海鳴り(Ratteさん作)
鏡に映る 虚ろな形
誰かの真似をして 生きている振り
思い通りってなんだろう ねぇ 私は誰?
冷たい水の底 モノクロの海
水面に手を伸ばしても 届かないことは知っていたのに
なにやったって なに叫んだって
その言葉は思いのままに 形にならない
泥だらけになって 無駄なんだって
歪な私は ただ知りたかっただけ
「生きてる」ってなんだろうって
扉の外から 優しい声
理由がわからなくて 鍵をかけた
幸福ってなんだろう ねぇ 私は何?
揺蕩う蒼い空 泡沫の夢
飛び立つ渡り鳥には 近づくことすら叶わないのに
なにやったって どう足掻いたって
身体から溢れるものは 意味不明ばかり
どうしようもないって 無意味だって
歪な私は ただ知りたかっただけ
「人間」ってなんだろうって
消えゆくわだつみ 消えない私の罪
泥のように重なり 響く海鳴り
「もし」が起こって 夢が叶って
色づく世界 太陽の下 だけれど
この身を焦がす 陽の光
苦しいだけだって 悲鳴あげたって
生まれた感情は 行き場が何処にもなくて
「それが人なんだ」って 貴方に言われたって
歪な私には 「それ」が分からないから
遠く深い水の底 輝いてみえた
Ratteさんにも二作寄稿いただきました。
こちらは、Coccoさんを彷彿とさせる感じですねー。海に関する言葉が多いのでそう感じたのかもしれません。わだつみと私の罪の音の重ね方が気持ちいいですね。