西の国へ、3
目の前にそびえ立つこれでもかってくらいの城壁。
城壁もあるとこって西だったんだな。
まぁ、今までどこもなかったからここだろうとは思ってたけど…
「なぁ、今回何でこんな着くの早いんだ?」
「単純にザイのあの家が西に近いからだろ」
ガイが何言ってんだお前?って顔をする。
「まさか!リーリア様!?」
城壁の門に居た兵たちがリーリアを見て慌てて膝をついた。
「待って!普通にして!私この国出てるし、今は普通の魔法使いだから!」
リーリアがわたわたと慌てて兵たちを立たせる。
「そんな訳には参りません!国の第1剣士の娘様には変わりありませんよ!」
立たされても兵は頭を下げていた。
「リーリアって凄いんだな」
感心して呟くと
「だから、私じゃなくて父さんたちの力なんだってば」
リーリアはため息を吐いた。
「中央の勇者だ。王にお目通りを願いたいんだが…」
ガイが兵の中で胸に勲章の1番多い兵に声をかける。
「勇者様でしたか!すぐにご案内致します。お疲れでしょうから、広間でお待ち下さい」
頭を下げた兵士の横で
「タイガ様もお呼びしますか?」
違う兵がこそっと耳打ちをする。
「俺が勇者様方をご案内して王に判断を仰ぐ。お前たちはここの警護を頼む」