミルはガイの顔に切り傷を見つけて手をかざした。
「あなたたちなかなかなパーティーね」
アリアさんはリーリアに微笑む。
「その剣。まだ持っていてくれて嬉しいわ」
リーリアの左手にあった短剣。
「これは母さんからもらった初めての剣だから」
リーリアはそっと手を添えてからまた胸元に戻した。