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魔法使い、10
「うっし!行くぞ!」
城を出ると大きく伸びをしてさっきまでのきっちりしていた全てを振り払うガイ。
「召喚士って誰かアテはあるの?」
リーリアが歩きながら尋ねると
「いや、全く。とりあえず、先に王に挨拶を…って感じでどうだ?」
ガイは隣で歩いているリーリアに返答を求めた。
「意外と考えてたのね。もっとノープランかと思った」
いや、ノープランじゃないか?
心の中で突っ込む。
王様に会いに行く以外何もないんだろ?
「ユースケ、今度から魔物とか出たら私の隣においでね」
後ろを歩いていた俺の腕に絡んできて笑うリーリア。
「あ、でも左側にしてね!右だと邪魔だから」
邪魔。
「了解です」
うなずくと
「かわいい!」
リーリアはサッと俺の左頬に手をついて俺がびっくりしてるなんて一切気にせずキスしてきた。
ちょっと待って!
口!!
俺、ファーストキスなんだけど。
「今日はあそこで泊まれるか聞くか?」
俺たちがキスしてるなんて一切気にしないで言うガイ。
え!?
この状況無視!?
てか、キスってこんな長い?
俺、そろそろ息限界なんだけど!?