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partner  作者: 皐月 悠
8/12

【8】


【8】


 「「あれ?」」

 金曜日の夜、仕事帰りに喫茶店に行くと玲も居た。

 ドアを開けた瞬間に玲と目があう。喫茶店の中に入ると、通常の閉店まであと1時間あるが、今回はその前に閉店にしていると言っていたので、他にお客さんは居ない。エプロン持参のため、エプロンをつけている学生みたいな女性が一人居るが、その人は参加者のようだ。

 「どうして、ココに?」

 「春の知り合いに教えてもらおうと・・・」

 「私は、この人に教えてもらおうと・・・」

 眼鏡の執事を2人で見ながら、そう答える。春の知り合いで、この人の眼鏡の執事はふと笑みを浮かべている。

 「世の中狭いって本当だね。もう、この場で早めに渡してもいいんじゃない?」

 「「・・・そうですね」」

 玲は残念そうな口調で言い、私はため息混じりに言った。

 「全員そろったところ申し訳ないけど、もう少し準備に時間がかかるので待っていてください」

 「材料費は先に集めますので、準備できた方からこちらに来てください」

 レジの近くに喫茶店のスタッフが立っていて、手に手書きの領収書とペンを持っている。 

 「丁度で、お願いします」

 もう一人の参加者はバックの中から、さりげなくレザーの小銭入れを取り出す。市販品にしては、色付けと刻印のバランスが手作り感が溢れている。丁度の金額を取り出すと、スタッフに手渡した。

 「では、こちらが領収書になります」

 「はい」

 受け取った領収書をバックの中にしまっている。

 「あの人、作るのが好きそう」

 玲の目には好奇心が溢れてきている。

 「そうだね」

 私達が参加費を支払い終わる頃には、準備も終わっていたようだ。黒いエプロンをつけた眼鏡の執事は、キッチンに案内してくれた。貴重品は持参で移動をすると、材料を出していきながら、説明をはじめる。

 「全員、成人しているので、お酒使います」

 「「・・・え?」」

 玲と私は成人しているという部分で、もう一人の参加者に視線を向ける。

 「一応、成人してギャラリーのオーナーをしています」

 その人は、苦笑を浮かべてそう答えた。玲は、ギャラリーのオーナーの部分で反応して、質問をしている。

 「・・・もしかして、華さんですか?」

 「はい」

 「春から、話をよく聞いています」

 「春の知り合い?」

 「はい、玲です」

 「玲の同居人です」

 「えーと、自己紹介が終わったところで、次の説明を続けます」

 淡々とマイペースに眼鏡の執事は、説明を続けた。


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